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氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

クロッキー会 Vol.1

2014-05-08 06:52:48 | 氷流日記
4月29日、雨。
激しい風の中の雨。
横から来るような雨の中で集まった。
場所は阿倍野ハルカスに隣接する陸橋の上。
こんな雨の中でも集まった人がいた。
この人たちは本当に絵から愛されている人たちだ。
ちょっと早く着いたのでクロッキー帳を取り出して
3Bの鉛筆でクロッキーをする。
街行く人、待ち合わせをしている人、携帯をいじっている人をクロッキーした。
ギャンさんが来た、YUさんも来た。
総勢6名。
この雨でよく集まったものである。
ここの会はお金がないのでなるべくお金がかからないように考えている。
普通のクロッキー会はモデルを呼んで、
裸婦クロッキーをする。
いろんなトリッキーなポーズをとって
それを描いていく。
骨、筋肉を意識して。
ダイナミックに動きのあるクロッキーを目的とする。
その中で自分ありの線、面白い線を見つけていく。
この楽描の会ではそんなことはしない。
筋肉、骨などはただの説明であって、
本当に描かなくてはいけないのは
描かれる人たちの姿、形である。





 「アマゾンさんのクロッキー 線を切る意識をして描いている
 ぎこちないが初めてにしては小気味いい。
 この線につながりが出てくればいい作品ができるのは間違いなさそうである」



待っている人なら恋人を待っているのかとか、
それがさびしそうなのか、うれしそうなのか。
また赤ちゃんをあやしている母親の母性の美しさを描くとか。
そういうものを描いてほしいとみんなに伝える。
もちろん、技術的なことも話す。
鉛筆の持ち方から、手首は動かさず大きく絵を描くとか、
服のシワを気にせず潔く描くこと。
そうすることによってその人物なり、人間性なりがでてくる。
骨や筋肉を意識することはその次の話である。





 「お菊さんのクロッキー
 クロッキーというよりもでっさに近いもの
 店の雰囲気が出ていて
 そばを注文したくなる
 そう思わせることがとても大切である。」



クロッキー会 Vol.2 へ続く








ずぶとく Vol.5

2014-05-03 07:00:39 | 氷流日記
ずぶとく Vol.4 からの続き





リオさんは大阪市の水道業務を委託されて仕事をしている。
場所はそう西成。
釜ヶ崎にも行く。
誰も行きたがらないので白羽(?)の矢が立ったわけである。
カメラのたくさんある家の水道メーターを調べていると
ぞろぞろと若い衆が出てきて、
何をしているのかたずねてくる。
上品な表現とはちょっと違うけど。
水道メーターの検針ですと答えると
ご苦労さんですと家の中に引き上げる。
飛田の中にも入っていく。
そこにランドセルを背負って歩く普通に学校に通う小学生がいることを
私とリオさんで話していると回りの人達は目を白黒させる。
でも、どんな人にも子供はいるし、
子供がいれば小学校にも通わせる。
住む場所がそこにあれば、その場所から小学校に通うことになる。
そうやって子供たちは芯の通った図太い人間になっていくのだろうか。





水彩 各10分 半切




「氷さん。とうすいって知ってます?」
と唐突にリオさんから言われた。
とうすい?トウスイ?
何だろうと考えていると、
「水を盗むんです。盗水です。」
「えっ!今の時代に?
電気ならわかるけど水を?」
「今でも実際にあるし、そういう話を聞きました。
どういう方法でやっているかとか
どこでやっているかとか
そういうことは言えないけれども
今でも水を盗む人がいるんです。」
「でも、そういうことがよく発覚しましたね。」
「ええ、それはいろいろ方法があってわかるんです。
これも言えません。」
言えないことだらけである。
場所は西成のどこかなのか大阪市内のどこかなのかわからない。
わからないが今もそういうことがあるということは本当のことのようだとわかる。
水道工事をして、水を盗むなんて
本当にずぶとい人間がいるもんである。
世の中まだまだ広い。
俺俺詐欺でだまされるものもいれば、
インターネットの世界で生きるか死ぬかのしのぎを削っている人もいる。
楽描の会で肺気腫になりながら
命を燃やそうとしている人もいる。
そして、水を盗む人もいる。
世の中は本当に広く、面白い。






