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氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

釜芸 成果発表会 Vol.2

2014-02-19 07:14:44 | 釜ヶ崎人情
釜芸 成果発表会 Vol.1 からの続き



この合唱部の舞台までには3ヶ月くらいの練習があった。
3ヶ月といっても毎日毎週ではないが
比較的頻繁に入っていた記憶がある。
その集大成ということであるが、今日飛び入りで参加する人がいるらしい。
アナウンスされた。
いやはや釜芸らしい。
やりたいと言うほうも言うほうだが、許すほうも許すほうだ。
すべてゆるく包んでしまう豊かさがある。
曲目は埴生の宿、花は咲く、アメイジング・グレース。


埴生の宿


埴生の宿も わが宿
玉の装い 羨まじ
のどかなりや 春の空
花はあるじ 鳥は友

おお わが宿よ
楽しとも たのもしや

書(ふみ)読む窓も わが窓
瑠璃の床も 羨まじ
清らかなりや 秋の夜半(よわ)
月はあるじ 虫は友

おお わが窓よ
楽しとも たのもしや









花は咲く


真っ白な 雪道に 春風香る
わたしは なつかしい
あの街を 思い出す

叶えたい 夢もあった
変わりたい 自分もいた
今はただ なつかしい
あの人を 思い出す

誰かの歌が聞こえる
誰かを励ましてる
誰かの笑顔が見える
悲しみの向こう側に

花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう

夜空の 向こうの 朝の気配に
わたしは なつかしい
あの日々を 思い出す

傷ついて 傷つけて
報われず 泣いたりして
今はただ 愛おしい
あの人を 思い出す

誰かの想いが見える
誰かと結ばれてる
誰かの未来が見える
悲しみの向こう側に

花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう

花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう

花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
いつか恋する君のために


”花は咲く”を聞いてジーンときて、
泣きそうになる。
彼らと仲良くなり、ここでは書けない人生の話を伺ったことを思い出し心揺れる。
いつか假奈代さんが言っていた。
「芝居みたいな人生やね。」
本当に芝居みたいな人生である。
涙を流して、立ち上がり、そしてまた矢が尽きて倒れる。
倒れてもまた立ち上がる。
心穏やかになってほしいと思うよりほかない。
巷にあるきつい話が軽く感じてしまう。
なりたいと決して思わないが、心から敬意を表する。
歌を歌いながら、彼らは自分の人生と照らしあわせ何を思うのだろうか。




釜芸 成果発表会 Vol.3 へ続く




釜芸 成果発表会 Vol.1

2014-02-18 06:50:19 | 釜ヶ崎人情
レンガ路地を描いてから荷物を持って駐車場に戻る。
戻る道でも不思議そうな顔をしている。
急いで通りを歩いていると横道から車椅子が飛び出してくる。
危うくのところひょいとよける。
ちょっと違和感を感じる・・・
車椅子に乗っている人の顔が白黒である。
そうパンダの着ぐるみをかぶっている、顔だけ。
テレビの収録か、何かのプレイかと勘ぐってみたが、
車椅子を押している兄ちゃんはどう見ても介護の兄ちゃん。
何でもありの釜ヶ崎。
どんなものでも受け入れます。
そういう場所だから許されるのであるが、それでもなかなかの衝撃である。
ここはかかわりを持たず、何事もなかったように過ぎていくことにした。
車に戻ってズボンを履きかえる。そして、ジャケットを着る。
ネクタイを整える。
今日はみんなの晴れの舞台。
それなりの礼を尽くして発表会に立ち会いたい。
普段着のままでもいいのではあるが、
私なりに盛り上げたいという気持ちを表現するためにもちょっと格好をつける。
ネクタイを整える。ネクタイ?
ん?と考える。
ネクタイとシャツは来るまで着替えるのが面倒なので家から着て出発した。
さすがにズボンに絵の具がつくと大変なので普段の汚いズボンを着る。
だから、ネクタイとシャツを着て、汚いズボンを履いて、
絵の道具を持って通りを歩いたり、路地で絵を描いたりしていた。
それはおかしい格好だと思う。
パンダほどではないがジロジロ見るのも仕方がない。
絵の道具も片付けて山王集会場に向う。
到着するとMさんが入り口近くで座っている。
時間は2時半。ちょっと遅れた感じである。
挨拶を交わしてから隣の席に座る。
Mさんが持っているプログラムを見せてもらい、どこまで進んだか聞いてみる。
するともう音楽は終わって音楽の授業での模様をインタビューしている。
早く始まったのかなと思っていたら、詳しく聞くと2時始まりである。
また時間を間違えたようだ。
ちょっと悔しい思いをしながら次のプログラムを待つ。
次のプログラムは狂言の舞台の模様の上映会。
狂言の舞台は後日書くことにするのでここでは割愛させていただく。
上映会の後は合唱部の発表会。
大人の遠足で琵琶湖まで一緒に行ったissaさん哲学の会にも来ているギャンさんなど
たくさんの知り合いが舞台に立っている。









