命きらめいて☆馬、犬、猫など動物に関する理不尽な事件や心温まる出来事の記録

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ナナコの死因についての発表

2015年10月22日 12時22分29秒 | 事件
8月30日に死亡しましたマサイキリンの『ナナコ』について、北海道大学獣医学部(比較病理学教室)に協力いただき病理検査を実施いたしました。この結果を踏まえ、当園では最終的な死因について下記のとおりまとめましたのでご報告いたします。9月24日まで設置いたしました献花台には市民の皆様からたくさんの御献花をいただきました。この場をお借りし感謝申し上げます。

1 死亡原因

  直接の死因:胃内容を誤嚥したことによる窒息死

  8月30日に実施した解剖の段階で、胃内容が肺の気管支まで及んでいることを確認しており、死因は「胃内容の誤嚥による窒息死」と診断しておりました。

この度の病理検査結果においても、全身の脂肪が少ないことや心臓に部分的な萎縮が見つかったほかは、臓器の基礎疾患は特段見つからず、胃内容の誤嚥による肺の所見(誤嚥性肺炎)が主なものであったことから、最終的な死因についても「胃内容の誤嚥による窒息死」といたしました。

なお、誤嚥はキリンが転倒し、腹部に圧がかかり胃内容が口腔内に戻ったことにより発生したものと考えられます。転倒の原因は次の2点を推定しております。


2 転倒について(推定)

1)足の状態によるもの

ナナコは来園した平成21年時点から過長蹄(蹄が日常生活の中で均一に削れず、徐々に先が伸びていくこと)があり中等度の跛行(歩様の異常)を示しておりました。

そこで当園では、平成24年から徐々に過長蹄のケアを進め、平成27年1月には足をひきずるといった歩様が見られなくなっており、改善が図られておりました。

しかしながら、最近、座り胼胝(すわりだこ)が目立つようになり、座る時間が増えていたことを考えると、跛行状態が長時間経過していたことによる起立バランスの悪化を来し、転倒の原因になったことが考えられます。


2)全身の状態によるもの 

最近の健康状態で特に異常や食欲低下は見られておりませんでした。しかしながら、過去に当園で飼育していた雌に比べ、もともと小型で少食傾向の個体でした。

餌は乾草を中心に、余るように与えておりましたが、成長面で課題があったことが全身の脂肪の少なさや心臓の一部萎縮などに関係し、転倒の原因となったことが考えられます。


●マサイキリン ナナコについて●

生年月日 2004年(平成16年)8月26日 熊本市動植物園生まれ

来園日  2009年(平成21年)10月15日

死亡年月日 2015年(平成27年)8月30日 未明(11歳)

≪参考≫

1 実施してきた過長蹄ケアについて

  キリンの麻酔は他の動物と比べてもリスクが高いことから、麻酔による削蹄は避けて、下記の対策を実施していたところです。

 (1) 床材の選定

 当園では屋内・屋外ともに放飼場に砕石(5~8ミリ)敷き、歩行のたびに自然に蹄が削れるようにしておりました。

(2) 蹄のケア

平成24年夏より、無麻酔での削蹄を試行実施し、平成25年5月に先進的な取り組みを行っている秋田県大森山動物園に職員を派遣し、「ハズバンダリートレーニング(受診動作訓練)」※の基礎を習得後、本格的な削蹄を開始いたしました。

そこで毎日、少しづつ削蹄することが可能になり、平成27年1月には、歩様も安定し、跛行は改善をしておりました。

※トレーニングについては、キリンの体に職員が触れることに馴れさせることも行っており、前胸部にできていた座り胼胝から少量の出血・滲出液が見られ、患部の細菌汚染も認められたことから、トレーニング時に患部に抗生剤軟膏を塗布するなどの治療も行っていたところです。



2 ナナコの状態について 

ナナコは来園時より体が小さく(来園時推定体重600㎏)、なかなか太ることができない体質であったことから、来園時から出産に至る平成23年夏までは、ナナコの嗜好性を最大限考慮して、マメ科牧草の他に根菜類(人参、イモなど)や果物(リンゴなど)をある程度与えておりました。

一方で、キリンは栄養価の高い樹葉(繊維質としてペクチンを多く含む)を主食としていることから、キリンの飼料としては、樹葉またはマメ科の牧草を主食とし、補助的に濃厚飼料を与えることが望ましいとされています。

そこでナナコの健康管理のために飼料の改善を検討しましたが、急激な餌の質の変化は、キリン自身及び胃の中の微生物にも悪影響を及ぼす可能性があると判断し、餌の変更は気候の温暖な夏場に限定し、一月に数パーセントずつ時間をかけて餌を変更することといたしました。具体的には、出産後の哺育がある程度一段落した平成23年秋から、長期的に飼料改善を行い、マメ科の牧草の給餌量を増量するとともに、根菜類及び果物の量を減量いたしました。

これにより、平成27年度夏に至るまで徐々に餌を改善し良好な採食がみられておりました。マメ科牧草については、余るように与え、室内にいるときは好きな時に食べられるように配慮しており、食欲については安定していることを確認しておりました。


 3 死亡前日までの健康状態について

アフリカゾーンへの移動を控え、5月28日に輸送用の檻を屋外放飼場内に設置し、檻への慣らし(馴致)を行っていたところですが、好みのエサで誘導するなどして徐々に馴致を進め、檻に入ったまま落ち着いて採食できるところまで慣れてきていました。

