久々の更新です。身の回りがバタバタとしていて落ち着かない日々をおくっていました。
加えて妻の体調が良くなくて、日々の買い物や家事などにけっこう忙しかったんです。
僕はよく本を読みます。机の上には読もうと思って本棚から出したものや図書館で借りてきた本がいつも5~6冊積まれています。これはいつでも手にとって読めるようにしておきたいからです。
読書は好きですが最近は<文学>からはなぜか離れています。
読む本の多くは<実用書>とか呼ばれるような興味・趣味・知識に関連するものばかりです。年度末でウチの子供たちも春休み中なのであまり落ち着いて読書ができない最近ですが、今日はここ2週間くらいで読んだ本の紹介をしておきます。
みなさんの中で興味のある本がこの中にあればうれしいです。(順不同です)
★ アウシュヴィッツ博物館案内(中谷 剛 著・凱風社)
世界遺産(負の遺産)アウシュヴィッツ強制収容所を同博物館唯一の日本人公式ガイドの著者が紹介している資料と写真が非常にたくさん掲載されている本です。
ナチス政権下のドイツ人が「よそ者」という理由で虫けらのように数百万人を殺したという、人類史上まれにみる狂気のさたの全貌が、このポーランドにあるオシフィエンチム(アウシュヴィッツの現地名)に残されているのを、大きな慟哭と怒りをもって勉強させてもらいました。
★ 死刑と無期懲役(坂本 敏夫 著・ちくま新書)
本当の処罰とは、人を裁くとはどういうことか?
基本的に僕は死刑制度には反対の人間です。これを前提にして読み進めました。
身の毛もよだつ凶暴・凶悪犯たちは、拘置所や刑務所の中で、どのように生き、あるいは死を待っているのでしょうか。
囚人から事件の反省を引き出し、規律と順法の精神を身につけさせようと励む刑務官が死刑執行のレバーを引くという悲しさ。 本書の内容はこのことに尽きると思いました。
刑務官も人間。裁いたのも人間。国家が殺人を犯す瞬間。その執行の模様を細かく元刑務官の著者が語っています。
★ 自分へのごほうび(住吉 美紀 著・幻冬舎)
歳だけは取っていくのに、生き方に確信が持てないまま、焦る気持ちに押しつぶされそうになる三十代になった著者。見た目ちょっと異色な感じもするNHKの人気女性アナウンサーがこの年代特有の心の揺れを巧みな文章力で打ち明けています。頭の良い女性ですがとてもフランクな人柄なので共感できる女性(男性?)も多いはずです。
★ 証言! 日本のロック’70s(難波 弘之 他 著・アルテスパブリッシング)
ロックという音楽が一番勢いづいていたのが'70年代だったと僕は思っています。
ロック先進国のイギリス、アメリカでも同じでこの年代はビッグネームの最盛期でした。
それに追いつこうと必死だった日本のロックシーン。あの激動期を当時より活躍しているミュージシャンが対話形式で思い出にふけります。いろいろな裏話には興味が尽きなく、日本語ロック対英語ロック派の対決など、いやはや面白い話をありがとう!って感じでした。
★ 食う寝る座る 永平寺修行記(野々村 馨 著・新潮社)
写真や図などない300ページの修行のレポートです。
著者は学生時代から中国、チベット、アジアに旅をし、デザイン事務所勤務を続けていた30歳の時、突然出家して曹洞宗大本山・永平寺に雲水として上山、一年間の修行生活を事細かに執筆したものです。
座禅の世界はさぞ静かで心平穏な世界なんだろう、と勝手に想像してしまう僕たちにとって、ここに書かれている先輩雲水による理不尽極まりない暴力と言葉による凄絶ないじめにはかなり驚くと思います。つまりは旧日本軍の体質となんら変わりがないようなのです。
ただしこの世界でひたすら耐えて修行するということに著者は肯定的な意味を感じているようで、あの永平寺の中でどんなことが行われているかを知りたい人にはうってつけの暴露本でもあります。僕は理不尽な暴力にはたとえ修行という名を借りた宗教活動であっても許されざるものだと考えます。すごいヘビーな世界でした。驚きました。ショックでした。
