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いのっちのブルースは絆

ブルースハープを吹きながら歌う「いのっち!」のブログです。音楽と関わりながら家族や友人達と楽しむ日々を綴ります。

ライブスケジュール

1月17日(土)13:00~14:00 新潟ジャズストリート          ふくわうち滋烈亭◆新潟市中央区西堀通3番町258       TEL025-229-6700                         料金◆1,000円(フリーチケット)

ゴールデン・ウィーク その5 豪華!弘前城の桜祭り~

2011-06-07 16:33:25 | 旅行記

 5月4日、湖は立ちこめる朝靄の中にあった。ひんやりとした湿気を伴って、森の生き物たちの営み、夜と昼の入れ替わる刹那が静かに過ぎようとしている。ひい様は早々と散歩に出掛けていたらしい・・・。

 約束の7時前に起き出して、ふたりでレストランに向かうと、総ガラス張りのテラス席に通された。メニューは和風重箱弁当を選んでおいた。「はあぃ。」ひい様がおひつからご飯を取り分けてくれる。優しいなぁ。昨夜遅くまで付き合った甲斐があったか。お味噌汁のうま味が寝覚めの体に染み渡る・・・。戸外は間もなく晴れ上がり、まぶしい陽光が差し込んできた。「うん、今日はいけるぞ!」と確信する。

 それから、のんびりと朝風呂をいただいて、いざ出発!湖畔に沿って中山半島の付け根、休屋港に向かう。道すがら、点々と残雪を頂いた山々が迫り、青く光る水面に映えて美しかった。十和田の春はこれからだ・・・。と思う間もなく、一転にわかに掻き曇り、冷たい風が吹きつけてきた。まさに気まぐれな山の天候。すかさずひい様「さむい~。」「船に乗るのぉ~。」「どれくらい時間掛かるのぉ~。」「帰ったら実家にお土産持って行こうと思ったのにぃ~。」と手のひら返しのご機嫌斜め。はぁ、こっちも1日もたんかったのぉ~。

Pict0020_2Pict0021_edited  30分程待って、遊覧船が出港する頃には、デッキの窓ガラスにちらほらと雨粒が付き始める。それでも、そんなことにはお構いなしに、船は沖に出て行く。しばし二重カルデラの名所を見物するものの、雨足はいっそう強まり、しまいには前方の山々が煙ってよく見えなくなってしまった・・・。

Pict0022_edited  小一時間の水上散歩?を経て、奥入瀬渓流の起点、子ノ口港に到着した頃にはいよいよどしゃ降り、ついには雷まで鳴り響く始末。船を降りても所在なく、茶店で一休みすることに。そこで目ざといひい様は「みそたんぽ食べたい。」と宣う。はいはいそーしましょーと、迷わずいただく。少し冷えた体に、熱々に炙ったつぶし米と香ばしい味噌の風味が嬉しい。・・・ちなみに、きりたんぽとは、2つに切った鍋の具材のことで、杉の棒にくっついた状態では単に『たんぽ』と言うのだそうです・・・。

Pict0024_2  一息ついて、さあ、残すはお花見。弘前まで60数キロの標識を確認。雨の中、更に湖を四半周。国道102号で一路弘前を目指す。道はいつしか山間に入り、木立を縫うように走る。次第に高くなっていく雪の壁を横目に、ステアリングを切り返しながらアクセルとブレーキを忙しなく踏み込む。Pict0023 時折眼下に湖が顔を見出す。さすがに冬は閉鎖される区間、なかなか醍醐味のあるワインディングだ。

 いつしか道は下り坂になり、徐々に山裾を降りていく。ようやく道幅が広がりスピードを上げると、ダムによって出来た『虹の湖』が現れ、更に下って黒石に差し掛かった。雨は大方上がっていた。立派な幹線道路を縁取るように、満開の桜が出迎えてくれる。こりゃあ、お後が楽しみだ。目指すは、一直線に弘前城!・・・と、ところが弘前駅まで今一歩というところで、遂に渋滞にはまりこむ。ストップ・アンド・ゴーを繰り返しながらしばらく辛抱すれば、思いのほか早くお城の目前まで到達した。お堀端の並木の下、白い花びらの舞う中を大勢の人並みが流れて行くのが見える。駐車場を探して観光館前まで流しても、沿道総て満車の表示。途方に暮れているところに、ひい様が「ほら!」と左手を指さした。真横にいた警備員がおいでおいでをしている。どうやら一台空いたらしい。なんたる強運。そのままするすると地下に滑り込んだ・・・。

