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いのっちのブルースは絆

ブルースハープを吹きながら歌う「いのっち!」のブログです。音楽と関わりながら家族や友人達と楽しむ日々を綴ります。

ライブスケジュール

1月17日(土)13:00~14:00 新潟ジャズストリート          ふくわうち滋烈亭◆新潟市中央区西堀通3番町258       TEL025-229-6700                         料金◆1,000円(フリーチケット)

イブは温泉三昧~、そして・・・

2012-02-01 11:53:09 | 旅行記

 12月24日、クリスマス・イブ。先だって結婚披露宴から新婚旅行まで人生最大の散財をしてしまったので、地味~に食事でもして済まそうかと思い描いていたら、嫁が「結婚して最初のイブなんだから~、温泉行きた~い!」と宣う。当初は山のごとく動じないで『倹約!』を押し通そうと踏ん張っていたのだけれど、「結婚して最初の・・・。」の殺し文句が最後まで響いて結局お出かけすることにした。
 それなのに、休日出勤の会議。暇な年寄り役員のために毎月月末に開催されるわけで、そりゃあ御歳7?歳にもなれば、アットホームなイベントがあるわけでもなく、仕事とゴルフ以外やることがないんだろうけど、働き盛りの部課長はじめ下々の者達の家庭の事情なんぞ関係ないんだからなぁ。今時変則の週休2日さえ珍しいのに・・・。
 と言うことで、今回の日程は会議が終わってからの一泊コース。初日は殆ど時間が取れないので、近場の宿に向かうだけになった。それでもちよっと芸がないので、仙台まで足を伸ばして定禅寺通りの『光のページェント』なんかをちら観しての温泉はどうか?と考えついた。
ふふふ、なかなかロマンチックやろ~。でも時間ギリギリだなぁ。会議が2時頃までに終わらないと難しい。
 そして本日の会議。そんなこちらの期待も虚しく、案の定堂々巡りの長話が続き、終わってみたら間もなく午後3時。残念ながら、夕方から大寒波がやってくるという予報もあって、ホテルに直行するしかなくなってしまった。そそくさと帰宅して嫁を拾い、一目散に東北道を北上する。目指すは宮城県は蔵王町の遠刈田温泉。お宿は宮城蔵王ロイヤルホテルだ。毎度ギリギリになっての予約のため、殆ど空きがなく分相応な価格帯ではそこしかなかった。
 徐々に日が暮れていく中、村田JCまではスムースに走り抜けたが、山形道に別れて蔵王連峰を前にした途端、雪がちらつき始めた。『今のうちに宿に急ごう』とはやる気持ちを抑えながらハンドルを握る。しかし、裏腹に降り積もる雪はどんどん嵩を増していき、あっと言う間に前方の景色が白一色になってしまった。ヘッドライトの光を容赦なく遮る無数の雪粒。視界は悪くなる一方だ。「怖いから、スピード落としてよ~。」嫁が不安そうに訴える。「大丈夫、もう少しだから。」僕は自分に言い聞かせるように答えた。
00447016  宮城川崎で降りて旧笹谷峠に向かって走ると、間もなく宮城蔵王に通じる457号線。ここを左に折れればもう直ぐだ・・・と考える浅はかさ。夏場ならまだしも冬の雪道。青根温泉峡の山道は更に厳しかった。連続するヘアピンカーブ、降り積もった新雪の上を左右に横滑りしながら進む。スタッドレスは履いていたものの、今年初めての雪面走行はいまひとつ調子が出ない。ついついアクセルを踏みすぎて、タイヤをスピンさせてしまう。「気をつけてー!」と嫁が叫ぶ。さすがに僕も緊張する。こんなことなら素直に手前の白石でおりれば良かった~。ようやく信号の明かりが見えてホテルの看板を頼りに角を曲がる。約束のチェックイン時間を数分だけ上回っていた。
 宿は近辺で一番規模の大きいホテルにして、少々野暮ったい観光ホテルだった。部屋は随分ゆったりしていたが、床のカーペットには所々シミが付いていて、築年数の長さを思わせた。とりあえずくつろぐために浴衣と羽織に着替えてダイニングルームへ。

 

