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いのっちのブルースは絆

ブルースハープを吹きながら歌う「いのっち!」のブログです。音楽と関わりながら家族や友人達と楽しむ日々を綴ります。

塩次伸二さまぁ~!!

2006-09-25 13:26:46 | 音楽

 18日、なまず亭。塩次伸二&Kotezライヴ。「こんばんわー。」カウンターに声をかける。「あー、いらっしゃい。」相変わらずのじょにさん。ウーロン茶を受け取って客席へ。開演を待ちながら手持ち無沙汰にしていると、背後から弱々しい男の声。「コ~ンバ~ンワァ~。」えっ!?丑三つ時にはまだ早いぞぉ~。と振り返ればBlues Cruiserのイサムちゃん。「あら、どーも。いわきお疲れ様でしたぁ。」「え~、でも、風邪ひいちゃって最悪でしたぁ。」確かにボーッとして表情が虚ろ。続いて、他のメンバーが次々に入ってきた。「もう雨で大変だったの。」とシブケンさん。皆さん『いわき街なかコンサート』からの帰り。今日はダブルヘッダーなのだ。

 まずはCruiserの演奏。相変わらずの安定感。疲れを感じさせない。イサムちゃんも持ちこたえている。そしていよいよ今晩の主役塩次伸二&Kotezの登場。HarpのKotezさんはヤンシーとのデュオやBLUES FILE no.1のステージで聴いていたけど、塩次さんには初めでお目にかかる。かの伝説のグループ、WestRoad BluesBandのギタリストだ。日本にブルース・ブームを巻き起こした立役者の一人。そんな憧れのミュージシャンが目の前にいる・・・。

 30年近い以前。上京して間もない頃。僕は井の頭公園に住む友人と連れ立って、吉祥寺の屋台に飲みに行った。向かい側に長髪の兄さんが独り座っていた。おでんをつまみコップ酒をやっていると、兄さんが関西なまりで話しかけてきた。「自分ら音楽は何聴いてるの?」「ビートルズとかです。」と答えると「そぉかぁー。ビートルズええなあ。」そう言いながら彼は語りだした。ビートルズのこと、バンドを始めて今に到ったこと、彼女との貧窮生活。そしていつの間にか屋台のオヤジさんも交えて男の生き様談義。山出しの田舎者だった僕達は思わぬ展開に嬉々とした。翌日学校で、そのときのことを友人達に話した。「ウエストロードとかいうバンドの人と飲んだんだよ。」「えーっ、お前ウエストロード知らねぇのかよぉ。」呆れた皆が僕をこずいた。どうやら彼はボーカルの永井ホトケさんだった。彼らの音源を手にしたのはそれからずっと後のことになる。そして彼らの演奏、彼らの活動を知るうちに、僕はもっと以前に彼らに出会っていたことに気づかされた。さらにさかのぼること3年前、僕の郷里郡山で開催されたワン・ステップ・フェスティバル。あの日本のロック史に残るステージに彼らは立っていたのだ。まだ高一だった僕は紛れもなくその会場にいた。恥ずかしいことに沢田研二と井上堯之だけを目当てにして・・・。

 もう一人のメンバーに会ったのは今からほんの数年前。郡山のMaxwell Street。前座を務めた僕達は、その後の音楽活動の方向を決定付けられる衝撃に出会った。BLUES FILE no.1である。そのバンドのドラムがWestRoadの松本照夫さんだった。僕は、あまり多くを語らず黙々と演奏する彼を目の当たりにして、時間を越えて同じステージに立っている不思議な感動を噛みしめた・・・。

 そして今日、3人目の勇者を間近にしている。これまでの自分の音楽活動がもたらしたものは何か。彼らが夢見た音楽の桃源郷。その黄金の光を頼りに、彼らが夜霧の海へ漕ぎ出し、雲上の山脈を越える旅を垣間見ること、その洗礼を受けることだったのか。例えようのない幸福感がこみ上げてきた。

