いっちゃんのよもやまばなし

ユートピア活動勉強会で使用した政治・経済・歴史などの書籍やネット情報、感想などを中心に紹介します。

誰も書かなかった「反日」地方紙の正体 日下 公人 編  過去の勉強会資料

2015年07月31日 19時01分34秒 | 書籍の感想とその他
刺激的な書名に著者が渡部昇一氏と日下公人氏とくれば、平積みの書籍に手を出さないではおれませんでした。読了後、よくぞ出版したものだと感じました。さすが、産経出版!全国紙は左よりの東京新聞、朝日新聞から、右よりの読売新聞、産経新聞です。琉球新報や沖縄タイムズは分かなくはないのですが、どうして地方紙が左よりなのでしょうか?



共同新聞が“社説”の原稿まで提供していたとは驚きます。一県一社体制は戦前の中央統制に併せて再編されたそうですが、それにしても手を抜きすぎです。しかし、北國新聞などごく一部の地方紙が一人保守の言論を張っていることや、保守王国と言われる愛媛新聞が朝日新聞より左よりであることに興味を惹かれます。愛媛の経済人は困った地元紙と語っているそうです。広島で仕事をした経験から、大手カーメーカーはともかく部品会社に関する慶弔や些事に亘る動向は中国新聞でないと掲載されていなかったから、よく分かります。
保守系の人間は別の目的で購読していると思います。

そもそも、新聞を何故読むのか?それぞれ理由があってしかるべきと思うが。私の場合は、一言で言えば、世の中がどう動くかを知りたいからです。複数紙をとれないのを補ってくれる存在はネット記事。視点の違う情報は世界に対する見方を刺激してくれるのは事実です。アメリカで24時間のニュースと言えば、リベラル系のCNNしかなかったのですが、今は隣のチャンネルにFOXがあるので聴き比べることができます。


以下 筆者の言葉

「わが県紙」を組上にのせてみる
『誰か「戦前」を知らないか』や『笑わぬでもなし』などで知られるコラムニストの山本夏彦氏(故人)が、かつて新聞についてこう語っていたのを興味深く読んだことがある。

「わが家では昭和になっても子供が新聞を読むことを禁じた。(中略)新聞はウソを書く、ウソでないまでも誇張して書く、好んで醜聞をあばく。大人は割引いて読むからいいが、子供は真にうけるからいけないと禁じたのである。永井荷風は自活しなければならなくなったとき新聞記者になろうか。いや私は事によったら盗賊になるかも知れない。しかし不幸にしてまだ私は正義と人道とを商品に取扱うほど悪徳に馴れていないと書いた」

「新聞はウソを書く」と言われれば、新聞記者は愉快ではないだろう。だが、私も問うてみたい。新聞はウソを書かないか?あるいはちゃんと自分で調べ、自分の頭で考えたことを書いているか?

現在、日本新聞協会加盟の新聞社は全国に百八社あるという。朝日新聞や読売新聞、毎日新聞など、ほぼ日本全国を発行地域とする新聞が「全国紙」と呼ばれ、特定の地方を対象とするものが「地方紙」と呼ばれる。
その中には北海道新聞(本社・札幌市)、河北新報(本社・仙台市)、中日新聞(本社・名古屋市)、中国新聞(本社・広島市)、西日本新聞(本社・福岡市)のように複数県にまたがる発行地域と大きな影響力を持つ「ブロック紙」、静岡新聞、新潟日報、京都新聞、神戸新聞、信濃毎日新聞などブロック紙に準ずる発行部数を有する有力紙がある。

それから、自ら新聞を発行はしないが、こうした地方紙にニュースを配信する共同通信という日本最大の通信社が存在する。地方紙の多くが共同通信から記事の配信を受けているが、掲載記事にその旨が表記されることが少ないせいで、共同通信の巨大な影響力は意外に国民に知られていない。

戦後の我々は、新聞が翼賛的な意見に流されることのマイナスを戦前の歴史に学んだことになっている。だが果たして、その視点は本当に我々のなかに根付いているか。これまで全国紙の報道や論評については相互に多少の批判はあった。国家観や歴史観をめぐる朝日新聞と産経新聞の論争などはその一例だが、それぞれが「わが県紙」として読んでいる地元の新聞が何を報じ、何を論じてきたか。それが客観的な批判の姐上にのぼせられたことはほとんどない。

「地方分権」「地方の時代」と言われ、その多様性や独自性を尊重する社会のあり方が論じられるようになって久しいが、それを論じる地方新聞自体に多様性や独自性はあるか。つまりは自分で調べ、自分の頭で考えた記事が載っているか。

本書は、主に「社説」に焦点を当てることで、地方新聞がいかに反日的・画一的で魔女狩り的な論調に染まっているか、その実態と構造を初めて本格的に明らかにしようと試みたものである。取り上げるテーマは多岐にわたるが、3月11日に発生した東日本大震災以後の報道、社説にも目配りした。本書を手にされた読者は、自分の読んでいる新聞について、自分の頭で考える材料の一つとしてほしいと思う。


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