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氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

釜展

2014-08-13 06:31:54 | 氷流日記
今日から釜展が始まる。
作品を積んで釜ヶ崎まで運びます。
結構たくさんの人が協力していただくことになり、
みんな発表する場が欲しいのだと知り、
うれしくなった次第です。
あいにく、このところ更新できていませんがこれからちょくちょく再開する予定です。







上の作品を釜展に出品します。
イベントしては今日、哲学の会があり、明日は表現の会があります。

おもろいと思いますのでぜひ、西成市民館まで足を運んでください。






それと朝日新聞が主催する関西スクエアの6ページ目に釜展の記事が載っています。
暇つぶしに見てください。

星の王子様 Vol.7

2014-07-18 05:08:44 | 氷流日記
星の王子様 Vol.6 からの続き




その話を聞いて西川さんが話し出す。
「お二人は星の王子様にクリスマスプレゼントという美しい思い出があるんですね。
星の王子様の作者、サン=テグジュペリのことをちょっと話しましょう。
サン=テグジュペリはフランスで生まれ、小説でそこそこ成功を収めていました。
『夜間飛行』という本とか書いてね。
戦争を終わらせようとアメリカに参戦してもらおうとアメリカに亡命して訴えに行った。
亡命したアメリカで出版会社と会って話すうちに出版会社の人が面白いものを見つける。
サン=テグジュペリにポケットの中に入っているものは何ですかと尋ねる。
メモ紙がたくさん入っていた。
そこにはイラストが描かれている。
サン=テグジュペリは絵が好きでたくさんスケッチをしていたみたいである。
この絵がいいと出版会社の人が気に入り、
その絵を主人公にして本を書いてほしいと依頼された。
その主人公というのが星の王子様である。
星の王子様にでてくるイラスト全部、サン=テグジュペリが描いたイラストです。
本人が描いたものです。
本人が描いたイラストが星の王子様に掲載されている。
ウワバミの絵も模写してみると面白いことがわかる。
象の頭や目があるのがわかる。
ちゃんとその形に沿って絵を描いているということがわかるんですね。
一度描いてみてください。」
と言って私のほうを見てニコリと笑う。
笑い返すだけで何も言えない。
ちょっと恥ずかしくなる。
それと西川さんがそこまでこの本に入り込んでいることがわかる。




アマゾンさんの作品



「星の王子様は元々クリスマスプレゼント用に書いてほしいと出版社が依頼して書いたものです。
くしくも2人はクリスマスプレゼントに送った。
やっぱりそうさせるものがあるんですね。
美しい思い出と共にあるとか。
でも。よく読むとクリスマスプレゼントにするような生ぬるい内容のものではないんですね。
さっと流して読むと軽い感じで終わってしまうけれども、
何度も読み返しているとその内容に怖くなってくる。」
そしてまたにっこり笑う。



星の王子様 Vol.8 へ続く







星の王子様 Vol.6

2014-07-14 06:53:08 | 氷流日記
星の王子様 Vol.5 からの続き




20分×6回のデッサン会が終わり、ほっと一息つく。
いいデッサン会になったのではないかと安心する。
午後からは今日のデッサン会の様子と星の王子様についての座談会である。
形式は哲学の会と同じ方法である。
「飯、行きましょか?本宮さん。」
西川さんに誘われるままに千成屋といううどん屋さんに入っていく。
そこで西川さんと同じおにぎりとかすうどんを注文する。
その店はなかなか丁寧に仕事をしている。
どんぶりを一度温めてからうどんを盛り付けたりとひと手間かけてくれる。





メルちゃんの作品




満腹になったところで座談会に備えて、イスを円座にする。
あらかじめ読んでみて印象に残ったのは、
ウワバミの絵をおとなたちが一様にぼうしだ、ぼうしだと否定し、心が傷つくシーン。
絵心がわかってもらえないのはつらいことである。
今は絵心が個性や技術に置き換わっている。
点燈夫の星の話も印象に残っている。
命令されて忠実に点燈を燈(とも)したり、消したりしている。
私の工場での仕事に重ね合わせ、思い入れがある。
みんな食事が終わり、集まった。
ギャンさんが口火を切る。
23歳のときに5歳年下の彼女にクリスマスプレゼントして贈ったとのこと。
美しい思い出である。
絵本を彼女に贈るとは詩人というかおしゃれである。
その話を聞いたnozomiさんが、
「私も17、18歳くらいのときに彼氏に送ったことがあります。」
それもクリスマスプレゼント。
星の王子様という本はクリスマスプレゼントしたくなるようなものがあるのかもしれない。