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 夕食のメニューは『ビッグ アメリカン ステーキ!USサーロイン250グラム』のコース。嫁の機嫌取りに主役は肉にしたわけだ。ころがこれが命取り。暖かい内は柔らかくて美味しいのだが、やはりUS、冷めてくるといつの間にか硬くなる。嫁が残した半分まで平らげるのに少々苦労した。しまいにあごが疲れてこめかみが重くなった。やっぱり無難なフレンチコースにしときゃ良かったかなぁ。でも食わず嫌いな嫁はフォアグラなんか口にしないに決まっている。

 

Y315027284  さて、次はいよいよ温泉浴。ネットで検索したときに見た露天風呂の写真に期待しつつ大浴場へ。広々とした湯船に伸び伸び浸かれば体が芯から温まる。続いて今度は露天風呂だ。湯気で曇ったガラス窓の向こう、扉を開けるとすうっと冷気が吹き付ける。山間の宵闇の中に浮かび上がる風情のある木造りの床と柱、石造りの風呂と木造りの風呂。そして内庭の植木に景色良く積もった雪。立ち上る湯気の中に、ほんのりと柔らかい照明が灯されて幻想的な世界を作っている。とっぷりとお湯に浸かっていると、空から僅かに粉雪が降りてきて、その冷たさがまた清々しい。正に極楽、極楽・・・。
 その後は、日常の疲れを癒しながら部屋でゆっくりくつろいだ・・・かと思えば、嫁は「カラオケやりた~い!」と唄う気満々。どうもこれが我が家でのお泊まりの基本パターンになりつつある。フロントで尋ねると個室は既に満杯、メインバーでは家族連れが酔っぱらって騒いでいる。仕方がないのでカラオケ・バー『カナリア』なる怪しげな部屋を覗いてみると、だ~れもいない。でも40人収容のボックス席とカラオケ用のステージが完備されいる。「すいませ~ん。」恐る恐る声を掛けると、カウンターの奥で暇そーにしゃがみ込んでいた若いボーイさんが、「あっ?いらっしゃいませ~。」なんてとぼけた声で迎えてくれた。

 

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 システムは『歌い放題・飲み放題セット!男性2,000円 女性1,500円』というから破格の値段。驚くやら安心するやら、すかさずこれに飛びついた。それからは僕たち2人だけのオンステージ。閉店まで散々歌いまくったとさ・・・。帰りしな精算を済ませて店を出ると、背後から「すげ~。」とため息を吐くような声が聞こえてきた。ほぉ~、すげーですか?そりゃあ当たり前です。なんたってボーカルの“いのっち!とチャーリー”なんですから。むふふ、またやっちまいましたなぁ~。こうして大満足の2人は仲良く部屋に帰って行ったとさ・・・。

 

Pict0023 翌朝も朝食を済ませてからまた露天風呂へ。チェックアウトが11時なのが嬉しい。すっかり油抜きされた僕たちは、ほっかほかに火照ったまま部屋に戻る。気がつくと嫁の実家から、2人同時に着信が入っていた。なにやら胸騒ぎがした。そしてやはり悪い知らせだった。嫁のお爺ちゃんが緊急入院したのだという。僕たちは慌ただしく帰途についた・・・。その後暮れから正月にかけて重苦しい日々が続くことも知らずに・・・。

 

 ※写真の一部は宮城蔵王ロイヤルホテルHPより拝借しました。


ハネムーン!その4

2012-01-30 13:47:56 | 旅行記

Pict0105 11月16日、昨日に引き続き少々曇りがちの天候。二大イベントが無事滞りなく完了したところで、最終日は自前で計画を立ててみることにした。思いはホテル24階のラナイから見渡す景色の中、力強く海に突き出したダイヤモンドヘッド。これを制覇しておかなければならないと決意した・・・。というか、初心者のハワイ・デビューはこれを抜きにしては語れないと言うだけの話・・・。
 名残を惜しむように2人で海を背に記念写真を撮ってから、カラカウア・アベニューに出てロイヤル・ハワイアンセンター前からグリーン・トロリーに乗り込んだ。ワイキキから東側の観光スポットを巡るルート。さすが人気コースと見えてベンチに腰掛けられないほど混んでいる。そして、この車両の運転手がやたら面白のだった。彼はネイティブの青年で、コメディアンのようにおしゃべりなのだが、客商売にも関わらすすこぶる口が悪い。下車する客に向かって「じゃあなぁ!またなぁ!」乗車する客には「ほら!どんどん乗れぇー!」と生意気放題な口調でからかう。日本のタレントで言ったらボビー・オロゴンかなぁ。水族館の前を通れば、「あんな小さいのに料金が高い、行くやつの気が知れない。」「水槽で泳いでる魚食ったらうまいぞ。」と言ってみたり。断崖から見下ろすサーフ・ルックアウトで休憩すれば、「あばよ~。」とばかりに降りた客をおいて走り出すまねをする。そうかと思えば、アラモアナ・ショッピングセンターに殺到する日本女性をネタに、「あんなに買い物をする女の気が知れない。」「俺は女の買い物に付き合うのが大嫌い。」「家でビールを飲むのが好き。だから彼女いない。」とラップでも口ずさむように勝手にカミング・アウトする始末・・・。

