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氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

シンポジウム 『孤独に応答する孤独』 Vol.10

2013-09-04 05:20:40 | 釜ヶ崎人情
シンポジウム 『孤独に応答する孤独』 Vol.9 からの続き



「オバマは核のない世界をつくりたいと言った。しかし、オバマは原爆を誤ることが出来ない。
多分、したいんだけど出来ない。暗殺されるからだ。
もし言えばキリスト教にも未来が出てくる。
でも出来ないからダメですね。仏教も同じ。ダメ。
震災で東北の町は壊滅しました。
石巻のあるスーパーでもたくさんの人間が死んだ。
被災後、そのスーパーで午後5時ごろを過ぎるとお化けが出てくる。幽霊。
亡くなった人が立っている。
みんな怖くて通れない。怖いけど通らなくちゃいけない。
事故も起こったりする。
誰にも言うところがないということで警察に何とかしてくれと通報した。
警察はお化けは管轄外だからどうしようも出来ないと。
いかにもお役所ですね。
中には心ある警察官がいて、個人的に何とかしようとしてくれた。
バイクにラジカセを乗せてスーパーに向かった。
そして、スーパーでお経のテープを流した。
するとお化けが出なくなった。
えらいもんですね。そのときは仏教も役に立つなと感心した。







このように仏教は古来お化け退治に使われてきたものである。
鎮魂とはそういうものなんです。
スーパーの事例はよかったですが、
死者の霊を、死者の声を鎮魂によって生きている人の都合で
黙らせるというのは本来よくないと思うんです。
宗教というのは死者の霊を黙らせるものではなく、
生き残った者が死んだ者と対話できるようなものでないといけない。
政府は津波の防壁を作ろうとしている。次ぎ来ると言われている高さの7割程度。
7割は意味がないんじゃないかと言うと予算がないと。
黙らせることすら出来ない。
予算がないならこんなものつくるより、被災している人たちに対して支援しろと言っても聞かない。
計画が出来たから出来ないと。ならその計画を止めろと言うと出来ないと言われた。
向こう10年のコンクリートの発注をかけたので、今更中止は出来ない。
公共事業の一環になってしまい、
生き残った人間、被災した人間が住みよい街つくりにしようとは考えていないみたいだ。
このようにお役所も今の宗教も同じでダメですね。」
芯の通った声で笑顔を交えて山形先生は話した。






山形孝夫(やまがたたかお)
宗教人類学者。1932年、宮城県仙台市生まれ。宮城学院女子大学名誉教授。
宗教や死別の悲しみをテーマにした講演活動を行う一方、被災地での支援活動にも参加。
著書多数





シンポジウム 『孤独に応答する孤独』 Vol.11 へ続く



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