但馬屋 Vol.2 からの続き
「いや、いいんです。」
もうちょっとしたら、落ちつくからいろいろと絵に参加できると笑顔で言う。
このおっちゃんのくちゃくちゃした顔はなかなか味があって、
親しみがわく。
「兄ちゃん、ええとこ描いているな。
こういうとこは絵になるな。
でも、それももうちょっとかも知れん。
ここら辺再開発の話があってな、建て替えさせられるかもしれへんど。
5年くらいめどにや。」
「それじゃ、今のうちにドンドン描いて、残しとかなあきませんね。」
「そや、残しとき。でも、きれいに更地にしたらこの街でなくなるな。」
そう言ってデッサン会には来ると約束して去っていった。

ボールペン画 水彩紙 八つ切
行政の側から見ると、釜ヶ崎に住んでいない人の側からすると、
街がきれいになっていくことはすごくいいことなんだと思うかもしれない。
そうすることによって人の出入りがしやすくなって、経済活動もしやすいと。
しかし、ここに住んでいる人達はどうなるのだろうか?
役所や警察などの行政の人たちがいうのであるが、
生活保護を受けて、きれいになったマンションに住めばいいのではないか。
それはそれで理屈は通る。
しかし、それからはみ出たもの、新たにはみ出たもの、はみ出されたものは
どこに行けばいいのだろうか?
酒を飲んで管をまくことが出来る場所をひとつくらい残してもいいのではないかと思う。
きれいなマンションになって、一人誰とも交流することなく、
生きることが人間らしい生き方なのだろうか。
私はそう思う。
そろそろ絵も終盤になってきた。
そうすると若いいかつい兄ちゃんが2人こっちに向ってきた。
一人はモヒカンみたいなヘアースタイルである。
なんだろうと思いながら、「こんちわ」と挨拶する。
但馬屋 Vol.4 へ続く
「いや、いいんです。」
もうちょっとしたら、落ちつくからいろいろと絵に参加できると笑顔で言う。
このおっちゃんのくちゃくちゃした顔はなかなか味があって、
親しみがわく。
「兄ちゃん、ええとこ描いているな。
こういうとこは絵になるな。
でも、それももうちょっとかも知れん。
ここら辺再開発の話があってな、建て替えさせられるかもしれへんど。
5年くらいめどにや。」
「それじゃ、今のうちにドンドン描いて、残しとかなあきませんね。」
「そや、残しとき。でも、きれいに更地にしたらこの街でなくなるな。」
そう言ってデッサン会には来ると約束して去っていった。

ボールペン画 水彩紙 八つ切
行政の側から見ると、釜ヶ崎に住んでいない人の側からすると、
街がきれいになっていくことはすごくいいことなんだと思うかもしれない。
そうすることによって人の出入りがしやすくなって、経済活動もしやすいと。
しかし、ここに住んでいる人達はどうなるのだろうか?
役所や警察などの行政の人たちがいうのであるが、
生活保護を受けて、きれいになったマンションに住めばいいのではないか。
それはそれで理屈は通る。
しかし、それからはみ出たもの、新たにはみ出たもの、はみ出されたものは
どこに行けばいいのだろうか?
酒を飲んで管をまくことが出来る場所をひとつくらい残してもいいのではないかと思う。
きれいなマンションになって、一人誰とも交流することなく、
生きることが人間らしい生き方なのだろうか。
私はそう思う。
そろそろ絵も終盤になってきた。
そうすると若いいかつい兄ちゃんが2人こっちに向ってきた。
一人はモヒカンみたいなヘアースタイルである。
なんだろうと思いながら、「こんちわ」と挨拶する。
但馬屋 Vol.4 へ続く