星の王子様 Vol.7 へ続く







星の王子様 Vol.5

2014-07-13 06:10:44 | 氷流日記
星の王子様 Vol.4 からの続き




ミナさんは日洋会に出品している実力派。
色画用紙の上に木炭で描写し、白のコンテで明るいところをおこす。
ちょっと白が飛び出て過ぎるところがあるが、
逆光の位置なのでそれも仕方ない。





ミナさんの作品




メルちゃんは自由で描いている。
個性を出そうとして描いているわけでもないけれども
メルちゃんワールドができている。
メルちゃんの個性の漏れ方は個性個性とお題目のように行っている人たちとは大きく違うように感じる。
個性個性と言っている人たち個性は一代限りの個体としての個性ではないかと思う。
メルちゃんは遠いご先祖様から吐露して出てきたものではないかと考えさせられる。
それはどこから来るかというと絵から懐かしいという印象を受けるからである。
人類共通といえば大げさかもしれないが、
どこかで繋がっているんじゃないかという気持ちにさせる。
そういうものはとても大事でそういうものを描いている絵描きは本当に少ない。
プロの画家で言えば全滅に近い。
技術で測るか、他とは違うびっくりさせるようなものを見せるか、銭で測るか
それくらいしかない。
それはテクニックがあるか、刺激があるかのセックスと一緒で
本来の生殖としての次の世代に託していくものがない。
性としてのセックスではなく、食としてのセックスに明日は無い。
性のセックスとは自分と相手だけの関係性のセックスではなく、
子供やまだ見ぬ孫、ひ孫も含めたセックスである。
種の保存、それが性のセックスだと思う。
(ただし、食のセックスを否定しているわけではない。)
絵も同じで描いている内容を伝えていくことが重要であって、
描くための技術や構図、色彩は手段であり、
48手の技法書となんら変わりはないと思う。
何度も書くが快楽主義を否定しているわけではなく、
快楽主義的なことに命を懸けて、本質的なものと捉えて
ストイックに修行していることがばかげていると言っているわけである。




星の王子様 Vol.6 へ続く






星の王子様 Vol.4

2014-07-12 08:10:42 | 氷流日記
星の王子様 Vol.3 からの続き




西川さんはバックを青く塗っている。
以前、模写をする機会があった。
みんなで模写をしよう!という企画。
ギャンさんはルオーと中村つね。
YUさんはジャコメッティー。
私はレーピン。
西川さんは画集の中からルドンを選んだ。
そのときもバックが青色の絵であった。
青という色は彼にとって特別な色ではないかと思う。
いろいろな思考の中心においているのは風というキーワードみたいである。
以前にも自分は風に吹かれながら歩いているというような言葉を言っていた。
その風には青が似合うと感じていると思う。
ただ絵の具の青は冷たすぎて心を冷やしてしまう。
そのところをアドバイスしたかったのであるが、
彼にとって大事にしている青の色をけなすようなので
あえてそこには触れずに肌の色のアドバイスをする。
黄色と赤を混ぜてそこにちょっと青を入れる。
そうするとグレーがかって自然な肌の色になっていく。
黄色と赤色だけの肌の色ではどぎつすぎて血が流れない。
頬骨は赤みを強く、目頭は緑がかっているので青みを強く。
そういうアドバイスで肌の色を作ってはいかがと勧めてみた。





西川さんの作品




髪も黒く塗っていた。ちょっと青みの強い。
「西川さん、髪の毛の色に赤みを入れましょう。
そうすると絵全体に温かみが出てくるのでやわらかい雰囲気が出てきますよ。」
さすがと言えばさすがである。
大阪大学の哲学の教授がどこの馬の骨かわからない男の絵の会に参加し、
そのアドバイスを素直に聞き入れる。
そういうことをする男だとわかってはいたが、
そう思って哲学の分野の師匠として慕ってはいたが、
目の前で、みんな一緒の中でそれをしているところを見ると
さすがと言うよりほかない。
私もそうありたいと思う。




星の王子様 Vol.5 へ続く