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問われる動物園の存在意義

2016年08月30日 15時48分05秒 | 事件
動物園動物たちのあまりにも哀れな事件が続き、動物園の存在意義について考える人が増えているのだろう。動物園の存在意義に関するYahooニュースを見つけた。そのうちリンク切れになると思うので、貼らせていただいた。(本記事の方には動画有り)
http://news.yahoo.co.jp/feature/287

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「動物園」は何のためにあるのか 苦境で問われる存在意義
8月17日(水)12時6分配信
日本は世界有数の「動物園大国」。身近な娯楽施設として、100近い動物園が全国各地に作られてきた。だが、上野動物園(東京)や旭山動物園(北海道)といった有名動物園が華やかなイメージを保つ一方で、地方の小さな動物園の多くは、来園者数の減少や施設の老朽化、飼育動物の高齢化といった苦境に直面している。生き残りをかけ、独自の存在意義を打ち出そうとする動物園を巡った。(Yahoo!ニュース編集部)

獣舎の床がひび割れた動物園

長野県東部の小諸市動物園は、桜の名所として名高い城址公園の中にある。ライオンやサルなど約80種の動物を飼育するこぢんまりとした動物園だ。1926年設立で、現存する国内の動物園の中では5番目(※)に長い歴史を持つ。
最近話題になっているのが、ペンギンの食事風景を見せる「流しアジ」のパフォーマンス。流しそうめんのような装置にアジを流すと、ペンギンたちが観客の目の前で素早く捕える。お金をかけずに来園者に楽しんでもらえるイベントを、と夏限定で昨年から始めた。


小諸市動物園のペンギンの獣舎(撮影:塩田亮吾)

人影まばらな平日に訪ねると、「流しアジ」の発案者でもある飼育員の中津久美子さんが、テナガザルの檻の中に案内してくれた。
来園者から見える壁面は、ペンキがきれいに塗られている。だが、コンクリートの床に目を落とすと、ひび割れが激しい。ほとんどの獣舎が、築40年は経過しているのだという。
「床の汚れがひどいからとデッキブラシを力強くかけると、コンクリートの割れているところから全部バリバリ割れてきてしまうので、傷が広がってしまう」
そう中津さんは話す。


小諸市動物園の獣舎にたたずむアジルテナガザル(撮影:塩田亮吾)

施設の古びた印象を少しでも拭おうと、正規職員1人に臨時職員4人という数少ない飼育員たちが、壁のペンキ塗りや園内の看板作りに汗を流している。
「どこかに頼むと大きなお金になってしまうので、自分たちでやっています。予算が決まっているので、動物たちの栄養面や衛生面に優先して(費用を)かけられるように。(コンクリート床の補修のような)大きな工事となると、市役所で決めていただくことになる。希望は出すけど、なかなか難しいみたいですね」(中津さん)


小諸市動物園は城址公園の中にある(撮影:塩田亮吾)

動物園の経営を圧迫する「安い入園料」

小諸市動物園に限らず、地方の動物園の多くは財政状況が厳しい。
現在、日本動物園水族館協会に登録する動物園は89。専門家らによると、この数は米国、中国に次いで世界3位で、人口あたりで言うなら世界一の「動物園大国」ということになるという。だが、それらの動物園の入園者数は、1991年の約6500万人をピークに減少し、近年は4000万人前後と低迷している。
全国の動物園の調査を行ってきた東京大学大学院の木下直之教授によると、日本では、高度成長期の1950年代~60年代に多数の動物園が作られた。戦後復興のなかで、地方自治体が子ども向けの娯楽施設として設けたものが多かったという。その流れをくみ、現在でもおよそ8割が公共施設で、大半は小諸市のような市営だ。


動物園は昔も今も、子ども連れの家族が数多く訪れる(撮影:塩田亮吾)

