もう4~5年前のことだが、急に思い立ってビデオ・レンタル店数店を回り、探した映画(のDVD)があった。
でもどこへ行ってもそれは見つからず、後にその映画はソフト化されていなかったことが判明。
それが「黒部の太陽」(三船敏郎・石原裕次郎 1968年2月公開)だった。
なんでも裕次郎が「ソフト化はまかりならん。この作品は劇場で見てほしい」と遺言のように言っていたそうで、それで封切りのあの日以来現在まで上映されずに幻の映画になってしまっていたのだった。
実はこの作品、まだ子供の頃に親に連れられて映画館で見た。
しかし大昔のことで今となってはどんな映画だったかほとんど記憶がなかった。それでも急に観たくなったのだった。
それからずっとソフト化を諦めていたのだが、去年だったか香取慎吾・小林薫のドラマ版をTVで見て、再び本作をちゃんと見てみたいと思った。
そんなことも忘れかけていた先日、NHKBSで放映されるという驚きの事実が判明!
その放送が17日(土)夜にあったのだ。
この夜はバンドの練習日。外出中となるので録画予約をしっかりして出かけた。
翌朝、わくわくしながら再生した。
オリジナルの尺(上映時間)は3時間16分と途中休憩が必要なくらい長編だが、この日やっと放映された「短縮版」は2時間20分だった。約1時間のカット版だ。
これだけカットが多いと当然ながら細かいディテールがぼやけてしまう。熊谷組の幹部や協力会社幹部、関電の関係者など、その存在感がよく説明されないまま、贅沢なキャスト起用もその良さを認識できないままヒーロー裕次郎の映画とだけ映ってしまった。
内容的にはこの作品は(短縮版で見る限り)裕次郎よりも三船敏郎の映画であった。ドラマ版での同じ役の小林薫もすばらしかったが、建設現場の責任者の苦悩が映画の根底を流れているこの役どころを演じた三船の存在感は際立って素晴らしかった。一方、裕次郎はといえば現場の最前線でヘルメットすら被らず気取って岩盤を見つめていたり、作業員と感情的にも距離を置いた役どころだったりするので、人間的な物語感が希薄で現場における親方という感じがあまりしなかった。
今後も何度か繰り返し見るつもりだが今言ったように短縮したことの弊害(デメリット)が完全に出てしまったように僕は感じる。
ただし「破砕帯」からの大規模な出水シーンはさすがにお金をかけた部分らしく当時の映画としては大迫力だった。(CGを使ってないし)
また当時の制作には大変な苦労があったと聞く。キャストの確保、ギャランティ、五社協定の問題、制作予算の不足など。
しかし熊谷組・関電などの好意ある協力でこの作品は陽の目をみたのだ。
今この作品の版権は石原プロが持っているという。
この会社もご多聞にもれず経営が大変だという。そんなことも関係して今回の実に数十年ぶりの放送が実現したのだろう。
ニュースによると
<石原プロモーション会長の石原まき子が、「東日本大震災復興支援を目的として、『黒部の太陽』を全国各所でスクリーン上映する」ことを発表した>とある。
この復興支援とはどういう意味か僕にはよく分からないが、仮にも一儲けしようとでも思っているなら、それは便乗商法だ。
また、この「黒部の太陽」は念願のDVD化もされることになったらしい。
それは歓迎だ。なにしろ期待していたより肩透かしを食ってしまった「短縮版」だったので、ぜひともオリジナル版をじっくりと吟味して、もう一度この日本映画の大作を味わってみたいと思う。
このNHKの放映の前日、同じくずっと再上映されず、ソフト化もされていなかった「栄光への5000キロ」も放送された。なにか息せききっての連続放送だったが、この映画も子供の時に映画館で見ていたので期待して見た。 こちらは思っていたよりリアリティが無く、ひたすら裕次郎のカッコイイ映画という感じで、短縮版ということもあって残念ながら興ざめだったことを書き加えておこう。
でもどこへ行ってもそれは見つからず、後にその映画はソフト化されていなかったことが判明。
それが「黒部の太陽」(三船敏郎・石原裕次郎 1968年2月公開)だった。
なんでも裕次郎が「ソフト化はまかりならん。この作品は劇場で見てほしい」と遺言のように言っていたそうで、それで封切りのあの日以来現在まで上映されずに幻の映画になってしまっていたのだった。
実はこの作品、まだ子供の頃に親に連れられて映画館で見た。
しかし大昔のことで今となってはどんな映画だったかほとんど記憶がなかった。それでも急に観たくなったのだった。
それからずっとソフト化を諦めていたのだが、去年だったか香取慎吾・小林薫のドラマ版をTVで見て、再び本作をちゃんと見てみたいと思った。
そんなことも忘れかけていた先日、NHKBSで放映されるという驚きの事実が判明!