★ 図解 日本音楽史(田中 健次・著 東京堂出版)
日本音楽(邦楽)を観賞し勉強するにはこの本が絶対に欠かせません。
ほとんど唯一の貴重な書籍だと思います。
内容も、日本音楽のあらましに始まって、雅楽、声明、能楽、琵琶楽・詩吟、尺八楽、箏曲、三味線音楽、浄瑠璃、歌舞伎、近代の三味線による歌曲 民謡、楽器:その構造と用法、と日本音楽の全てを網羅しています。
分かりやすくよく整理された内容は、ともすれば分かりにくい邦楽の世界を、とても端的に説明し、知識を身につけさせてくれます。 僕にとっては大切な邦楽バイブルなのです。
★ 廃墟の歩き方 探索篇 (栗原 亨 監修・イースト・プレス)
以前ここで僕は廃墟マニアと書いたことがありました。
でもそうは言っても実際に廃墟を探検するなんてことはなかなか出来ることではないので、主に写真集や体験談、マニアの書く体験記などでその興味を満たしているのです。
実際問題として、廃墟の探検は違法行為なのです。それはケースによっては「建造物侵入」「住居不法侵入」、ガラス一枚割っても「器物破損」、中の物を持ち出せば「窃盗」、あきらかに捨ててあると思える物でも場合によっては「占有物離脱横領」、廃墟内にゴミを捨てれば「不法投棄」、火をつければ「放火」に問われるのです。
法律的に考えれば廃墟探索は問題だらけの行為だし、管理物件だとその筋のこわ~いオジサンが登場する可能性もあって・・・・・やっぱり僕などはこういう本(写真もなかなかいい)で楽しんでいるのが身の丈に合っていると思うのでした。
しかし面白い本ですよ!
★ 平成の名水 100選 (主婦の友社)
昔はよく山に登ったものでしたが、大自然の中でもっとも感動する場所が「水場」でした。
崖の脇から、うす暗い森の一画から、大きな岩の下から、こんこんと湧き出でる湧水にはいつも心躍るものがありました。
日本全国の水のある風景を100選んで美しい写真で紹介しているこの本はガイドブックなのにもかかわらず、ページをめくるたびに心が癒されていきます。日本は美しい!
★ ベートーヴェンの音符たち (池辺 晋一郎 著・音楽之友社)
クラシックの専門書なんですが、書く曲によってそのスタイルを変え、2曲として同じ音楽を書かなかったベートーヴェンの音楽の秘密を軽妙洒脱な音楽解説でも知られる日本の大作曲家池辺晋一郎が愛情深い考察で語っています。豊富な譜例で実に分かりやすくその秘密に迫っています。譜面を読めるクラシックファン向きです。
★ 図解雑学 キリスト教 (ナツメ社)
★ 面白いほどよくわかる 密教 (日本文芸社)
ナツメ社の「図解雑学」シリーズや日本文芸社の「面白いほどよくわかる」シリーズは僕にとっては宝物の書籍シリーズなんです。
図や分かりやすい表、イラストあるいは写真を使って、テーマをやさしく勉強できます。
今回は数あるシリーズの中で宗教関連のこの2冊をあげました。
キリスト教の知識を僕が必要としている理由はいくつかあるのですが、やはり一番は西洋音楽(クラシックから現代のポップスまで)の底流にあるキリスト教感や他の宗教感を勉強することが音楽を知る上で本当に必要と思えたからです。
かたや密教は、というと真言宗や天台宗などの密教系には声明などの日本音楽の基礎の基礎があるということなんです。
邦楽といわれる日本古来の音楽は例外なく密教から出た音楽の初期形態が発展したものなのです。だから密教のもつ超難解な教義の中に音楽のルーツを探し出す楽しみもあるというものなのです。
キリスト教も密教も音楽の生みの親。音楽という宇宙の始まりはこの中にあると思うのです。
加えて妻の体調が良くなくて、日々の買い物や家事などにけっこう忙しかったんです。