しかし1990年代以降、レジャーの多様化などで来園者数が伸び悩むようになる。自治体の財政難が深刻化するとともに、動物園は「お荷物」扱いされるようになった。
木下さんはその背景として、多くの自治体で動物園の存在意義が明確ではなかったことを挙げる。
「動物園は、都市公園法によって公園施設という位置づけをされています。ベンチや遊具などと同等なんです。ですから、だいたいは自治体の公園管理課が所管するわけです。動物園は、娯楽施設としての役割だけでなく、自然について学ぶ教育施設としての役割も持っていると考えられるのに、どう教育を行うのかというところがなかなか議論されない」


動物園はなんのためにあるのか。その存在意義が問われている(撮影:塩田亮吾)

運営主体が自治体ゆえ、動物園の一存では、経済的な苦境を脱せないという事情もある。たとえば、入園料の問題だ。
自治体職員として動物園に勤務していたことがある帝京科学大学の佐渡友陽一講師は「日本の動物園は入園料が安い」と指摘する。
日本の公立の動物園は、一般の大人が500円前後で、高くても1000円以下。それに対して欧米やオーストラリアの動物園は、安くても1000円台で、多くは2000〜3000円だという。


日本の動物園の入園料は低くおさえられてきた(撮影:塩田亮吾)

佐渡友さんは、安さのカラクリをこう説明する。
「日本の動物園もかつては独立採算でしたが、1960〜70年に物価が上がっていく中で、料金を上げなかった。1975年ごろまでに、税金を投入しないと運営できないように変わっていったんです。今の動物園は、大雑把に言うと3分の1が受益者負担で、残り3分の2が税金という仕組みです」
そのような仕組みが成立したのは、高度成長期に「子どものためなら税金を使っても良い」という社会的合意が得られたからだという。自治体運営の動物園の場合、入園料の決定権は議会が握っている。「動物園は住民のための『公共サービス』という考え方がある。それが料金設定にも現れている」と佐渡友さんは言う。
しかし自治体がいかに支出を抑えるかという時代になり、動物園は存廃を問われるようになった。


自治体の財政が厳しくなる中で、動物園でも「数字」が重要になっている(撮影:塩田亮吾)

閉園の危機から復活した市営動物園

そうしたなか、新たな取り組みによって、自らの存在意義をアピールする園が出てきている。
福岡県の大牟田市動物園は、採血や体重測定などの健康管理やそのための動物のトレーニングの様子をそのまま来園者に公開する先駆的な取り組みで注目され、閉園の危機から息を吹き返した。
同動物園では、採血などをスムーズに行うために動物を教育する「ハズバンダリートレーニング」を導入している。獣医の川瀬啓祐さんによると、きっかけは飼育動物の高齢化にあった。
日本一長生きのペリカンをはじめ、約300いる動物の半数以上が寿命に近い年齢だ。健康管理のために採血などが必要になるが、麻酔をかけて実施すると、かえって動物の命を危険にさらすことになる。そこで、麻酔のリスクを減らすため、3年前にトレーニングを始めたのだという。


大牟田市動物園では、動物の健康管理のために「ハズバンダリートレーニング」を実施している(撮影:塩田亮吾)

そのトレーニングや採血の様子を来園者にも見せるようにした。逆境を逆手にとって特色にしたのだ。川瀬さんは言う。
「うちの園の意義としては、飼育している動物のありのままの姿を見せて、お客さんに何かを感じ取ってもらえればと思っています。だから、動物が病気や寝たきりになっても、そういう紹介をして、(来園者に見えるように)出しています。動物の一生のあり方を伝えていくのも、僕らの仕事なので」
高齢動物のケアを見せることで、来園者が飼育員に「あの子大丈夫?」と尋ねたり、心配して様子を見にきては「頑張ってね」と声をかけてくれたりと、関心の高まりを感じるという。


キリンの「ハズバンダリートレーニング」を行う大牟田市動物園の飼育員(撮影:塩田亮吾)

大牟田市動物園の入園者数は、ピーク時の1992年度には年間41万人を記録した。しかし、1997年に市の基幹産業だった三井三池炭鉱が閉山した影響などで来園者は激減し、2004年度には13万人まで減った。
同年、市は閉園を視野に入れた方針を発表。存続を願う市民の声に押され、民間に委託する形で運営が継続された。「動物のありのままの姿を見せる」という運営方針が功を奏し、2015年度には、入園者数が19年ぶりの21万人を記録するまで回復している。