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 弘前城は薄曇りながら溢れんばかりの人の賑わい。桜祭りは大盛況。期待しながら南側追手門から入城する。頭上には咲き競う花びらをまとった枝々が無数に重なり、足下にはお堀の水面を彩る薄桃色の花の絨毯。続いては桜のトンネル。なんとも桁違いの美しさだ。誘われるように橋を渡ると南内門。城内余すところなくソメイヨシノからしだれ桜まで様々の桜が咲き乱れている。豪華絢爛とはこのことか・・・。上へ下へ、右に左に見とれているうちに、人波に呑まれて、うっかりひい様とはぐれそうになる・・・。

Pict0030  本丸天守を仰ぎ、さらに歩いて行くと、無数の屋台が軒を連ねている。中にはお化け屋敷まで現れた。「あれ見てぇ。」とひい様が喜んでいる。普段なら臆病風に吹かれて逃げ出すところ、仕掛けのばかばかしさに大笑い。そうこうする内に2時近く。さすがにお腹が空いたので、ふたりで手分けして買い出し。Pict0031_edited 豚焼きだの、ジャンボ唐揚げだの、肉巻きおにぎりだのをかき集める。でも、これメタボ尽くしでないのー(肉巻き・・・は宮崎産、ひい様が「あれB級グルメに出てたー。」と言っとった)。・・・そうして喧噪を逃れ、北門側の広場の草の上、花より団子の時間となりました。

 その後、東門までそぞろ歩き、そこからお堀端を通って振り出しに戻る。お城をおよそ半周しPict0032_edited_2 たのに、桜の花が途切れることはなかった。最後に名残を惜しんで旧弘前図書館前で記念写真。既に3時を回っていた・・・。

 さあ、ここからは帰途につくのみ。一気に4県越えして郡山にとって返す。およそ450キロのノンストップ・トライアルだ。どうしてこんな無茶な旅程を組んだのか、今更説明なんぞできないが、思いつくままに、行けるところまで行ったらこうなった次第。ファイト一発!南無三ですっ!・・・。国道7号線を南下、大鰐弘前ICから東北自動車道、それから先、案の定渋滞にはまること数多。「はぁ~。何時に着くのぉ~。」実家におみやげを届ける約束のひい様は、助詞席で最後までため息をついていた。すまんのぉ~、でも僕にもわかりましぇ~ん・・・。

 帰宅できたのはなんと深夜10時過ぎ、およそ7時間という記録的な我慢大会だった。スタートから換算すると、なんと1,100キロ以上に及ぶ2泊3日の強行軍。愛車プジョー307よ!10万キロ越えの老体でよくぞ完走した!「君は、えらい!(小松正夫、降臨!)」・・・ん~、ついでに僕も、歳のわりには結構頑張ったよねぇ・・・って、誰も聞いてないんだなぁこれが・・・、トホホ。

 あっ、それから弘前在住のhiroCさん、素通りしてごめんなさい。なにぶん無計画な旅なもので・・・、機会ありましたら次回宜しくです・・・。


ゴールデン・ウィーク その4 十和田ホテル~魅惑の宵~

2011-06-07 16:33:00 | 旅行記

Pict0019_2  5月3日夕刻、宿は湖畔から少し山裾を上って高台にある。木立を分け入るように進むと、ゆったりとした趣のある建築物が現れた。物腰の良い男性スタッフが出迎え、玄関口から駐車場を案内してくれる。エントリーからフロントへ。愛想の良い受付嬢が丁寧に応対する。館内はいたってシンプル。華美にならないところがかえって品格の高さを感じさせる。
 1階の洋室に通されると、広々としたツイン・ルームだった。隅々まで手の行き届いたきれいな室内。自然と調和するようにウッディーな内装。エコをうたい文句にした柔らかな間接照明が心和ませる。『がんばろう東北!宿泊プラン』というお値打ち企画にしては、なかなかのものだ。用意された浴衣と羽織に着替えて、ゆったりとくつろいでみた。先ずは大画面の液晶テレビでホテルの案内を見る。中でも湖水を見下ろす露天風呂が楽しみだ。

