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氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

第1回 釜展 Vol.4

2014-08-26 07:10:37 | 氷流日記
第1回 釜展 Vol.3 からの続き



その山王こどもセンターの子供たちの絵









暑中見舞い申し上げます。
暑中見舞いである。
釜展に出品したあと、実際に暑中見舞いとして使われる。
とても素敵なことである。
人も絵も使われてナンボ。
作品もそうである。
描いて売れてよかったわでは見えてこない世界がある。
シャバである。
そういや誰かが言ってたな
「釜ヶ崎に行って、おっちゃんと仲良くなって、
しがらみにならないか?」
言うとおり結びつきが強くなると身動きがとれなくなる。
でも、人間関係無しに絵を描くだけでは利用したことになる。
そのバランスはとても難しい。
アマゾンさんはうまくやっているような感じがする。
ギャンさんも言っていた、
「彼には骨がある。芯がある。」
私やギャンさんのような浮き草のようなところがないのが
素晴らしい。




ココルームのお姫様の絵 小木海ちゃん




彼は西田哲学という難しい難しいものを研究している。
俺にはさっぱりわからない。
私が西田哲学について言っていることも
ちんぷんかんぷんなことみたいである。
彼と付き合うとギャンさんやYUさとは違ういろんな発見があり、
面白い。
そして、ほとんど怒らないのが有難い。
西洋文学のように初めは基礎つくりでちょっと退屈そうに見えるかもしれないが、
ちゃんとラストは面白く持ってきてくれる。
そういう面白さをわかってくれる人が釜ヶ崎にはたくさんいる。
そして、集まってくる。




第1回 釜展 Vol.5 へ続く










第1回 釜展 Vol.3

2014-08-21 07:18:15 | 氷流日記
第1回 釜展 Vol.2 からの続き







ミナさんの絵。
彼女と私は日洋会と堺美術協会に一緒に所属している。
仲がよく、釜ヶ崎の人たちの気持ちがわかる人なので
楽描の会にお誘いしている。
彼女は自然保全活動もしているのでそのことを絵にしようとしているみたいだ。
前日まで筆を入れてくれたみたいで有り難いと思う。
それだけこの展覧会に力を入れているというわけである。
ミナさんの技法は色を薄く薄く何度も重ねていくものである。
私と真逆のやり方である。
これを言うと彼女は嫌がるかも知れないが白日会に近い技法で描いている。









アマゾンさんは楽描の会でやっている3色技法を用いている。
シアン、マゼンダ、イエローの3色。
透明水彩絵の具でとお願いしているが、
彼が使っている絵の具は不透明。
透明絵の具を使えばもっともっと奥行きが出る。
色も深くなる。
多分、透明・不透明の意識なく手ごろ感のある不透明絵の具を買ったのであろう。
買えば使い切らないともったいないので使っているという感じであろうか。
使い終わると透明水彩に切り替えるようにすすめたいと思うが、
もともと彼の描く絵のスタイルや思想・心情などは不透明水彩が適している。
そうではあるが透明水彩の技法をある程度マスターしてから不透明も使うというスタイルになれば
鬼に金棒。







自信を持ってドンドンすすめることが出来ると思う。
人は何かに制限されることによって大きく飛躍する。
何でも自由に選んでもいいとか、たまたま買ったからその出会いを大切にしたいだとか、
それだけではなかなか飛躍しにくいものがある。
制限や出会いから何を抽出するかが大切だと思う。
彼の活動はすばらしく、もっといい題材がごろごろ転がっている。









彼は山王こどもセンターで子供たちに無料で勉強を教えている。
すごい。
その子供たちを描けば深いものが出てくるに違いない。



第1回 釜展 Vol.4 へ続く










第1回 釜展 Vol.2

2014-08-20 05:03:45 | 氷流日記
第1回 釜展 Vol.1 からの続き



展示方法は決まっている。
壁に掛けたり、貼り付けたりすることが出来ないのでテーブルの上に置く形になる。
(前回の記事の写真のとおりである)
初めはどれだけ集まるのか心配であったが、
yuさんととうふさんがどんと作品を持ってきてくれたので安心する。
一人で個展でもしようかというような勢いである。
心配をよそに当日、みんな作品を持ってくる。
お菊さんは3点、ユキコさんは猫の絵を、タケさんは抽象画とかわいがっているハゼさんの2点を
持ってきてくれた。
前日までにココルームさんやアースさんなどに預けた作品はもっと多い。
パールさんが写真を、メルちゃんはコラージュ本、山王センターの子供たちのたくさんの作品も展示できた。
場所がなくなってあふれるくらいである。
楽描の会には参加していないが、いつもイーゼルやカルトンを無料で貸していただいているオサムさんにも
出品依頼をして、私が持ってきた。
ギャンさんも負けじと10数点持ってくる。
みんな作品を出す場に飢えていたのであろう。
みんなの熱意からやってよかったと始まる前から大成功の気分になった。





とうふさんの作品



とうふさんの作品はダンボールにポスターカラーかアクリルで街の風景を描いたものである。
気に入った場所を釜ヶ崎で見つけ、そこでビール片手に絵を描いている。
描いている横では借金取りが逃げたおっちゃんを捕まえて、怒鳴っていたり、
興味を持ったおっちゃんが声を掛けてきたりと、
私が描いているときとまったく同じである。
そういう雰囲気を楽しみながらビールを飲んでいる。
絵の具とビールを入れたクーラーボックスは釜ヶ崎美術館ととうふさんは呼んでいる。
どこでも美術館というわけである。




とうふさんの作品



彼の性格上、絵の勉強をして構図などを研究することはないが、
もし勉強して描いたとすればもっといい作品が生れるに違いない。
自由に何でも好きなように描いたらいいんですよと言いながら、
構図はシンメトリーに秩序を構成し、動きが止まっているのが残念である。
でも今の彼にそれを言うのは気の毒で、
ダメ出しをしているようにとられるので今は言えない。
最近、絵を始めたらしいのでこれからである。



第1回 釜展 Vol.3 へ続く









第1回 釜展 Vol.1

2014-08-14 07:33:53 | 氷流日記
2014年8月13日、記念すべき釜展開催。
ギャンさんの言葉である。
とても有難く、いただいている。

昨日の朝はどれくらい作品が集まるのかとても不安であった。
スカスカでもいいかと半ば開き直っていた。
大体が口約束で当日の朝、持ってきて展示するというのがベースなので
ドタキャンをされると作品数はグッと減る。
9時に西成市民館に到着し、段取りを始める。
私が預かった作品、YUさんが預かった預かった作品、ギャンさんが預かった作品をあわせていくと
思わぬ誤算でたくさんの作品が集まった。
基本この会の展覧会は受け取り拒否の態度は取らない。
挙動不審でもお金がなくても出品はOKである。
出品料もカンパ制である。
今回の展示方法は壁に吊り下げることが出来ないので、(壁を傷つけることが出来ない)
机を並べて上向きに展示していく。
苦肉の策であるがそれも悪くは無い。
ただ年配の方には楽な姿勢で鑑賞することが出来ないのが申し訳ないことだと思う。
それにしてもよくこれだけ作品が集まったものだと思う。








時間がないので中途半端に今日は終えます。
では西成に行ってまいります。




第1回 釜展 Vol.2 へ続く