大牟田市動物園の来園者数は回復基調にある(撮影:塩田亮吾)

新しい動物園のスタイルを模索

他方、思い切って施設を一新した動物園もある。
山口県の宇部市ときわ動物園は、今年3月に約19億円をかけてリニューアルオープン。動物の生息地を再現した「生息環境型展示」を、日本で初めて園内すべてで実施した。


宇部市ときわ動物園では、生息地の自然環境を再現している(撮影:塩田亮吾)

熱帯雨林を模したシロテテナガザルの島を見てみると、サルが野生と同じように、高い木の枝から低い木の枝へと腕を伸ばし、ぐんぐんスピードをあげて飛び移っていく。「腕渡り」という行動で、リニューアル前は狭い施設で飼育していたため見ることのできなかった。
かつて大阪市天王寺動物園で園長を務め、この春からときわ動物園の園長に就任した宮下実さんは「この動物園が、野生動物の住む環境や地球環境へと目を向ける一つの手がかりになれば」と期待する。
宇部市の久保田后子市長が動物園に注力すべく舵を切ったことで、新しい動物園の形が実現したのだという。


動物園は自然について考えるきっかけを与えてくれる(撮影:塩田亮吾)

宮下さんは今後、市民や企業、NPOなどが運営管理に参画する動物園にしていきたいと話す。
「市民の方が加わって、ここは私たちの財産なんだ、飼育している動物も家族の一員だと思ってもらえたら、この動物園を大切に考えてもらうことにもなり、素晴らしい動物園になると思いますね」
[制作協力]
オルタスジャパン
[写真]
撮影:塩田亮吾
写真監修:リマインダーズ・プロジェクト 後藤勝
※初出時「4番目」としましたが、事実確認し「5番目」に訂正いたしました。

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今の時代、動物園には小さな子供のいるファミリー、恋人同士、熟年リタイア組くらいしか行かないのではないだろうか。自分はさらに足が遠のいてしまい、もう娯楽のために行くことは今後もないだろう。

今がインターネットゲーム、スポーツ、ショッピング、テーマパーク、コンサートなど娯楽には事欠かない時代であることも、足を向かわせない要因だ。さらに動物愛護精神の発展向上とともに、今や動物園は集客が難しく採算が合わない施設であるという現実的な問題が大きな壁となっているようだ。

以前、斜陽と言われていた映画館が次々となくなっていったが、完全になくなることはなかった。CGや3Dなどの技術の向上によって臨場感を伴った娯楽性が高められたことで、これからも進化しながら続いて行ってくれそうだ。

先日、ジャングルブックを3Dバージョンで見てきたが、レベルの高さに本当にびっくりした。モーグリという主人公の少年以外はすべてCGなのだそうだ。実物の動物の映像とどちらが本物かと聞かれても、区別は本当に難しい。これだけの性能であれば、バーチャル動物園はもう創造が可能だと思った。

動物園に行っても寝ていたり、ぐるぐる回っていたり、うつろな目でぼーっとしている動物を見るのではなく、群れで生きている本当の習性や生活、子育ての有様などをすぐそばで、目の当たりにしながら学べるバーチャル動物園はきっと楽しいものに違いない。動物の種類を考えると、数えきれないくらいのストーリーができるだろうし、好きな動物のバージョンなら何度も足を運ぶことにもなるだろう。今いる動物たちのためには動物園を統廃合し、動物たちに犠牲を強いない新たな形のバーチャル動物園を作る方向で、発想の転換を願っている。

すたれていこうとしている動物園。いろいろな要因があると思うが、動物園が本当に楽しく癒される場所であれば、自然と人は集まるものだ。実際のところ動物園とはそういう場所ではないと、人々が思いはじめているのではないだろうか。