 道は半島の尾根づたいに起伏が変化してワインディングの上り坂になった。ちょうどトンネルに差し掛かったところで、突然彼が即興で歌い出した。♪ダイヤモンドヘッドに行・く・ぞ!ダイヤモンドヘッドに行・く・ぞ!・・・♪ただそれだけの繰り替えし。バカの一つ覚えのように延々と続けている。その声はトンネル内に響き渡った。ワイキキのボビーは、ベタな景勝地をわざわざ足で確かめようとする客達に対して、まるで物好きな暇人と嘲っているかのようだ。
 ダイヤモンドヘッドは火山の噴火で出来た山。その火口の停車場に辿り着いたところで、「じゃあな!頑張れよー!」とボビーが送り出す。後で思い知らされる訳だけれど、この後のちょっとした山登りは意外に手強かった。現地人からすれば、本当に『家でビールを飲んでいる方がまし』なのかも知れない。
Pict0110  お約束に看板前で記念写真を撮ると、いよいよここから登山開始。と言っても殆どの人か軽装の観光客。中にはビーチ・サンダルの強者もいた。平地から岩場に変わり、足場の悪い細い坂がつづら折り重なってカルデラの外輪山を登っていく。どんどん息が切れて足が重くなる。当然会話が少なくなって無口になる。
 「大丈夫?おじいちゃん。」と嫁が僕をからかったが、そう言う彼女も空元気の様子。年の差21歳の体力差を誇示したい割には、深刻な運動不足の彼女の方も相当きつかったに違いなかった。僕たちは、踊り場のような場所で、上り下りの人々を避けながら2、3度休憩した。クライマックスの急勾配の階段には閉口したけれど、ここでくじけたら水の泡と、テレビで観たチョモランマ登頂を想像しながら無心で頑張ったら、なんとかてっぺんに到達した。

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 既に腿はパンパン、膝はガクガクと笑っている。さて見渡せば、これだけの思いをした甲斐がある大パノラマ。青い海に浮かぶ島の波打ち際に一望するワイキキの町並みは絶景としか言い表せない。中心には我らがシェラトンが鎮座している。なるほど、感動は自分の足で勝ち取るべしということなのねぇー。狭い展望台の上で、そそくさと場所を確保しながら写真を撮った。

Pict0121  ようやく息が整い、高地の風に次第に汗が引いてゆくと、えも言われぬ清々しさを感じた・・・。一息吐いたところで、後から続く訪問者たちに場所を譲って下山。帰りは帰りで登りより難しい。不摂生で増えるだけ増えた体重が足を繰り出す度に片膝にのしかかる。これが結構きついのだ。そこで思い出したのが、あのボビーのくだらない歌。♪ダイヤモンドヘッドに行・く・ぞ!ダイヤモンドヘッドに行・く・ぞ!・・・♪これを口ずさみながら、ただひたすら歩いた。嫁は僕がふざけていると思って笑ってたが、まんざらじゃない。単調なリズムが足取りを後押しして音頭を取り、立派な応援歌になっていた。ひょっとしてあいつ、バカにするどころか、僕たちを励ましてくれていたんじゃないだろうか。

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 ようやく麓の緩やかな草地に戻ったところで、自分へのご褒美とばかりかき氷をいただいた。これが恐ろしくカラフルでビッグ・サイズ。全部平らげたら、頭の芯から痛くなった。そうしてゆっくり体を休めてから、停車場に戻って30分置きのトロリーを待つ。タクシーの運転手が相乗りでどうか?と誘う。本当は直ぐにでも帰りたかったけれど、折角のフリーチケットがもったいないので意地を張っのた。
 暫くして、ディーゼル・エンジンのごう音と共にグリーン・トロリーが到着した。合図にベルを鳴らして呼びかけている。運転手はやはりあのおしゃべりボビー。「は~い、ダイヤモンド・ヘッドだよ~♪みんなとっとと降りてぇ。がんばれょ~。」と相変わらずの悪態。嫁と顔を見合わせながら、これで帰りも退屈しないと確信した。

