「人間って、死ぬもんなんだよね……」

私が明日、死ぬとわかったら「自分にも相手にも優しくなる」
人間は、いつ死ぬかわからないんだ…みんなに優しくしよう。

臨済録 by OSHO「第七話 不動の 全一さ」07

2013-06-01 17:24:47 | OSHOの講話



(…私の見るかぎりでは、おまえの勝利に終わるだろう)

下男は その言葉を信じることができなかった。

すると禅師が 言った。
「いいかね、私は彼の 師でもある。
彼が修業した通りに行動するのを知っている。
自分が勝つことは 百も承知だから、彼は 無心になれないーーーところが、おまえは 無心に臨むより他に 選択の余地がない。
ただ全力を つくすがいい。
おまえは どこをどう打てばいいか 知らないのだから、あたりかまわずに打て、狂ったようにやれ!」

下男は言った。
「そうおっしゃるなら、やってみます。
実際、私が 生き延びるチャンスは ないのです。
だから、
全力を上げてやるしかありません!」
時が来たのを察知して、下男は 剣の握り方を習い、引き返して 主人に戦いを挑んだ。

「さあ、来い!」


主人は 信じられなかった。

下男は足元に平伏して 泣き叫び、涙を流して「許して ください!」と言うものと 思い込んでいたのだ。
ところが 下男は、そうするどころか、獅子(ライオン)のようにほえ、その上、禅師に もらった剣を持っていた。
彼は剣に気づいて「それを どこで手に入れた?」と きいた。


下男は言った。
「おまえの 師からだ。
さあ来い、きっぱりと 決着をつけよう。
俺が 生き延びるか、おまえが生き延びるかの どちらかだ。
とにかくひとりは 消えるのだ」


主人は胸中で 小さな震えを感じたが、依然 こう考えていた。
「どうして こいつに剣が使えよう。
それには 長年の修行がいる……私は 戦場で何年も 戦ってきた。
ところが この哀れな下男ときたら……」しかし、彼は自分の剣を 抜かざるをえなかった。


下男は 本当に狂ったようになった。
どこを打てばいいか わからないまま、がむしゃらに 打ってきた……。


(つづく)

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