15は、ハジメが東京に戻ったところから始まります。箱根の別荘で居なくなってから、島本さんに会うことはなかったようです。イズミとの出会いは、分かりづらくて、彼女はタクシーの中でした。しかも、ハジメには気づいたのか?そうではないのかも分かりません。表情がまったくないのでした。
一番マトモに表現されているのは、妻の有紀子です。彼女も苦しんでいたようです。ハジメが他所に好きな女性がいると感じていたようです。しかし、彼女はその事でハジメを責めることはしません。
島本さんとは分かれて25年過ぎていましたし、イズミとは20年過ぎています。自分の感覚としては、そんな昔の女性と、どうにかなろうという感覚が分かりません。なので、女性の姿を借りていますが、ハジメの作り出したハジメ自身の幻影でないかと思います。自分のことで考えると、30少しすぎまでは、いろんな自分のしたい事を優先してましたが、37の頃は、年子みたいな3人の子供がいました。それからは自分のしたいことと言うよりも、3人の子供いかに育てるのかだけを、優先してきました。多分ですが、ハジメもそういう感覚になって、穏やかな生活を過ごしたと思います。
15が最後なので、結論を出さないと終われません。太陽の西で、日常の生活を淡々とこなしているうちに、いつか終わりが静かにやってきます。最後に、ハジメが「ロビンズネスト」に出ているとき、ジャズプレイヤーが気を利かせて、「スタークロストラバーズ」を演奏してくれてましたが、もうそれは必要ないと告げます。ジャズプレイヤーが演奏してくれたのは、「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」でした。
品川猿は話す事ができるし、「海辺のカフカ」のナカタさんは猫と話す事が出来ました。村上春樹はいつもメタファー(比喩)のことを言っています。猿や猫と話すのはどういうことなんでしょうね。
isamさん次を読む予定はあるのですか?私は「海辺のカフカ」の下巻を明日から読みます。
原作の「女のいない男たち」ですか?図書館へ予約入れてます。水曜日に生きます。明日は休みなので。