Pict0127 起点となるDFSギャレリアまで乗ってお昼にする。お目当てはアロハテーブルのロコモコ。そもそもハワイのB級グルメだから、大きな期待はしなかったけれどそこそこのお味。初日にアラモアナのフードコートで嫁がやられた敵は確実にとった。帰り足は、そこからのんびり歩きながら、メイシーズとABCマートに寄って、足りなくなった下着類とお土産用のキャスター付きバッグを買った。 

 ホテルに戻るとまだ午後の日差しが残っていた。そそくさと水着に着替えて最後の元を取るべくプールに急ぐ。少し泳いでみたけれど、肌寒いのでジャグジーで体を温めた。夕日に染まる海岸を前にしながらそんな風にゆっくり過ごした。辺りは次第にライトアップされ、幻想的な夜の顔に変化していく・・・。

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 締めに、ホテル1階のバー、ラム・ファイアーでカクテルと洒落込んだ。宵の浜辺を背景に柔らかな間接照明がムード溢れる雰囲気を作っている。弾き語りに耳を傾けながら、僕は間もなくほろ酔いになってしまった。嫁はイケメンが奏でるせつない唄声に色めいて、「イェーィ!」なんてはしたない声を上げている。コノヤロ!調子に乗りやがってぇ・・・。いよいよ明朝は出発だ。長いようで短いハネムーン最後の夜が更けていく・・・。良くも悪くもこれにて一巻の終わりであります・・・。


ハネムーン!その3

2012-01-25 18:45:13 | 旅行記

Pict0069  11月15日、案の定2人まとめて寝坊をした。今日は2つめの目玉『天国に一番近い海ツアー!』。DFSギャレリア前に8時集合の約束だったから、大急ぎで支度をする。朝ごはんはもう間に合わない。そこでホテル内の軽食コーナー、イングリディエンツでチキン・サンドイッチを仕入れた。早足で歩きながらそれを頬張ったものだから喉に詰まってしまった。でも、これが結構旨い!柔らかい鶏肉と数種の野菜、これがソースと絶妙にマッチしている。アメリカってファーストフードに関しては文句のつけようがないんだよなぁ。
 嫁は相変わらず、「煙草吸いたい~。」とだだをこねている。僕がイライラして「それどころじゃないでしょー!」とたしなめると、「怒んないでよ~。」と彼女。ここのところ毎日のようにこんなつまらない喧嘩をしては仲直りしている。「前はそんなじゃなかった!」と彼女がしきりに僕をなじるんだけど、こちらから言わせれば、『そんなワガママじゃなかった!』訳で・・・。こんな風に暫くは新米夫婦の子供じみた綱引きが続くのかなぁ・・・。
 通りの先に白いワゴンが停まっている。どうやらあれらしい。なんとかギリギリで間に合った。小柄で丸顔、鼻の下にちょこんと口髭、人の良さそうなおじさんが、僕たちを見つけて「ああ、来ました、来ましたぁ~。」と携帯の向こうに話しかけている。どうやら代理店のオフィスに確認を入れていたらしい。お騒がせいたしましたぁ~。「いやぁ、良かった、良かったぁ~。」彼は日系人らしいボタン穴のような目を更に細くして安堵していた。

 それでは出発進行!勢いよく車が走り出す。と、ところが、最初の行き先はなんとシェラトンだった。そこで何事もなかったように2組のカップルが乗り込んできた。これにはさすがに納得がいかない。わざわざここから出向いた僕たちは何だったのか。息せき切って慌てることもなく、ゆっくり朝食をいただけたではないか!恨めしやぁ~代理店のテキトーおばちゃんめぇ。僕たちの宿泊先がシェラトンだって先刻ご承知だったはずなのにー!むしゃくしゃする気持ちを抑えるように残りのサンドイッチにむしゃむしゃ食らいつく。そのうちに腹の虫も治まった。なるほど、治まらない腹の虫も、鳴く腹の虫もひとつってことか・・・。
 運転手のおじさんの名前はダン。気さく優しい彼の案内で最初の目的地はカイルアビーチ。ワイキキの喧噪から離れて北東に車で30分ほど。東海岸の南側にある静かな入り江。人影もまばらで公園内には駐車場とトイレ以外殆ど何もない。そのままの自然が僕たちを迎えてくれている。幸運にも曇間が晴れて、まるで絵葉書のような南の島の美しい風景が目前に広がっていった。