 民放に切り替えてみると、ちょうど天気予報が始まったところ。「津軽・・・下北・・・三八上北・・・。」どうやら、秋田県側にして青森の放送局というわけだな。続いてローカル・ニュース。弘前城の桜まつりを「ちょうど昨日満開になった桜が・・・。」と紹介している。「むむっ!」そこでひらめいた!お花見では全国でも有名な弘前城公園。そこで満開の桜を拝めれば、一気に負けを取り戻せる。ならば「明日は弘前だぁ!」と盛り上がれば、ひい様は「弘前って近いのぉー。」と怪訝そうである。「うん、考えてみると近いんだなぁ。」と答えると、「ふ~ん。」と生返事。もっとも、都合6時間以上も車に詰め込まれたらそうだよなぁ・・・。
 予約が旅の直前だったからか、夕食の時間は7時半になった。少し館内を散歩して、湯浴みに出掛ける。大浴場は温泉ではないものの、広々と清潔に保たれて露天風呂もある。小鳥のさえずりが聞こえる。ゆっくりとお湯に浸かりながら、暮れゆく大自然を背景に、山と森と湖の中に溶け込んで癒されていく自分がいる・・・。

Pict0016_2  夕飯は懐石の嫌いなひい様のために洋食。スープ、前菜、そして、メインの魚と、肉料理。締めはデザートとコーヒーだった。なかなか美味しい料理で満足した。丁寧な給仕と、手の掛かった一皿一皿を前に、ひい様はいつのまにか行儀の良いレディーになっていらっしゃる。あれ~、おすまししてどおしたのぉ。」と聞けば Pict0017_2 「いつもだけどー。」と涼しい顔。ご機嫌ついでに「お酒呑んでもいいかな~。」と彼女。いつしか僕もビールとワインで少々饒舌になる。そしてにわか紳士よろしく「魚は模様の入ったナイフとフォークで食べるんだよー。」なんぞと知ったかぶりしてみせる・・・。
 食後、すっかりテンションの上がったひい様は「カラオケやりたいー!」と宣い、ボックスひとつ貸し切って必殺の3時間コースになだれ込んでいった。・・・わしは終盤へこたれてのぉ、ひい様がひとりで唄っとったんじゃ~。ん~、若いもんには勝てんのぉ~。・・・部屋に戻っても彼女、なかなか寝付けなかったんだとさ・・・。


ゴールデン・ウィーク その3 桜前線は何処?

2011-06-07 16:32:32 | 旅行記

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 5月3日、山形市の繁華街、七日町の朝。ホテルから北東に奥羽山脈を臨む。ひんやりと澄み切った空気。身の引き締まる思いがする。今日の行程は、十和田湖までの長い道のりだ。移動だけではつまらないので、ひい様にお花見を提案してみると、まんざらでもない様子。しかし桜前線の居所を掴むのは難しい。高速を使い岩手県の北上江釣子ICで降り、北上展勝地に寄るのが無難だけれど、数日前のニュースで、すでに開花していたことを思い出して、いっそのこと秋田県の横手に向かってみることにした。一か八かの選択・・・。