釜芸 成果発表会 Vol.2 へ続く














レンガ路地 140216

2014-02-17 06:49:10 | 釜ヶ崎人情
レンガ路地 140112 Vol.2 からの続き




2月16日は釜芸の成果発表会の日。
ダンスや音楽、詩の朗読など舞台の上で繰り広げられる。
大変楽しみにしていたのでこの日の午後からの予定はすべてキャンセルにして、
晴れの舞台を見に行く。
絵画の発表はその場で飾られるだけで行こうが行くまいがあまり変わりはないのであるが、
私自身、写真、天文学、表現など積極的に参加していたので
仲間が出るという意識が強い。
それならばその仲間の舞台を見ないわけにはいかない。
その時間の前にちょっと時間が出来た。
開始は2時半だったか。
釜ヶ崎に到着したのは1時すぎ。
1時半から描き始めても40分は描ける。
毎日頻繁に釜ヶ崎に行ける訳でもないので
隙間を縫って、絵を描くというのは当然至極のことである。
ここでのテーマは平面のデッサンと物質の質感、そして路地の歴史と匂いを出すこと。
斜めから見た抵抗感というものがも一つわかっていない。
それと接近して物を描くのでどうしても細密描写になってしまう。
細密になりながらも面をとることをしたいと思う。
空き家になっている場所を陣取って描き始める。
すぐ隣が生活している家が立ち並ぶのでちょっと邪魔者のような気持ちになる。
それでも描きたいという衝動を抑えていたら
表現したいものを表現できなくなるような気がしてドンと構えることにしている。
道行く人にはとりあえず挨拶していく。
今日は声をかけてくれる人はまったくいなかった。
文句を言う人もいなかったので幸いなことである。
通り過ぎる人は私を見ながら何か怪訝な顔をしている。
そういえばこの場所に来る途中、キャンパスや絵の道具、パレットを持って歩いていると
すれ違う人が不思議な顔をしていたことを思い出す。
何かあるのか?
そうこうしていると絵の講座に参加してくださった日洋会のMさんから電話がかかる。
ちょっと遅れるけど発表会に行きますとのこと。
もう二時過ぎ。ここで筆を置くことにする。







まだまだ斜めからの平面が出ていない。
中途半端であるが、時間もないので車に置いて発表会に向うことにした。




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成果発表会

2014-02-13 07:13:23 | 釜ヶ崎人情
私も2回講師をつとめさせていただいた釜芸の成果発表会が
2月16日日曜日に行われます。
釜のおっちゃんのパワーを体感されたい方はぜひお越しください。