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 澄み切った青空、穏やかに流れる白い雲、そして延々と続く白い砂浜に沿ってエメラルドグリーンの海が徐々に深みを増して広がっている。そして彼方にはのんびりと島々が連なる・・・。絵の中に溶け込んでしばらく散策した後、もう一つの目的地、ラニカイビーチ向かう。こちらは優雅な別荘地、生け垣の間を抜けると、裏庭のように静かな浜辺が待っていた。別荘の持ち主には申し訳ないけれど、これほどの自然の恵みをお裾分けいただけるのは至極有り難い。

 そこからカイルアの町に戻ってお昼。カイルア・ロード沿いのメイシーズの向かい、カイルア・タウンセンター前に停車して1時間の自由行動。とっととランチにありつきたいところ、案内役のダンが「メイシーズでなんでも売ってるよ~。」なんて言うものだから、嫁がまたその気になった。「実家の甥に洋服を買ってあげたいのぉ~。」と宣い、いつもの止めどなく長~いショッピングが始まった。
 「ねぇ、サイズがわかんな~い。」「こっちとこっち、どっちが似合うと思うー?」「これとこれと、それからこれも買ってい~い?」お昼時間がどんどん過ぎていく。一番近くの人気のお店ブーツ&キモズに着いた頃には、残り時間が20分余りになってしまった。腹を決めて行列に並び、席に着くなり注文すると間もなくお目当て登場。マカダミアンナッツ入りのクリームがたっぷりかかった熱々のケーキ。とにかくちょっとだけつまんでみる。甘~いけどなかなか美味しい。もちもちでしっとりとした特大2段重ねのパン生地がまた絶妙だった。しかしそれを堪能する暇もなく、急いでテイクアウトをお願いして小走りにワゴンまで・・・。

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 さあここからが本日のメイン・イベント、カネオヘでのシュノーケリングだ。カイルアからは北西に突き出た半島MCBH(海兵隊基地)をまたいで隣町。港から大きなボートに乗って湾内に移動。沖の浅瀬や珊瑚礁の群生地をゆっくりと漂う。シュノーケルと足ひれをつけ、嫁と手に手を取って熱帯の小さな魚たちと戯れる。少々肌寒かったものの大変幸福な時間を過ごした。日本に居ては結婚間もないとはいえ何かにつけて人目をはばかるもの。
存分に仲むつまじく出来るのもハワイという開放感溢れる楽天地のおかげ。恥ずかしながら正に『新婚さんいらっしゃーい!』だった。
 帰りがけ、おやつにダンお勧めの屋台のドーナツ(マサラダという砂糖をまぶした甘~い揚げパン)をいただく。温かくてもちもちした食感に嫁共々大満足だった。少々曇りがちな日和だったけれど、このツアーが4泊6日のクライマックスであったことは間違いない。
 で、夕げは「ステーキ食べたいっ!」と言う嫁の仰せに、ガイドブック頼りに高級ステーキの老舗へ。ぶらぶらとワイキキの夜の街を散歩。カラカウア・アベニューをゆっくり東へ。左手に露店が建ち並ぶインターナショナル・マーケットプレイスをやり過ごし、ツイン・タワーのハイアット・リージェンシーの前を、カイウラニ・アベニューを左に折れるとキングス・ビレッジ。その怪しげな無国籍商店街で暫し道草を食ってから更に歩くと、ようやくお目当てのHy's Steak Houseに辿り着いた。
 重厚な佇まい、黒く重い扉を開けると、受付には女性が3人も待ち受けていた。赤と黒でまとめたシックなスーツ姿。嫁はTシャツ、ロングスカートとビーチサンダル、僕はTシャツに短パンとサンダルだったので少々気後れした。「ご予約のお客様ですか?」の問いに「いいえ。」と自信なく答えると、3人顔を見合わせる。どうやら飛び込み客はいないらしい。「ちょっとお待ち下さい。」の言葉に、待合いでひとしきり。結局「申し訳ありませんが、ただ今満席でして・・・。」と丁重に断られた。

