精神世界の旅

精神世界のいくつかの領域を探求します。

覚醒・至高体験:山田耕雲02

2007年08月30日 | 覚醒・至高体験の事例
これから取り上げるのは、山田耕雲(やまだ・こううん)という禅僧の体験である。山田耕雲著『新版 禅の正門』(春秋社)よりの抜粋である。

その他の事例は臨死体験・気功・瞑想の「覚醒・至高体験事例集」をご参照いただきたい。

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山田耕雲老師 『再見性の大歓喜』(抄)

....前部分 略....

三島龍沢僧堂 中川宗淵老師宛の手紙

拝啓 過日は御取込みのところへ大勢にて参上し、日和はよし、まことに楽しい一日を過ごさせて頂きました。安谷老師も大変およろこびにて、境致はよし、よい指導者を得て雲衲は仕合せだ、と述懐を洩らして居られました。

さて、あの席上、アメリカの青年のことを中心に見性に関する御話しが出ましたが、あれから幾日もたたない今日、小生自身の体験を御報告することになろうとは思いませんでした。 貴山へ伺った翌二十四日、ちょうど所用で東京へ出て来た家内と帰りが一緒になりましたので、夕方五時頃二人で横須賀行の電車に乗りました。小生は読みかけの『損翁禅話』という書物を開きました。御承知かも知れませんが、損翁というお方は元禄時代、仙台に居られた曹洞宗の尊宿なる由。

丁度大船より少し手前のあたりで書中「あきらかに知りぬ、心とは山河大地なり、日月星辰なり」(付記『正法眼蔵即心是仏』の巻にありと)の句に逢着致しました。この文字は決して初めてお目にかかった訳ではないのですが、何かしらハッと固唾を呑む思いでした。謂えらく「自分も禅に参じて七、八年。ようやくこの一句がわかるようになったか」と。そう思うと急に涙のこみ上げてくるのをおさえることが出来ません。人中なのできまりがわるく、ソッとハンカチで眼を拭って居りました。鎌倉へ着き、裏道を帰る途々、何となくすっきりした気分です。

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