釜ヶ崎芸術大学第二期 成果発表会

大阪市西成区の釜ヶ崎と呼ばれる地域で、9月より50数回の授業を重ねている、2年目の釜ヶ崎芸術大学。日本の近代を支えてきたこのまちでもういちど始めた「大学」に、たくさんの人が集い、学びあいました。お笑い・音楽・絵画・ガムラン・感情・狂言・芸術・詩・書道・写真・地理・哲学・天文学・表現の14教科に合唱部・ダンス部も加わって、様々なことに挑戦した釜ヶ崎芸術大学第二期、その成果発表会です。

日 時| 2014年2月16日(日) 14:00~17:10
会 場| 山王集会所(大阪府大阪市西成区山王2丁目10-24)
地下鉄動物園前駅から徒歩7分。2番出口を出て、右手の動物園前商店街にを進む。アーケードが途切れ左手のフェンスをすぎてすぐを左折。次の通りに出たら右斜め前にあります。
対 象| どなたも(これまでに釜ヶ崎芸術大学に参加していない方もぜひ)
参加費| 無料・カンパ歓迎
講師ゲスト| 尾久土正己/天文学、中西ちさと/ダンス、野村誠/音楽、山本則幸/合唱、上田假奈代/詩、飛び入り:砂連尾理(ダンサー)

■ タイムスケジュール(予定) ■

14:00〜  はじめに 釜芸をふりかえる
14:15〜 【音楽】釜芸オーケストラの演奏
14:35〜 【狂言】釜ヶ崎狂言会の公演映像上映
15:10〜 【合唱部】埴生の宿など
15:30〜  休憩
15:45〜 【ダンス部】朝起きて
16:05〜 【写真】スライドショー 釜芸ガムランの音とともに
16:15〜 【詩】釜芸詩人たちの朗読
16:40〜  みんなで話す 釜芸どうだった?
17:10   終了予定

■ 展示 ■

書道・絵画の授業でつくられた作品、授業の資料、スタッフの記録ノートなど

= お申し込み =

インフォショップ・カフェ ココルーム
メール|info@cocoroom.org
電 話|06-6636-1612
※申し込みなしでも参加可能です

主催|NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)
協力|NPO法人釜ヶ崎支援機構、大阪市立大学都市研究プラザ、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)、喜望の家、太子会館老人憩の家、西成市民館
助成|公益財団法人福武財団、LUSHチャリティバンク、大阪大学未来共生イノベーター博士課程プログラム





飛田界隈 140211

2014-02-12 07:09:28 | 釜ヶ崎人情
前回 飛田界隈 Vol.2 からの続き




ずいぶん時間が経ったが、久々に飛田で絵を描くことにする。
時間帯は前回と違う。
前回は昼の2時から4時。
今回は朝11時半から12時半。
1時間だけ時間が空いたので詰め込んで描くことにした。
今日は実際の色に近いもので描いていく。
陣取る場所はまたまたクーラーの室外機の下。
道路を挟んで向こう側の板塀とタイルを描く。









写真は片付けの途中の写真。兵どもの夢のあと。
飛田の横なのでどことなく似合う言葉である。
道路1本向こうが飛田。
描いている場所からお店が見える。
12時前であるがピンク色のネオンが光っている。
もう店が開いているか早ええなと思いながら、
イーゼルを立てたり、絵の具を出したりする。
道行く人は何もなかったように通り過ぎる。
気にはなるようであるが。
店を出てきてすぐのところで人とかかわるのは
難しい気もする。
幸い店を出て来た人を目撃したという生々しいことはなかったので
それはよかった。
同じ男としてなんというかマナーみたいなものである。
惻隠の情というやつか。
20分経つと「おっやっとるな」と声をかける。
こんにちはと応える。
今日もまずまず。とりあえず街は受け入れてくれたようだ。
飛田と反対側のとおりのふぐ屋のお上さんが
店の仕度で外に出て来た。
ちょっと迷惑そうな感じ。
ということは五分五分か。
次回はふぐ屋のお上さんに愛想よくせんとな。
その後、絵を見に来る人は遠目で見るだけで話しかけることはない。
場所柄仕方ないことかと思いながら
1時間経って筆を置く。










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