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人工知能には知能がありますか

2020年11月16日 | 日記

人工知能には知能がありますか

対局は白熱していました。両者は攻撃と反撃を繰り返し,チェス盤上で闘いを続けました。しかし,対局していたのは普通のチェス競技者ではありません。
一方はチェスの世界チャンピオンのコンピューター,「クレイ・ブリッツ」であり,もう一方は挑戦者の「ハイテク」でした。
これらは共に,異なったプログラムが走る,特別にプログラムされたスーパー・コンピューターだったのです。また,両者共,人間のチェス競技者で上位にランクされている人たちをほとんど打ち負かす力を持っていました。
両者は世界コンピューター選手権の争奪戦を行なっていました。

 

最終ラウンドまでは,全員の予想にたがわず「ハイテク」が優勢でした。1回引き分けるだけで勝つことになっていたのに,
「ハイテク」は「クレイ・ブリッツ」が打っていた巧妙な手を見過ごし,皆を驚かせました。突然「クレイ・ブリッツ」が奇襲攻撃をかけ,「ハイテク」を打ち負かして世界選手権を保持しました。

こうした話は,ある人々を不安に陥れやすいものです。チェスをしたり,パズルを解いたり,数学の定理を証明したりするのは,ほとんどの人間よりもコンピューターのほうがうまくなったとか,聞いたり見たりするだけではなく,話すこともできるロボットがあるとか,医師が治療や診断を行なう際にコンピューターに意見を聞くとかいう話を耳にすると,幾らか気力がくじけます。空想科学小説が現実になっているのでしょうか。
コンピューターは聡明になり,間もなく世界の征服者となるのでしょうか。

 

わたしたちは普通,問題の解決や言語の使用などを知能と結びつけるので,そのような懸念が生じるのも無理からぬことです。
わたしたちはそうしたことを機械が行なうとは考えません。コンピューターにもそういう期待はかけません。普通のコンピューターは,命令にこたえる高速情報処理機にすぎないからです。
ところが,「ハイテク」や「クレイ・ブリッツ」のようなコンピューターは並外れています。そのようなコンピューター・システムに行なわせようとしている事柄を説明するため,科学者は「人工知能」つまりAI(英語のartificial intelligenceの略)なる語を作り出しました。また,科学者たちがそれらの機械に関して行なってきた主張や予告は,不安を静める助けにはなっていません。

 

ノーベル賞を受賞したハーバート・サイモンは,1957年に,「10年以内にデジタル・コンピューターがチェスの世界チャンピオンになる」と予告しました。
もっと最近になって,ロード・アイランド州プロビデンス市にあるブラウン大学のコンピューター科学者,ハーベイ・シルバーマンは,
「5,000語の語彙を持ち,簡単な英語の会話ならほとんど理解できる[コンピューター]が数年以内に開発できるものと我々は考えている」と主張しました。実際,人間の知力は廃れてゆくのでしょうか。

 

人工知能とは何か へ続く>>>