バロンの姉アカリも移動動物園だったとは

2016年08月05日 16時45分44秒 | 事件
驚くべき事実が判明したので記すことにした。

天王寺動物園はグラントシマウマ、ヒデヨシと東武動物公園から借り入れ中のナデシコとの間に繁殖を試み、2014年6月19日にバロン♂が生まれた。そして二歳になる前に余剰動物として動物商に譲渡し、そこから愛知県の移動動物園に転売された結果がゴルフ場での水死につながったことは前回までに書いた。

さかのぼって調べてみると、天王寺動物園はバロン誕生の二年前には同じく、ヒデヨシとナデシコの間に、第一子となる姉のアカリ♀を繁殖させていた。

■2012年2月18日バロンの姉アカリの誕生
http://blog.zaq.ne.jp/zoo_tennoji/category/23/2

Photo by 天王寺動物園

■2013年1月7日生後11ヶ月、この時も行く先が公表されず、アカリは譲渡された
http://blog.zaq.ne.jp/zoo_tennoji2/article/162/

Photo by 天王寺動物園

アカリはおとなしくて穏やかな気質らしく、そのために何かのお仕事をするために譲渡され、移動していったと思われることがスタッフの「頑張ってね~」という言葉から推測できた。が、依然行方不明であった。


Photo by 天王寺動物園

しかし、幸運にも縞模様で個体が同定されやすいシマウマのアカリは、ネットの恩恵を受けて見つかったのだ。「あかね」と改名され、2015年12月11日時点で、滋賀県守山市にある個人経営の堀井動物園で飼われていたことが判明した。

大阪から守山の間はブログに書いてあったような長距離移動ではないため、バロンと同じように再び転売されたのではないかと思われる。堀井動物園は移動動物園を運営しており、行き場のなくなった動物たちが多いと聞く。数年前に火事で一度に多くの動物を失いながらも支援を受け、二年くらい前から日本で初めて小さなふれあい動物園「めっちゃさわれる動物園」をショッピングセンター内で常設するようになった。

■アカリ(あかね)の所有者堀井動物園のHP
http://horii-zoo.jp/

■ショッピングモールピエリ守山1階の本格ふれあい動物園「めっちゃさわれる動物園」
http://pieri.sc/floor/

Photo by めっちゃさわれる動物園/堀井動物園

■「めっちゃさわれるシマウマあかねちゃん」
http://meccha-zoo.com/blog/news/429/

■移動動物園でお仕事中のあかねちゃんの動画
「201504シマウマの居る移動動物園1」
https://www.youtube.com/watch?v=-p6X3wwkcLw
「201504シマウマの居る移動動物園2」
https://www.youtube.com/watch?v=rw_Ttmu0VPA
「201504シマウマの居る移動動物園3」
https://www.youtube.com/watch?v=kpSsxE8vTZc


一度ならず二度までもシマウマを余剰させていたとは驚きであり、それもブリーディングローン契約中のナデシコとの繁殖だったとは一体どういうことなのだろう。天王寺動物園は飼えないのなら無責任に動物たちを何度も何度も繁殖しないでほしい。「シマウマの繁殖はブリーディングローン契約内で計画的に行っている」という天王寺動物園のバロン事件の抗議に対する回答はただの言い訳に過ぎないことが、このことからも知ることができた。

また、動物園は赤字経営が多く、天王寺動物園などは経費の半分以上を税金で補てんしているという。それと同時に、年を取りすぎたり増えすぎたりした動物園の余剰動物は、園内のどこかでひっそりと「裏飼い」されるか「安楽死」または「売却」されているという現実を、これら一連の事から知ることとなった。

生きながらえたとしても多くは小さな飼育場や狭いオリの中で生きていかなければならない余剰動物たち。死んでも生きても哀れだ。

動物たちにそんな犠牲を強いてまでして、動物園で楽しみたいと思う人たちがどれだけいるのだろうか。

余剰動物を気にかけることなく出し続け、ブリーディングローン制度までも機能できていないようならば、もう現存の形態様式での動物園は統廃合の形からはじめて、ゆくゆくは廃止していくべきではないだろうか。


バロンの姉アカリ(あかね)ちゃん Photo by 天王寺動物園