僕はよく本を読みます。机の上には読もうと思って本棚から出したものや図書館で借りてきた本がいつも5~6冊積まれています。これはいつでも手にとって読めるようにしておきたいからです。
読書は好きですが最近は<文学>からはなぜか離れています。
読む本の多くは<実用書>とか呼ばれるような興味・趣味・知識に関連するものばかりです。年度末でウチの子供たちも春休み中なのであまり落ち着いて読書ができない最近ですが、今日はここ2週間くらいで読んだ本の紹介をしておきます。
みなさんの中で興味のある本がこの中にあればうれしいです。(順不同です)
★ アウシュヴィッツ博物館案内(中谷 剛 著・凱風社)
世界遺産(負の遺産)アウシュヴィッツ強制収容所を同博物館唯一の日本人公式ガイドの著者が紹介している資料と写真が非常にたくさん掲載されている本です。
ナチス政権下のドイツ人が「よそ者」という理由で虫けらのように数百万人を殺したという、人類史上まれにみる狂気のさたの全貌が、このポーランドにあるオシフィエンチム(アウシュヴィッツの現地名)に残されているのを、大きな慟哭と怒りをもって勉強させてもらいました。
★ 死刑と無期懲役(坂本 敏夫 著・ちくま新書)
本当の処罰とは、人を裁くとはどういうことか?
基本的に僕は死刑制度には反対の人間です。これを前提にして読み進めました。
身の毛もよだつ凶暴・凶悪犯たちは、拘置所や刑務所の中で、どのように生き、あるいは死を待っているのでしょうか。
囚人から事件の反省を引き出し、規律と順法の精神を身につけさせようと励む刑務官が死刑執行のレバーを引くという悲しさ。 本書の内容はこのことに尽きると思いました。
刑務官も人間。裁いたのも人間。国家が殺人を犯す瞬間。その執行の模様を細かく元刑務官の著者が語っています。
★ 自分へのごほうび(住吉 美紀 著・幻冬舎)
歳だけは取っていくのに、生き方に確信が持てないまま、焦る気持ちに押しつぶされそうになる三十代になった著者。見た目ちょっと異色な感じもするNHKの人気女性アナウンサーがこの年代特有の心の揺れを巧みな文章力で打ち明けています。頭の良い女性ですがとてもフランクな人柄なので共感できる女性(男性?)も多いはずです。
★ 証言! 日本のロック’70s(難波 弘之 他 著・アルテスパブリッシング)
ロックという音楽が一番勢いづいていたのが'70年代だったと僕は思っています。
ロック先進国のイギリス、アメリカでも同じでこの年代はビッグネームの最盛期でした。
それに追いつこうと必死だった日本のロックシーン。あの激動期を当時より活躍しているミュージシャンが対話形式で思い出にふけります。いろいろな裏話には興味が尽きなく、日本語ロック対英語ロック派の対決など、いやはや面白い話をありがとう!って感じでした。
★ 食う寝る座る 永平寺修行記(野々村 馨 著・新潮社)
写真や図などない300ページの修行のレポートです。
著者は学生時代から中国、チベット、アジアに旅をし、デザイン事務所勤務を続けていた30歳の時、突然出家して曹洞宗大本山・永平寺に雲水として上山、一年間の修行生活を事細かに執筆したものです。
座禅の世界はさぞ静かで心平穏な世界なんだろう、と勝手に想像してしまう僕たちにとって、ここに書かれている先輩雲水による理不尽極まりない暴力と言葉による凄絶ないじめにはかなり驚くと思います。つまりは旧日本軍の体質となんら変わりがないようなのです。
ただしこの世界でひたすら耐えて修行するということに著者は肯定的な意味を感じているようで、あの永平寺の中でどんなことが行われているかを知りたい人にはうってつけの暴露本でもあります。僕は理不尽な暴力にはたとえ修行という名を借りた宗教活動であっても許されざるものだと考えます。すごいヘビーな世界でした。驚きました。ショックでした。
★ 図解 日本音楽史(田中 健次・著 東京堂出版)