ホテルの軽い朝食を済ませて恒例の一仕事。『まめや』の富貴豆を購入。お土産の中では熟年の女性に絶大の人気があるのだ。日持ちしないのが難点だけど、保存次第では十分賞味できる・・・。10時過ぎ、いよいよ出発。13号を北上し、山形をひたすら縦断する。間もなく左手に、すっぽりと白雪をまとう頂が現れた。出羽の霊峰月山だ。ひときわ神聖な威光を放つ・・・。それにしても山形の春景色は美しい。桜が散っても、眼前に迫る山々には名残り雪、そして道端にはさくらんぼうの木々が、ふっくらと白い花を咲かせている。所々に配色される淡いピンクは桃の花か・・・。そんな風情を楽しみながら、天童、村山、尾花沢、新庄と徐々に山間深くなる町々を通過して行く・・・。

 いよいよ秋田の県境では、奥羽本線を運行する、のどかな2両編成の車両と併走した。おおよそ3時間のドライブは地方色満載と言ったところか・・・。

Pict0015_edited  湯沢を抜けようやく横手に入った頃には、とうに1時を回っていた。しかし、横手公園に近づくものの一向に桜の勢いがない。いいところ五分咲き、どうやら想定を誤ったらしい。横手川べりには立派な桜並木、最盛期には橋の朱塗りの欄干と透き通った水面に映えて一段と美しいのだろう・・・。丘を登り切ると横手城展望台の回りが桜祭りの会場になっていたが、やはり肝心のお花が今ひとつ。折角だから記念写真でもとカメラを構えても、フレームの中のひい様は難しい表情を浮かべている。「やはり期待はずれだったかなぁ。」と反省しきり。でも、後で聞いたら、「おなかがすいていたから~。」と言う。な~んだ。そこで気を取り直してもう一度パチリ。

Pict0014  お約束に評判のB級グルメ『横手やきそば』をいただいた。極太のストレート麺に、さっぱりとまろやかなソース。トッピングの目玉焼きが絡めば独特の風味。案外いけるかもー。とは言いつつも、本家ではないのであしからず・・・。

 ちよっと空振り気分のまま、秋田道を東に、北上JCTから東北道を北に走る。盛岡に近づくと、左前方に岩手山が出現。相変わらずの存在感を魅せている。前回はその先の松尾八幡平ICで降りたわけだから、そこから北、車では未知の領域になる・・・。八戸道との分岐点、安代JCTを過ぎ、トンネルを5つ程抜けると再び秋田県。本日の目的地は秋田県側の湖畔なのだ。すると看板出現。「青森まで最後の給油所」とある。その言葉に推されて花輪SAで給油。更に十和田ICを降りると、今度は「十和田湖まで最後のコンビニ」の看板に引き寄せられる。最後、最後って、「いったいどんな所なんだろう」と不安になってきた。

 いつしか曲がりくねった山道、ようやく原生林の合間に湖が現れた。山裾から深く沈む湖面に、黒雲が魔物を呼び込むかのように垂れ込めている。夕暮れ時のその異様は神秘を通り越して気味が悪いくらいだ。車は薄暗い木立を縫うように走る。雪の重みに耐え切れなかったのか、無惨に折れた木々。ささくれ立った幹が痛々しい・・・。グリム童話の中に紛れ込んで恐ろしい魔女に追われているような錯覚に陥る・・・。そうしてようやく湖岸に辿り着いて正直ホッとした。間もなく今夜のお宿、十和田ホテルに到着。370キロを超える大移動が無事終わった。「乗ってるだけでも疲れるんだから~。」とひい様。トホホ、仰るとおり、貴重なご意見ありがとうございま~す・・・。

 秋田在住のS智江さん、滝沢村のK野家のみなさん、急ぎ旅にて挨拶ご免であります。次回必ず連絡しま~す!


ゴールデン・ウィーク その2 仙台~山形!

