いむれ内科クリニック

愛知県豊橋市のクリニック
内科・感染症内科・呼吸器内科・アレルギー科

院長が結核・抗酸菌症指導医に認定されました

2012-12-19 21:04:13 | お知らせ

こんにちは、「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。日本結核病学会の結核・抗酸菌症指導医に認定されましたのでご報告します。

結核は全世界での年間発病者数が約940万人、死亡者数が約170万人に及ぶ重大な感染症です。日本でも年間発病者数22,000人余り、死亡者数2,100人余りで、依然として「結核の中蔓延国」です。最近ではハリセンボンの箕輪はるかさんとかモデルのJOYさんが発症されていますね。JOYさんは2011年の結核予防週間にあたり「ストップ結核ボランティア大使」をされています。

結核は肺の結核がほとんどです。初期の症状はかぜと似ていますが、発熱などの症状が長く続くのが特徴です。また体重が減る食欲がない寝汗をかく、などの症状もあります。このような場合はすぐにご相談下さい

結核は「空気感染」します。咳やくしゃみをしたときに飛び散るしぶきの中に結核菌がいて、これが乾燥して空中に長く漂い、他の人が吸い込むことで感染します。インフルエンザなどは主に「飛沫感染」するので、患者さんから距離を置いたりマスクをすれば感染は防げます。一方、結核など「空気感染」する病気は患者さんと同じ空気を共有することで感染してしまいます。患者さんとの距離は関係なく、普通のマスクは役に立ちません。当院は「空気感染」する結核にも対応できるように、特殊な換気設備を備えた待合室・診察室があります。また専用の特殊なマスクを着用して診療に当たります。

日本結核病学会
大正12年(1923年)、結核が国民病と言われた時代に結核研究の進展と結核対策を目的として北里柴三郎らによって設立された学会。


ノロウイルス迅速検査

2012-12-09 19:48:49 | 診療

こんにちは、「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。感染性胃腸炎の原因ウイルスの一つにノロウイルスがあります。2012年4月からノロウイルス抗原定性検査(迅速検査)が保険でできるようになりましたが、対象患者さんが限られています。

  • 3歳未満の患者
  • 65歳以上の患者
  • 悪性腫瘍の診断が確定している患者
  • 臓器移植後の患者
  • 抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、又は免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

当院でも検査はできますが、検査結果が陽性でもとくに治療方針に変わりがありません。すなわち脱水状態にならないように水分をしっかり摂って、吐き気止めや整腸剤などの対症療法のお薬を服用します。

「感染性胃腸炎の原因がノロウイルスなら出勤(登校)停止になるので検査して欲しい」という問い合わせを時々いただきます。原因ウイルスはノロウイルスの他にもいくつかありますが、ノロウイルスなら危険、他のウイルスなら安全(うつらない)ということはなく、症状のある間は他の人にうつす危険があります。症状がしっかり治まるまでは自宅療養をお勧めします。


感染性胃腸炎流行中

2012-12-09 19:32:35 | 診療

こんにちは、「いむれ内科クリニック」の院長の山本景三です。吐いたり下痢をしたりして来院される患者さんが増えています。この病気を「感染性胃腸炎」と言います。国立感染症研究所が発行している感染症週報「IDWR」でも注目すべき感染症として取り上げられています。大方はノロウイルスやロタウイルスなどのいろいろなウイルスによる感染症です。嘔吐や下痢の他に発熱することもありますが、あまり高熱にはならないことが多いと思います。

感染性胃腸炎を起こすウイルスには特効薬はありません。抗菌薬は効果がないばかりか病状を悪化させることもあります。下痢止めの薬も通常は使用しません。吐き気止めや整腸剤などの対症療法のお薬をお出ししますので、水分を補給して脱水状態にならないよう注意してください。

また吐物や便にウイルスが含まれており感染源になります。吐物が飛び散るようなことがあればしっかり拭き取り、拭き取ったぞうきんなどはビニール袋にいれて口を縛っておきましょう。吐いた後や排便の後には水と石けんで20秒以上かけて手を洗いましょう。