前日(8月29日)も、採食の様子や、普段の行動などの観察結果から、全身的な健康状態に問題はなかったと考えています。また、前日(8月29日)は夜の動物園の開催日であり、夜間開園しておりました。16時に屋内展示場に収容した後もナナコの様子はいつも通り落ち着いて餌を食べておりました。その日はカバのドンがやや落ち着かないそぶりを見せていたため、熱帯動物館屋内草食獣舎前を人止めし、キリンを含めて落ち着いて休息できるようにしておりました。

 21時の閉園まで飼育担当者らが定期的に様子を観察しておりますが、その際も餌を食べている様子が見られており、特段の異常はみられておりませんでした。

http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics2-834.html


参考ニュース

北海道 NEWS WEB
キリン 転倒で気管詰まったか
10月22日 01時37分

札幌市の円山動物園は、ことし8月に死んだキリンについて転倒したことで胃の中身が気管に入ったことが死因とみられるとした調査結果をまとめました。
ことし8月、円山動物園で11歳で死んだメスのマサイキリン「ナナコ」は直後の解剖で、胃の中身が気管に入ったことで窒息死したことがわかっています。
円山動物園は死因について調査結果をまとめ、「ナナコ」が転倒し、腹部に力がかかったことで胃の中身が気管に入ったと考えられるとしています。
また、転倒の原因としてはひづめが伸びすぎていたころに正常でない歩き方を身につけ、体のバランスが取りづらかったことなどが考えられるということです。
動物園は、伸びすぎたひづめを麻酔なしで削ることができるよう秋田県の動物園の指導をふまえてトレーニングするなど対策を続けていたものの結果的に転倒を防ぐことはできなかったとしています。
(そのうちリンク切れます)
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20151022/5875421.html


やはり、推測通り過長蹄による転倒の結果の誤嚥だった。過長蹄で中程度の跛行していたのに3年も放置とは!まだ若いのに座りだこが悪化したのは病態の悪化を示ている。長期に及ぶ治療や処置の怠慢が伺える。数年前から毎日削蹄できようになったという。固い蹄をやすりで削るなんてことは回数が必要で、慣れてなければ毎日数回は必要だと思う。削蹄の回数が書いていないことが気になる。

それに、「基礎を習得後、本格的な削蹄を開始いたしました。」とあるけど、基礎を学んだだけで本格的な削蹄ができると言い切るところがおかしい。不祥事なことにかかわったというか善意で協力してくれた施設を普通名指しで書くだろうか。大森山動物園に迷惑かけることもわかっていない。気の毒だ。

また、餌の説明が書いてあるが気になることがある。マメ科の飼料を室内で食べたいだけ食べさせていたことはびっくりした。同じ草食動物である馬や牛の場合、大好きなマメ科の牧草を与えすぎると蹄葉炎などの蹄の病気になりやすくなる。バランス悪く伸びすぎた爪よりも蹄が痛くて、横になる時間が多くなった結果、座りだこがひどくなったのではないかとも思える。キリンは参考文献がないのではっきりとは言えないが、そのように過長蹄だけの問題ではないような気がする。したであろう一番肝心な蹄の解剖結果や蹄の外観所見も発表する必要があると思うのだがそこには触れていないことにもびっくりした。

ウッチーの時の雌たちの発情の様子、シマウマ飛馬の空白の20分、ニホンザルゆり太のケンカになった状況などと同じく、今回も一番知りたいことが説明されていないことが残念だ。



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マレーグマ虐待死事件とは

2015年10月22日 11時56分03秒 | 事件
札幌市円山動物園が28年間の功労を無視して、超高齢マレーグマ・ウッチーを同種の熊を使って殺した虐待死事件である。


①繁殖能力のない「超高齢」の雌クマを仲介役も兼ねた繁殖のために若い雄熊と同居させた。

②同居させるとしたらまず網越しに「十分」対面させる必要があるのにしなかった。

③喧嘩をはじめた時のために放水などで引き離すなどの「準備」をしていなかった。

④好物のご馳走を並べ、相性の悪い雄熊と放飼場に放してケンカを「誘発」し大ケガさせた。

⑤力の差は歴然で、大ケガをしたならもうさせないものだがそれから「3回」も同居させた。

⑥ありえない惨状に来園者からの再三の同居中止の要請にも「素人は口出すな!」と対応した。

⑦最後の日も一方的に、長時間襲われているのにもかかわらず「救助」しようともしなかった。

⑧致命傷を負ったのにかかわらず必要な治療もされず、ウッチーは「苦しみながら」息絶えた。

⑨園は熊同士の「闘争」で死んだ、じゃれてると思った、ケガには気が付かなかったとコメントした。

⑩⑥の常連客の一人が泣きながら撮った動画がネットで拡散し、関係各所に苦情が殺到した。

⑪市の立ち入り検査が入り改善勧告と虐待認定を受け、園長と副園長が軽微な懲戒処分を受けた。

⑫真相の究明と厳正なる捜査を求めて署名運動がはじまり、怒りの輪が広がっている。


これからど先はどうなるのかわからない

⑪告発され厳正な捜査が入り、動物愛護法違反により係った職員が有罪判決を受けた。

⑪捜査を求め告発されたが不起訴となり、捜査されることはなかった。

⑪このままトップ2の軽微な懲戒処分だけで終わった。

不思議な話なのだが、警察に電話で動物愛護法違反での捜査の要請ををしても告発してもらえなければ捜査できないと言われるようだ。告発者がいなければ捜査もされず、法的に罪が確定することはないらしい。

果たしてどこに落ち着くのだろうか?日常茶飯事で行われている動物の殺処分の一つとして扱われ、苦しめて殺している残虐性が見逃されるのであれば行政との癒着が疑われ、北海道での三権分立は絵に描いた餅だと思った方がいいと思う。