クルマの調子が悪い、といって「整備」に出す人はいません。それは「修理」です。
整備とはクルマ本来の機能を引き出すためにおこなう、各種の調整作業をいいます。事前にクルマを構成する各種の部品が正常な状態であることが必要です。
修理というのは、破損した部品の交換のことです。クルマの機能全体としてみると、直したことにはなりません。
クルマのコンディションは整備が完了したあとドライバー自身が運転してクルマの正常値と特徴が理解できる性質のものです。毎日使うクルマほど、ドライバーにはわかりにくい領域もあります。
いつも乗っているクルマに対して、ドライバーは無意識にクルマの状態を受け入れてしまうのが普通です。
コンディションが落ちてゆくのは大抵の場合、急激に、ではなく、徐々に、というのが普通ですから、程度にもよりますが、いつの間にか状態に慣れてしまい、それとわかりにくいのも特徴です。
整備してみて初めて今までの状態が理解できる、とそんな順番です。