繁忙期のこと。
ボクの担当の教習生のお話。
彼女は関西からお越しの大学生。
ある日彼女が友達と元気良く楽しそうに会話しているのを目にしました。
教習中には硬い表情の教習生が、普段いい顔してるとホッとしますね。
その集団の横を通り過ぎようとした時、
別に聞き耳をたてていた訳じゃないんですが、
「今度またズカフージャンケンしよーね!」
と聞こえてきました。
ん??
ズカフージャンケン!?
あすっげ気になる凸
ジャンケンのスタイルは20世紀でほとんど出尽くしたんじゃなかったのか?
※一説によれば最後にジャンケン界の殿堂入りを果たしたスタイルは「ジャンケンぴょん」と言われている。
そもそも流行ってんのかソレ!?
いやしかし、いいオッサンが「ネーネー、ソレ何ノ話ィ~?」と輪の中に入っていくわけにはいきません。
聞かなかったことにしよう。
所詮、ただのジャンケンじゃないか。
ジャンケンぴょん以上にハイクオリティのジャンケンが、この世にあろうはずがない。
…………。
やすっげ気になる凹
思わず聞いちゃたもん!他の無関係な若人(教習生)に、
「ズカフージャンケンって今流行ってるでしょ?」って。
そしたら「何スカソレ?」って不審がられちゃたよ凹凹
その後、ボクは彼女の路上教習を担当することがありまして。
教習所への帰り道で、意を決して聞いてみました。
ボク「えっと、あのさ…ズカフージャンケンって何なの?」
彼女「え?あー、ヅカフージャンケンですかフフフ。」
ボク「う、うん。気になって眠れないんだ。」
彼女「もしかして!やってるとこ見てたんですか!?」
ボク「いやあの、見てはないんだけど、その、チョット小耳にね。」
彼女「そうですか。私ら所かまわずどこでもやっちゃうんでねフフフ…」
ボク「………ゴクリ。」
勿体振るような彼女の態度に、ボクは苛立ちを隠せなかった。
そんなボクをなだめるかのように、彼女は落ち着いた口調で真相を語り始めた。
彼女「ヅカ風ジャンケンとは、基本はあっちむいてホイなんですけどね…」
彼女「それをね…」
彼女「宝塚歌劇団風にやりきるんです」
ボク「………。ソレ、流行ッテンノカ?」
彼女「いえ。私が友達とつくったんです。」
ボク「………。何故?」
彼女「いや、ただ…あっちむいてホイを白熱してやってたら、自然に。あ、宝塚ぽくない?今の。って…」
…………。
くだらない!
くだらないけど見てみたい!!
そしてボクも交ざりたい凸凸
お願いしたら今度見せてくれると約束してくれました。
しかし結局彼女はすぐに卒業してしまい、ボクがそのジャンケンを見ることは一度もありませんでした。
幻のジャンケン、ヅカ風ジャンケン。
数年後に流行ることを、ボクは信じてやまない。

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