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 塩次さんは巧みにギターを操り、KotezさんのボーカルとHarpが絶妙に絡む。セッション風のリラックスした演奏の中に、ブルースを知るもの同士が感じる心の琴線の触れ合いがある。塩次さんは決して天才的な芸術家ではない。気難しい繊細さのかわりに暖かく丸みのある野太い音を持っている。讃岐うどんのような粘りとコシ。キャッチャーミットを揺さぶる重い球質。一音一音が迷いのない自信に満ち溢れている。これは紛れもなくステージで鍛えられた音だ。多くの猛者たちと幾多の修羅をくぐり抜けた場数。舞台に立った千両役者の圧倒的存在感はそうやって創られたのだ・・・。

 終いにはCruiserとのセッション。更にパワー爆発。塩次さんがギターの早坂さんを中央に引っ張り出す。早坂さんのソロ、顔をこわばらせて硬くなっているのがわかる。そりゃそうだよなぁ。しかしその緊張もこの上ない喜びに変わるのだ。そして再び塩次さん。僕は下腹部を一撃された。うかつにも下半身に来てしまった。虫も殺さないような少年の風貌で油断させておいて、突然襲い掛かる獣に女心は弱いと言うが、まさにそれ。後から来た華ちゃんは、すっかり魂を奪われていた。後日の彼女「○×れてもいい~!○×△□が感じちゃったぁ~ん。」なんぞと淑女にあるまじきフレーズを連発した。華!教育的指導!・・・でも、たしかにそうだっだなぁ。

 終わってみれば二時間以上の濃厚なステージ。ひとつも飽くことのない一夜だった。改めて、人前で演奏するということの意味を実感させられた。精進あるのみだなぁ・・・。


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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
どーもどーもご来場いただき、お疲れどした~、し... (Shibu-Ken)
2006-09-26 20:41:53
どーもどーもご来場いただき、お疲れどした~、しかし、いがったね、さすがの二人でした、まいったす~。
ところで、ワンステップに高校生イノッチが行ってたとは、ん~、どっかですれ違ってたかも、オレは当時組んでたバンドで出演したっす(プチ自慢)、その日はサウスツーサウスや、ブルースハウスブルースバンドやら出た日だったす~、えらい舞い上がってて、緊張のカタマリだった記憶が、、、、、、なずがすい、、、
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>Shibu-Kenさん (いのっち!)
2006-09-26 21:09:22
>Shibu-Kenさん
えーーーーーー!すげぇーーーーーー!
かっこいーっすぅ!尊敬しちゃうなぁー!
なんていう名前のバンドだったんですか?教えてください。
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え~それはGrape Jam と言う福島のアマバンだった... (Shibu-Ken)
2006-09-26 23:20:10
え~それはGrape Jam と言う福島のアマバンだったですが、何故か出れたのっす、郡山からは、よく対バンしてた、Love と言うグループが出たですよ、ちなみに、4枚組のライブ盤がマイナーレーベルから出てるっすが、オレらも入ってるです~、ナゼかと言うと、そん時のドラムがプロになって、ボウイと言うグループで活躍したからでせう、、、、、
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>Shibu-Kenさん (いのっち!)
2006-09-27 01:49:42
>Shibu-Kenさん
ネットで調べたら、確かにブルース・ハウスのあとに出てますね。驚きだぁ。歴史に残ってる。さらにメンバーがボウイに入ってるっていうのもまた凄い。
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だははー!(≧∇≦) ()
2006-09-27 13:28:52
だははー!(≧∇≦)
だってホントに「○▽■にキターーっ!」って感じだったんですものw
しかも清水さんに話したばかりに、いのさんも同意見だったから、やっぱり!と思いました。
母大喜びしてましたありがとうございました。
o(*^▽^*)o~


>シブケンさんへ
しかし、シブケンさんてすごい人だったんですね・・・
じみへんでタカハシさんと共演している画像見ましたよん。
かっくいかった。


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>華さん (いのっち!)
2006-09-27 14:13:02
>華さん
ん~しかたあんめぇ。
俺もそうだったから・・・。でも、俺の場合変態になっちゃうか!?
これからもお母さん達に喜んでいただけるよう頑張ります。
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