その放送が17日(土)夜にあったのだ。
この夜はバンドの練習日。外出中となるので録画予約をしっかりして出かけた。
翌朝、わくわくしながら再生した。
オリジナルの尺(上映時間)は3時間16分と途中休憩が必要なくらい長編だが、この日やっと放映された「短縮版」は2時間20分だった。約1時間のカット版だ。
これだけカットが多いと当然ながら細かいディテールがぼやけてしまう。熊谷組の幹部や協力会社幹部、関電の関係者など、その存在感がよく説明されないまま、贅沢なキャスト起用もその良さを認識できないままヒーロー裕次郎の映画とだけ映ってしまった。
内容的にはこの作品は(短縮版で見る限り)裕次郎よりも三船敏郎の映画であった。ドラマ版での同じ役の小林薫もすばらしかったが、建設現場の責任者の苦悩が映画の根底を流れているこの役どころを演じた三船の存在感は際立って素晴らしかった。一方、裕次郎はといえば現場の最前線でヘルメットすら被らず気取って岩盤を見つめていたり、作業員と感情的にも距離を置いた役どころだったりするので、人間的な物語感が希薄で現場における親方という感じがあまりしなかった。
今後も何度か繰り返し見るつもりだが今言ったように短縮したことの弊害(デメリット)が完全に出てしまったように僕は感じる。
ただし「破砕帯」からの大規模な出水シーンはさすがにお金をかけた部分らしく当時の映画としては大迫力だった。(CGを使ってないし)
また当時の制作には大変な苦労があったと聞く。キャストの確保、ギャランティ、五社協定の問題、制作予算の不足など。
しかし熊谷組・関電などの好意ある協力でこの作品は陽の目をみたのだ。
今この作品の版権は石原プロが持っているという。
この会社もご多聞にもれず経営が大変だという。そんなことも関係して今回の実に数十年ぶりの放送が実現したのだろう。
ニュースによると
<石原プロモーション会長の石原まき子が、「東日本大震災復興支援を目的として、『黒部の太陽』を全国各所でスクリーン上映する」ことを発表した>とある。
この復興支援とはどういう意味か僕にはよく分からないが、仮にも一儲けしようとでも思っているなら、それは便乗商法だ。
また、この「黒部の太陽」は念願のDVD化もされることになったらしい。
それは歓迎だ。なにしろ期待していたより肩透かしを食ってしまった「短縮版」だったので、ぜひともオリジナル版をじっくりと吟味して、もう一度この日本映画の大作を味わってみたいと思う。
このNHKの放映の前日、同じくずっと再上映されず、ソフト化もされていなかった「栄光への5000キロ」も放送された。なにか息せききっての連続放送だったが、この映画も子供の時に映画館で見ていたので期待して見た。 こちらは思っていたよりリアリティが無く、ひたすら裕次郎のカッコイイ映画という感じで、短縮版ということもあって残念ながら興ざめだったことを書き加えておこう。
こういったセミ・ドキュメンタリーは好きな方なんですが、そんなに長いフィルムはちょっとね・・・休憩が必要ですよね。
ぜったいお尻が痛くてギブアップだなぁ。
(パイプイス・・・それはもう拷問!)