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 仕方なしに道を逆戻り。空きっ腹の嫁は超不機嫌になって「どうするの!何処に行くの!」とたたみかける。彼女はお腹が空くと始末が悪い。僕は空で案じながら第2候補を目指すことにした。途中カラカウア・アベニューの角で、アカペラのコーラスグループに遭遇。それを聞いて、ひとまず嫁に笑顔が戻った。さあ、お目当ての"愛しき牛肉"までもう一息。ロイヤル・ハワイアンセンターのブランドショップを横目にしてエスカーターでC館3階へ。
 ありましたありました、ニューヨーク発の最高級熟成ステーキが楽しめるウルフギャング・ステーキハウス。店内はエグゼクティブな渋い内装。愛想良く女性店員が迎えてくれた。奥のテーブルに通されるとメニューを一通り眺める。嫁は「おいしいの?柔らかいの?」と心配しきりだったけど、たまには本来の肉の味を楽しむアメリカ式も経験しておこうと、思い切ってお勧めのニューヨークスタイル・ステーキをオーダーしてみた。
Pict0100  前菜がわりに貰った山盛りのシーザーサラダで繋いでいると、間もなくメイン・ディッシュ登場。チンチンに焼けた大皿の上、ワイルドにあばら骨があしらわれ、切り分けられた厚手の肉が大胆に盛りつけてある。歯ごたえのある味わい深い肉と柔らかくジューシーな肉、どちらもなかなかいける。嫁もそこそこ納得した様子で、もりもり食べている。白い日本米も上手に炊けていて嬉しかった。一息吐いていると、ダンディでひょうきんな年配のウェイターがすかさず写真を撮ってくれた。最初から最後までアメリカンサイズ。これを見事に平らげて胃袋も満腹中枢もマックスになった。
 シェラトンまではひと足。部屋に辿り着いたらもうぴくりとも動けなかった。


ハネムーン!その2

2012-01-18 22:21:26 | 旅行記

Pict0027  11月14日朝、窓際のカーテン越しに柔らかい光が差し込んでいる。ベッドから起きあがろうとすると、体がやけに重たい。昨日の疲れがもろに残っているらしい。裸足で床に降りると水ぶくれになったマメが刺すように痛い~。なんだか満身創痍だなぁ。それでも期待に胸を踊らせてカーテンを開けてみると、真夏の眩い輝きと共に鮮やかな色彩が目に飛び込んできた。

 どこまでも抜けるような青い空を写して、信じられないほど美しいコバルトブルーの海が水平線まで続いている。左手にはワイキキビーチと立ち並ぶ高層ホテル。その先にその名も高きダイヤモンドヘッド。正に完璧な構図だった。一生の思い出作りの旅。忘れられない景色って、やはりこういうんだろうなぁ。奮発してオーシャンフロントをリクエストした甲斐があったというもの。嫁の顔色を眺めながらホッ胸をなで下ろす。

 昨日の強行軍のあおりで、2人ともなかなか動きだせない。起きるでもなく、お出かけの準備をするでもなく、のらくらしていたら、もう朝食の時間になってしまった。昨晩と同じく1階のカイ・マーケットでビュッフェ式のアメリカン・ブレックファストを楽しむ。品数は豊富で、おなじみのカリカリベーコンから、卵料理、肉料理、フレッシュサラダにフルーツ、そして目の前でシェッフが調理するオムレツとステーキまで揃っている。更には日本人観光客のために和食コーナーまで。納豆とみそ汁にもありつけると言う次第。そんなわけで朝っぱらからてんこ盛りのご馳走・・・。

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・・・で、返ったらお腹いっぱいで、まただらだら、もたもた。嫁はシャワーを浴びたり、お化粧をしたり、いつものように支度に時間をかけている。そして、彼女が何よりも拘ったのは、喫煙スポットでの一服。地図が読めないはずなのに、彼女はホテル内をくまなく探索して喫煙マップが書けるくらいに完璧になっていた。

Pict0026  写真は2階大広間から続くバルコニー。ここにひっそりと灰皿があるわけで、真下に椰子の木の庭とプール、そして遠景に海を見晴らすこの場所は、僕にとってもお気に入りのロケーションになった。夜になると色とりどりにライトアップされ、なんともロマンチックな雰囲気になる。アメリカは銃と薬物には寛容なのに、喫煙とメタボにはやたら厳しい。後で調べるとシェラトンの喫煙ルームは全体の20%だったらしい。ちなみに今回はうっかり僕が指定し忘れた。嫁は旅立つ前から『限りなくグレーに近い』ブルーだった。すまんのぉ~。

