バンマスの独り言 (igakun-bass)

趣味と実践の音楽以外に日々感じる喜びや怒り、感動を記録するためのブログです。コメント大歓迎です!

「Don't Explain」 Beth Hart & Joe Bonamassa

2011年12月02日 | アルバム・レビュー
バンドのリーマン・ドラマー氏から一枚のCDが送られてきた。
その友情に感謝して、予定外だが急きょ、このアルバムのレビューを書きたい。


「なかなか渋くて良いから聴け!」とのこと。
ちょうど先日のパット・メセニーのアルバムのことを書き終えたばかりで、今度は大好きなバルトークでも聴こうかなと思っていた矢先だった。

彼のお勧めは全てに最優先する僕。だから封を開けたらすぐにプレーヤーにのせた。

ベス・ハートという女性ボーカリストと我らがヒーロー、ジョー・ボナマッサ(ギター)との共演アルバムだ。
ボナマッサにとっても最新作となる。
こういうアルバムがリリースされたのは知っていたが、どんなんだろう?程度に軽く思っていた。

そんなアルバムを彼がプレゼントしてくれて、その時、そうだこのアルバム聴いてみたかったんだったと思い出したわけだ。

基本的にはカバー・アルバムである。有名な歌がほとんどだ。
インディーズからのリリースらしく国内版は今のところ見当たらない。したがって詳細な解説(ライナー・ノーツ)がないので、内容に関する情報が少ないのが不便だ。

曲目を書くと、

01 SINNER'S PRAYER
02 CHOCOLATE JESUS
03 YOUR HEART IS AS BLACK AS NIGHT
04 FOR MY FRIENDS
05 DON'T EXPLAIN
06 I'D RATHER GO BLIND
07 SOMETHING'S GOT A HOLD ON ME
08 I'LL TAKE CARE OF YOU
09 WELL,WELL
10 AIN'T NO WAY



01はクラプトンもカバーしていたが、いきなり重く渋いブルースだ。
声がやたらと男に聴こえる。
4拍子の一拍目と三拍目の音符(特にベース)の長さが4分音符限界までテヌートしている。だから聴感上はかなりアタマが重たく前のめりに感じるのだ。ジャスト・ビートで音が乗った後にアフター・ビートで抜けていく。オシャレなくせに昔の音楽のノリが出ているのだ。

02はトム・ウエイツ作品。 トムらしいリズムと独特な色がしっかりと残っていてうれしい。
行進曲風の軽さがあるのだが、聴けば聴くほどノスタルジックな気分になる。
オリジナルは「Mule Variations 」(1999)にあるがこの原曲は好きじゃなかった。昔のトムとは違い、
せっかくのメロディラインを汚く崩すようなフェイクがあって音符の流れが判然としない。
でもこのアルバムではメロディを正確に伝えてくれている。オリジナルでは分からなかったが昔のトムのメロディだ!と認識できてうれしくなる。




03はメロディー・ガドゥの歌謡曲的マイナー・ソング。
控えめなジョーの低音弦中心のアブリガードがそこはかとなく哀しみを演出している。

05はビりー・ホリデイの有名曲でこのアルバムのタイトル・ソング。
たまにウイスキーでも飲みながら古臭い音質でこのオリジナルを聴くが、ちょっとNYの古臭いバーで飲んでるような錯覚にとらわれるのが密かに楽しい。ヘレン・メリルの唄と比べてみるのも一興だ。
サビの泣かせ方ではベスに軍配を上げたいが。

06は昔から好きな曲で学生の頃はR.スチュワート&フェイセスのライブ盤がお気に入りだった。
ベス&ボナのバージョンを聴いた今、こんなに温かい曲だったのかと感心している。
こういう曲は歌うのが超難しいんだよね!
ギター・ソロ・パートのジョーのギターはちょっと彼らしくない雰囲気で、これはこれで結構な演奏だ。
現実は不可能かもしれないがバンドでやりたいバラードの一つとして学生の頃から思い続けてきた曲でもある。

07はエタ・ジェイムスの曲だな。
ベーシストの僕としてはこういう曲を弾きたいんだ。もともとソウル系のベースのノリが好きだし、このゴスペル風の曲の早いフレーズも大好きだから、ガンガンと弾いてみたい気持ちになる。
バンドでは無理かなぁ? ぜひコピーしてみたいなぁ・・・。

アルバム中もっとも元気いっぱいの曲だ。各プレーヤーの演奏もノリにノって気持ちがいい。

08 一気にマイナー・ブルースに変わり、しっとりと歌い上げるベスの歌唱力にしばし時を忘れてしまう。ジョーのギターも低音側で泣いている。後半高音域で泣きのフレーズを連発するが、低く呟くように泣くのもなかなかいいな。
これも大好きな曲!

世のボーカリストはこの曲を聴いて勉強しましょう。


紹介していない曲が残っているが、それらの曲は聴いた人がそれぞれの感想を持つだろうから省略させてもらう。

このアルバムはベス・ハートというシンガーのアルバムだ。
ビッグネームになったボナマッサの名前もフロントに出ているが、聴けばすぐ分かるが、ギタリストは彼女のボーカルに惚れこんで共作としたことが想像される。
彼女の唄を邪魔しないスタンスはお見事だし、時折顔を出す華麗なギターワークはアルバムの価値をいやがおうにも上げている。

基本的にはブラック・ソウルな雰囲気が支配して、感動的な音楽がちりばめられている。

ウチのバンドのドラマーはまたしても素晴らしい音楽を僕に与えてくれた。

ここで深く感謝しておきたい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。