2011-06-07 16:32:02 | 旅行記

 休日の高速道路料金の上限千円が終わると聞いて、最後の遠出とばかりにGW中の宿を駆け込みで予約した。気休めの被爆一時避難というところか。目的は、震災後の近況を伺うべく、数年来お世話になってきたお店巡り。そしてそれは、被災の混乱の中に置き忘れていたもう一方の自分、歌い手としての僕の活動再開の動機付けでもある。更にはひい様の気晴らしイベント・・・。 
 5月2日、初日はメインが夜と言うこともあり、ゆっくりお昼を食べてから出発。「時間もあることだから、いっそ被害の少なかった松島にでも・・・。」と提案すれば、ひい様「アウトレットに行きたい」とのたまう。ん~、結局どこに行ってもお買い物なのだなぁ~。ということで、仙台泉プレミアム・アウトレットへ・・・。

 だがしかし、「震災復旧のため6月営業再開予定」としてクローズの状態。残念!仕方がないので、お隣のタピオで我慢していただくことに。それでも充分大きなショッピング・モール。さすがは仙台。そこでひい様は数件ハシゴした後、earth musicなんちゃらの半額セールにはまっていたとさ。そうして、ニットのプルオーバーとジャケットを格安で手に入れた。おかげで僕の財布もひと安心。めでたしめでたし・・・。「しまったぁ、もっと買えば良かったぁ。あたしとしたことがぁー!」ひい様後の祭りである。Pict0007_edited 今のうちに「牛タンツアーにひとっ飛びー。」と、僕はアクセルを踏みこむ!今回はとろ牛たんの『べこ正宗』だ。極厚のや~らか~い塩焼きとみそ焼きの定食を注文。うんまいけど、焼き肉屋の薄っぺらでコリコリした上塩タンも悪くないねーと口を揃えるふたりでしたー。今度来るときは『利休』かなー。懲りない面々である。
Pict0001_3  その後、前出のHEAVENへ。更に小一時間ほどして、今度は山形へ急旋回。なぜって仙台市内のホテルは予約全滅だったのだ。震災の影響なのだろう・・・。計画より押してしまったので高速をひた走る。なっんたって千円だからね。お陰様で予約の10時ピッタリにステイ・イン七日町に到着。目当てのbar Tarjiは直ぐそこ。これまた1年ぶりの訪問となった。
 演奏仲間のS太さんと相方のMちるさんと再会。ゆっくりと杯を重ねる毎に疲れた体が癒されていく。震災の影響は少ないという。それでも震度5弱だから普通ではない・・・。お店は客足が絶えず繁盛の様子。明日の旅程も考えて、12時をまわったところでお暇する。ゆっくり話はできなかったものの何かほっとする心持ち。また絆の糸が繋がった・・・。

 山形在住のA沼家の皆さん、急ぎ旅にて挨拶ご免であります。次回必ず連絡しま~す!


ゴールデン・ウィーク その1 仙台の気概!

2011-06-07 16:31:26 | 旅行記

Pict0009_edited_3 5月2日、ゴールデン・ウィークの小旅行。先ず最初の目的地は仙台。東日本大震災の被災地でもあるこの地。訪れるのは昨年秋のジャズフェス以来だった・・・。
仙台の市街はネオンも目映く、何事もなかったように人が行き交っている・・・。8時をまわった頃、国分町にたどり着いた。blues & soul bar HEAVENには、かれこれ1年ぶり。HPを垣間見て営業再開を確認してはいたものの、いささか遠慮も手伝って、階下の扉は心なしか重かった。
店内はほの明るく、店主のS戸さんがひとり準備をしていた。ひとまずご無事で・・・。お久しぶりの挨拶を交わし、カウンターに腰掛けると、間もなく入れ違いに、3人ほどのお客様が現れた。彼らの会話の中で津波を受けた沿岸地域の惨状が浮き彫りになっていく。それぞれが、身近な仲間や縁者の不幸。皆、厳しい現実と向き合いながら、それでもがむしゃらに生きている。
 S戸さんは、包み込む重苦しい空気を振り払うように、しっかりした口調で、「ライブやった方がいいんですよー。」と語った。ライフラインが寸断され、必死にかけずり回っていた震災直後。時を経て、先行きの不安から次第に憔悴していく気持ち、鬱積するストレス。音楽は、水や食料にも成り得ない頼りない無形の物から、未来に向かって、明るく、歩き出すための、力強い後押しになろうとしている。今こそ僕たちが働く時なのかも知れない。S戸さんの強い眼差しと握った拳が、それを物語っている・・・。

blues&soul bar HEAVEN  http://www.blues-heaven.com/