 そうこうする間にお昼前、嫁は近所のロイヤル・ハワイアンセンターで今度こそ水着とビーチサンダルを買うと言うので、その一角のオープン・カフェで昼食にする。鳩がやたら多くて店員は水鉄砲で追い立てるのに忙しい。ワンプレートのハワイアン風?ランチの味は今ひとつだったな。

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Pict0030_4  そしてふただびショップ巡りの果てに、ようやく水着の専門店に辿り着く。店員は若いギャルにもかかわらず、嫁の放漫な胸!?を察知すると、自信満々に商品を勧めてきた。それは開放感溢れるリゾートにしては意外にもシンプルで少々大人しいデザインだったのだけれど、嫁が半信半疑で試着してみると、これが思わずピッタリで「すご~い!かわいい~!」と大感激。色とりどりの水着を抱えてフィッティングルームと売り場を右往左往した僕は、ようやく任務から解放されたのだった。なんでこんなに暇が掛かるかなぁ~。

 既に夕刻間近。そろそろディナークルーズの待ち合わせ時間だ。ホテルに戻って嫁はまた支度に掛かる。今度は昨日仕入れたもう一着のワンピース。船上の晩餐に合わせてみたのねぇ・・・。

Pict0041_2  船着き場には幾隻かの遊覧船が出航を待っていた。僕達が乗るべき船の前で、ハワイアンのダンサーとミュージシャンたちが華やかに歓迎してくれている。予約席はちょっとはずんで夜景の見えるデッキ側。船内はほとんど日本人観光客でいっぱいになった。家族連れやハネムーン組の微笑ましい光景に、こちらのテーブルも自然と和やかになる。ロブスターとステーキのディナーをいただきながら、ハワイアンダンスと音楽、そして夕焼けに染まりながら暮れゆくワイキキの景色を楽しんだ。ありきたりだけれど、説得力のあるメインイベント。いつしか日は落ち、ダウンタウンの無数の明かりが海辺を美しく飾る・・・。

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 締めくくりは、タンタラスの丘に登ってワイキキの100万ドルの夜景を堪能する。これもお約束のオプション。264869とはいっても、ワンボックスのタクシーでワインデングをラウンドトップまでひたすら駆け上がり、広場も明かりも無い道端で山裾を見下ろすだけなのだ。Uターンするのも難儀な場所で、観光名所にしては驚くほどお粗末。それでも宝石のように輝く光の絨毯は一見に値する眺望だった。けれど、残念ながらバカチョンのデジカメじゃぁ、自前で映像に収めるのは無理でした。(左上写真はWEB上の某ツアー案内から拝借)

 ホテルに戻った僕は、お腹が張って寝苦しい夜を過ごすことになった。コース一人前に嫁のディナーの残り半分もいただいていたのだから仕方が無い・・・。

 


ハネムーン!その1

2012-01-12 22:43:01 | 旅行記

Pict0002  11月13日早朝、デルタ航空にてホノルルに到着。入国審査を終えて空港の到着ロビーを出れば常夏の島。冬装束のままではさすがに暑い。気の早い連中は、もう路上で着替え始めている。僕と嫁はリムジンに乗り込み、ハイウェイをワイキキに向かった。

 今日は国際会議APECの最終日で、オバマ大統領と野田首相の会談が行われるという。よって空港とワイキキを結ぶこの道路は、彼らの帰途に合わせて午後から通行止めになるらしい。おまけに会場のひとつになっているシェラトンへは直接乗り入れ出来ない始末。渋滞を避け、遠回りでようやく辿り着いたのは、DFSギャレリア前だった。
 「ここからは、ホテルまで歩いていってくださいね~。」荷物を降ろしながら運転手のおじさんが繰り返した。そこからは代理店の女性スタッフに案内されて、未だ開店前の店舗の階上のオフィスまで。途中人気のない待合いでスーツケースを広げ、夏のカジュアルに着替えさせてもらう。僕はモノトーンの長袖から鮮やかなパイン色のTシャツ姿に変身。でも僕の胸元のロゴは場違いにも“ARIZONA”なのだった。それでも2人ともなんとか生き返った。
 簡単な手続きの後、「オプションはお決まりですか?」の問いに、待ってましたとばかりカタログに食い入る。早々にお決まりの『ディナー・クルーズ』と『天国に一番近い海ツアー!』と言う「どこかで聞いたような?」アクティビティを申し込んだ。さあ、ここからは2人だけの旅。スーツケースを預けてオフィスを後にすると、階下では既に開店したブランドショップに人が集まり始めていた。メインフロアを抜けてエントリーの外に出る。そこには日本人観光客が大挙して溢れかえっていた。
 いよいよこの後は、ハワイ最大のショッピングモール、アラモアナ・センター。ここからは嫁の出番。場所は分からなくともお店とチェックアイテムは完璧に押さえているらしい。そしていつものように道案内は僕の役目。

