第1回 釜展 Vol.1 からの続き
展示方法は決まっている。
壁に掛けたり、貼り付けたりすることが出来ないのでテーブルの上に置く形になる。
(前回の記事の写真のとおりである)
初めはどれだけ集まるのか心配であったが、
yuさんととうふさんがどんと作品を持ってきてくれたので安心する。
一人で個展でもしようかというような勢いである。
心配をよそに当日、みんな作品を持ってくる。
お菊さんは3点、ユキコさんは猫の絵を、タケさんは抽象画とかわいがっているハゼさんの2点を
持ってきてくれた。
前日までにココルームさんやアースさんなどに預けた作品はもっと多い。
パールさんが写真を、メルちゃんはコラージュ本、山王センターの子供たちのたくさんの作品も展示できた。
場所がなくなってあふれるくらいである。
楽描の会には参加していないが、いつもイーゼルやカルトンを無料で貸していただいているオサムさんにも
出品依頼をして、私が持ってきた。
ギャンさんも負けじと10数点持ってくる。
みんな作品を出す場に飢えていたのであろう。
みんなの熱意からやってよかったと始まる前から大成功の気分になった。
とうふさんの作品
とうふさんの作品はダンボールにポスターカラーかアクリルで街の風景を描いたものである。
気に入った場所を釜ヶ崎で見つけ、そこでビール片手に絵を描いている。
描いている横では借金取りが逃げたおっちゃんを捕まえて、怒鳴っていたり、
興味を持ったおっちゃんが声を掛けてきたりと、
私が描いているときとまったく同じである。
そういう雰囲気を楽しみながらビールを飲んでいる。
絵の具とビールを入れたクーラーボックスは釜ヶ崎美術館ととうふさんは呼んでいる。
どこでも美術館というわけである。
とうふさんの作品
彼の性格上、絵の勉強をして構図などを研究することはないが、
もし勉強して描いたとすればもっといい作品が生れるに違いない。
自由に何でも好きなように描いたらいいんですよと言いながら、
構図はシンメトリーに秩序を構成し、動きが止まっているのが残念である。
でも今の彼にそれを言うのは気の毒で、
ダメ出しをしているようにとられるので今は言えない。
最近、絵を始めたらしいのでこれからである。
第1回 釜展 Vol.3 へ続く