狂言プレ in 釜ヶ崎 140113 Vol.4 からの続き
みんなへとへとになり、足がもつれてきた。
2時間近く経過した。
あまり無理をしてもいけないので、それではと各自が考えた台本を持ち出した。
事前に台本を作る話をしていても普通の人は書かないか、
または1枚程度の書き出しくらいである。
レポート用紙に7枚ほどちゃんと脚本化された台本を自ら書いてきた。
びっしり書かれている。
それも台本は3冊分ある。
びっしり書かれすぎて劇には出来ないと童子さんが言った。
「このとおりの台本をすると2、3時間の長編狂言になります。
狂言は15分か20分程度のものを3幕したいと思います。
狂言のセリフ口調はゆっくりとしゃべります。
ゆっくりと動いてゆっくりと話す。
だから、あまり長いのは適さないんです。
それと特定の人間の名前も出てこない。
太郎冠者、次郎冠者といって誰かわからないような感じにしている。
それでは一度どういうものか話してみましょう。」
そう言って5分ほど狂言の一場面を大きな声でセリフを言い出した。
部屋に声が響き、声量の大きさにびっくりする。
腹から出してるぞという声。
一同背筋を伸ばし身構える。

「狂言は単純なストーリーで面白いものがいい。
出てくる登場人物も太郎冠者とか次郎冠者とか誰かわからないような人が出てきます。
ではその台本をわかりやすく単純化するように
皆さんと一緒に相談しましょう。」
急遽、台本のセミナーに変更になる。
肩で息をするものもいたので渡りに舟というような人もいたであろう。
童子さんがみんなの様子を見ての判断である。
台本の説明を各々しだす。
「私はアル中でね。今は酒をやめているんです。
だから、狂言の中で酒を飲もうと思って台本を考えました。
飲めないのなら、せめて劇で飲もうと思って、へっへっへっ。」
愛嬌よくニコッと笑い、こちらを見る。
私もニコニコ笑う。
みんなどっと沸く。
昔、別れた愛しい恋人と劇場で会うようなものか。
憎めないかわいい70歳のおっちゃん。
だから、この狂言の会ではアルちゃんと呼んでいる。
他には酒に酔って知らない間に狂言に出演するように決められていた赤鬼さん。
いろいろな事情とエピソードを持つ人々が集う狂言。
どういうものに仕上がるか楽しみである。
今日はこれでお開きになる。
この後、火曜日から金曜日まで集中講座を受けて、金曜日の晩に舞台に立つ。
その日が楽しみである。
今日の稽古でどうなるか、ちょっと不安ですが…
狂言初舞台 Vol.1 へ続く
みんなへとへとになり、足がもつれてきた。
2時間近く経過した。
あまり無理をしてもいけないので、それではと各自が考えた台本を持ち出した。
事前に台本を作る話をしていても普通の人は書かないか、
または1枚程度の書き出しくらいである。
レポート用紙に7枚ほどちゃんと脚本化された台本を自ら書いてきた。
びっしり書かれている。
それも台本は3冊分ある。
びっしり書かれすぎて劇には出来ないと童子さんが言った。
「このとおりの台本をすると2、3時間の長編狂言になります。
狂言は15分か20分程度のものを3幕したいと思います。
狂言のセリフ口調はゆっくりとしゃべります。
ゆっくりと動いてゆっくりと話す。
だから、あまり長いのは適さないんです。
それと特定の人間の名前も出てこない。
太郎冠者、次郎冠者といって誰かわからないような感じにしている。
それでは一度どういうものか話してみましょう。」
そう言って5分ほど狂言の一場面を大きな声でセリフを言い出した。
部屋に声が響き、声量の大きさにびっくりする。
腹から出してるぞという声。
一同背筋を伸ばし身構える。

「狂言は単純なストーリーで面白いものがいい。
出てくる登場人物も太郎冠者とか次郎冠者とか誰かわからないような人が出てきます。
ではその台本をわかりやすく単純化するように
皆さんと一緒に相談しましょう。」
急遽、台本のセミナーに変更になる。
肩で息をするものもいたので渡りに舟というような人もいたであろう。
童子さんがみんなの様子を見ての判断である。
台本の説明を各々しだす。
「私はアル中でね。今は酒をやめているんです。
だから、狂言の中で酒を飲もうと思って台本を考えました。
飲めないのなら、せめて劇で飲もうと思って、へっへっへっ。」
愛嬌よくニコッと笑い、こちらを見る。
私もニコニコ笑う。
みんなどっと沸く。
昔、別れた愛しい恋人と劇場で会うようなものか。
憎めないかわいい70歳のおっちゃん。
だから、この狂言の会ではアルちゃんと呼んでいる。
他には酒に酔って知らない間に狂言に出演するように決められていた赤鬼さん。
いろいろな事情とエピソードを持つ人々が集う狂言。
どういうものに仕上がるか楽しみである。
今日はこれでお開きになる。
この後、火曜日から金曜日まで集中講座を受けて、金曜日の晩に舞台に立つ。
その日が楽しみである。
今日の稽古でどうなるか、ちょっと不安ですが…
狂言初舞台 Vol.1 へ続く