Pict0001_2  早速ピンクのトロリーに乗り込んで、いざ出陣。乗り心地は荷馬車並みだけど、それなりの風情はある。ディーゼル・エンジンのごう音と共に少々乱暴に走り出すと、カラカウア・アベニューを東に折れる。ロイヤルハワイアンショッピングセンターを過ぎて間もなく、突然右手の景色が開けてワイキキ・ビーチが出現した。立ち並ぶ椰子の木越しに青い空、青い海、白い砂浜。これは一つの感動だ。画面を通した映像ではない、実物のハワイ。眼前に世界屈指の南海の一大リゾートが広がっている。
 縦に横に揺られながらホテル街をぐるりと回って、いつもなら町中のクヒオ・アベニューを西に向かうところ、運河沿いのアラ・ワイ・ブールバードを走る。これもAPECがらみの交通規制の影響か。そうこうする間に40分程でお目当てのアラモアナ・センターに到着。
 勇んで建物の中に入ってみたものの妙に落ち着いた雰囲気。何か違うなと思ったら、併設されたノードストロームというデパートだった。う~む、のっけから間違えたようだ。表に出て巨大な駐車場を横切ってみるとそこが正真正銘のショッピングセンターだった。これが日本のそこいらのアウトレットなんぞ比較にならない規模なわけで、有名ブランドからセレクトショップ、専門店まで含めてで店舗数290以上。その中を歩くこと半日。とうに何軒回ったかも憶えていない。

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 途中フード・コートでお昼を食べたり、オープンカフェでお茶したりしながら、しらみつぶしにやっつけた・・・。そして見事にやっつけられた。おかげで膝はガクガク、足の裏はマメだらけ。普段の不摂生を呪ってみたりしたけれど最早後の祭りだった。
 2人とも狭い機内で十分に睡眠を取れなかったためか、みるみるへたばっていった・・・と思ったら、嫁は好きな物を手に入れる毎に復活。そもそも水着とビーチサンダルを買うのが第1の目的だったはずなのに、花柄のワンピースやら自然染めのスカートを手に取っては「これ、かわいいでしょ~。」と言いながら上目遣いでおねだりする。おかげで成田で両替したお金のおよそ半分近くを今日一日で使い果たしてしまった。
勿論その中には、代理店で申し込んだオプション・ツアーの代金も含まれてはいたが、結局肝心な物は買ってないんだからなぁ~!・・・とほほ。晴天の観光日和に汗だくで買い物三昧とはねぇ。まっ、これもハワイの醍醐味とやらか~。
 そんなこんなでようやくホテルにたどり着く。しかしてさすがシェラトンは一流どころ。エントリーからロビー、受付にいたる動線のゆとりと美しさ。日本人の多さもさることながら、欧米人のゲストもどこか品が良いのだった。海岸を臨むプールに出てみると、すでに日は水平の向こうに隠れようとしていた。
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 エレベーターで高層階のゲストルームへ。部屋はゆったりとした広さ、ベッドはセミダブルのツイン。腰掛けるのも難儀なほど高く分厚いマットレス。二段重ねの大きな枕が2列に並んでいた。バスルームには吹き通しの窓が付いていて、リゾート感を彷彿とさせている。そして何よりも、地上24階の窓の外、ラナイからの絶景。ワイキキビーチに沿ってダイヤモンドヘッドまで続くホテル群の美しい光のモール・・・。

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 その後、へとへとに疲れ切った僕たちは、夕飯を1階のカイ・マーケットで済まして、早々に床についた。記念すべき新婚旅行の初夜は大爆睡であった・・・。