日本音楽(邦楽)を観賞し勉強するにはこの本が絶対に欠かせません。
ほとんど唯一の貴重な書籍だと思います。
内容も、日本音楽のあらましに始まって、雅楽、声明、能楽、琵琶楽・詩吟、尺八楽、箏曲、三味線音楽、浄瑠璃、歌舞伎、近代の三味線による歌曲 民謡、楽器:その構造と用法、と日本音楽の全てを網羅しています。
分かりやすくよく整理された内容は、ともすれば分かりにくい邦楽の世界を、とても端的に説明し、知識を身につけさせてくれます。 僕にとっては大切な邦楽バイブルなのです。
★ 廃墟の歩き方 探索篇 (栗原 亨 監修・イースト・プレス)
以前ここで僕は廃墟マニアと書いたことがありました。
でもそうは言っても実際に廃墟を探検するなんてことはなかなか出来ることではないので、主に写真集や体験談、マニアの書く体験記などでその興味を満たしているのです。
実際問題として、廃墟の探検は違法行為なのです。それはケースによっては「建造物侵入」「住居不法侵入」、ガラス一枚割っても「器物破損」、中の物を持ち出せば「窃盗」、あきらかに捨ててあると思える物でも場合によっては「占有物離脱横領」、廃墟内にゴミを捨てれば「不法投棄」、火をつければ「放火」に問われるのです。
法律的に考えれば廃墟探索は問題だらけの行為だし、管理物件だとその筋のこわ~いオジサンが登場する可能性もあって・・・・・やっぱり僕などはこういう本(写真もなかなかいい)で楽しんでいるのが身の丈に合っていると思うのでした。
しかし面白い本ですよ!
★ 平成の名水 100選 (主婦の友社)
昔はよく山に登ったものでしたが、大自然の中でもっとも感動する場所が「水場」でした。
崖の脇から、うす暗い森の一画から、大きな岩の下から、こんこんと湧き出でる湧水にはいつも心躍るものがありました。
日本全国の水のある風景を100選んで美しい写真で紹介しているこの本はガイドブックなのにもかかわらず、ページをめくるたびに心が癒されていきます。日本は美しい!
★ ベートーヴェンの音符たち (池辺 晋一郎 著・音楽之友社)
クラシックの専門書なんですが、書く曲によってそのスタイルを変え、2曲として同じ音楽を書かなかったベートーヴェンの音楽の秘密を軽妙洒脱な音楽解説でも知られる日本の大作曲家池辺晋一郎が愛情深い考察で語っています。豊富な譜例で実に分かりやすくその秘密に迫っています。譜面を読めるクラシックファン向きです。
★ 図解雑学 キリスト教 (ナツメ社)
★ 面白いほどよくわかる 密教 (日本文芸社)
ナツメ社の「図解雑学」シリーズや日本文芸社の「面白いほどよくわかる」シリーズは僕にとっては宝物の書籍シリーズなんです。
図や分かりやすい表、イラストあるいは写真を使って、テーマをやさしく勉強できます。
今回は数あるシリーズの中で宗教関連のこの2冊をあげました。
キリスト教の知識を僕が必要としている理由はいくつかあるのですが、やはり一番は西洋音楽(クラシックから現代のポップスまで)の底流にあるキリスト教感や他の宗教感を勉強することが音楽を知る上で本当に必要と思えたからです。
かたや密教は、というと真言宗や天台宗などの密教系には声明などの日本音楽の基礎の基礎があるということなんです。
邦楽といわれる日本古来の音楽は例外なく密教から出た音楽の初期形態が発展したものなのです。だから密教のもつ超難解な教義の中に音楽のルーツを探し出す楽しみもあるというものなのです。
キリスト教も密教も音楽の生みの親。音楽という宇宙の始まりはこの中にあると思うのです。
面白そうな興味深い本ばっかやね!
奥さん,善くなればいいね!!!
カミさんの「元気・健康」は家族の一番の財産だと思うよ・・・!
なんとも脈絡のない本のチョイスだけど、自分の趣味・興味を思うと、これらの世界に浸るということはそれだけで価値のある娯楽だし、ホントに本の世界は安上がりに楽しめるものだなーと思うのです。