ずぶとく Vol.4

2014-05-01 18:09:21 | 氷流日記
ずぶとく Vol.3 からの続き




森之宮美術研究所に行き、イーゼルを立ててみんなで用意をする。
今日のモデルはnozomiさんである。
まだあったことがないのでどういう方か楽しみである。
みんな配置について用意が終了し、開始10分前にモデルさんが到着する。
少し表情が硬い。
時間ぎりぎりに到着したからか。
1時の開始まで脱衣室にほとんど入ったままで
時間が来ると申し訳なさそうに猫背で来た。
猫背が悪いとは言わないが元気がないというか
自信がなさそうである。
大丈夫かなとこちらも心配になる。
モデルさんが自己紹介し、
「初めてなのでうまくいくかわからないですけど、
がんばります。」
とペコリと頭を下げる。
ああそうか、初めてなのか。
聞けば着衣のモデルは今までやったことあるが、
ヌードは今日がはじめて。
そりゃあ緊張するわな。
はじめてっと言われたのと
緊張感がビンビン伝わってくるので
何かこちらのテンションも上がってきた。
別に処女キラーとかそういう類のものではなく、
きれいなモデルさんが来て、美しいポーズ、ダイナミックなフォルムを見せられたとて
ああそうですかとただの練習だけになる。
しかし、モデルさんの人となりや感情がわかると
俄然、描かねばと気合が入る。
変態と言われれば、はいそうですと答える以外にない。
テンション上がりっぱなしで20分6回の固定デッサンが終わった。





油彩 20分×6 F10




まずまずの出来ではないかと思う。
モデルさんに描き手みんなの作品を見ていただいて
お礼を言って別れた。
デッサン会が終わるといつものメンバーでロイヤルホストでお茶をする。
そこで釜ヶ崎の話が出てくる。
私以外にも釜ヶ崎に関係する人がいるからである。




ずぶとく Vol.5 へ続く








ずぶとく Vol.3

2014-04-30 07:06:43 | 氷流日記
ずぶとく Vol.2 からの続き



ミサが終了した後、外に出て待ち合わせの人と会う。
ギャンさんとYUさん。
おうと手を上げながら挨拶する。
お茶しましょうかと近くの喫茶店に足を運ぶ。
そこは食パンがついたモーニングで300円。
パンをかじりながらコーヒーを飲んで4月29日と5月5日の楽描の会の打ち合わせをする。
5月5日は天王寺公園で朝から写生会。
9時半に公園前に集合する。
この日はたくさんの人が集まる感じである。
午前中に描き終えて午後からはこれまた楽しい会がある。
表現の会。
釜芸ではまった講座である。
講師の岩橋さんと仲良くなり、
では一緒にやりましょうとコラボしたのである。
いつもの表現の会のメンバーに加え、新しい人が加わる。
哲学の会のヒロさんにも声をかけたし、日洋会のミナさんにも声をかけた。
今からどうなるかワクワクしている。
なんといってもうれしいのはその会でクロッキーをしてもいいと許可をいただいたことである。
みんなの発言を聞きながらその様子をクロッキーする。
どういうものが出て来るかとても楽しみである。
でもよく考えるとクロッキーの企画はいいが、
クロッキーをしたことがない人が結構いる。
これではせっかくの企画も寂しいことになりそうなので
急遽、4月29日にクロッキー会をすることになった。
その打ち合わせで3人が集まる。





水彩 各5分 半切




クロッキー会をするといっても場所を借りて、ヌードモデルを描くのが一番いいのであるが、
そうするお金もないので天王寺駅で待ち行く人を描くことにした。
1時に集合して、3時ころにお茶をする。
お茶をした後、もう一度クロッキーをする。
そこまで打ち合わせをしてギャンさんがビラを作成、
YUさんはクロッキー帳に押すハンコを作ることになった。
はじめての人もいるのでクロッキー帳はプレゼントすることにした。
そこにハンコを押して楽描の会のPRもしよという狙いである。
11時半まで楽しく話をし、その時間になると
「今日はデッサン会に顔を出すので、
すいませんが今日はこれくらいでと。」
そう言って店をでた。
この時間から車で森之宮まで行って、駐車場に停めてなど考えると
時間がない。
だから、油絵の道具一式を持って環状線に乗って森之宮に行くことにした。
駅で待っている仲間と挨拶をして森之宮美術研究所に向う。
向う途中、自分も酔狂だなと考える。
釜ヶ崎に行って、教会のミサに出て、
釜ヶ崎の年の離れた友人とお茶をし、
午後からはデッサン会に参加する。
ずぶといと言わないまでも馬鹿だと思う。
すべて銭金になる行動でもないし、自分でも何をしようとしているのか、
どこに行こうとしているのかまったくわからない。




ずぶとく Vol.4 へ続く







ずぶとく Vol.2

2014-04-29 10:54:20 | 氷流日記
ずぶとく Vol.1 からの続き





千の風になって


私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

私のお墓の前で 泣かないでください
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そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

千の風に
千の風になって
あの 大きな空を
吹きわたっています

あの 大きな空を
吹きわたっています





水彩 各10分 半切



とてもすがすがしい気持ちになった。
歌い終わるころにはぶどうジュースが用意された。

食べることを拒否してもいい。
食べるふりをしてポイッと捨てる人がいるけれど
それだけはやめてほしい。
拒否してもまったく失礼にはなりませんと
みんなに断りを入れてからパンとぶどうジュースを配っていく。
パンは韓国料理のチヂミのような食感である。
決しておいしいとは言えないが
ここに参加してきた以上食べて帰る。
いただく人はみんなアーメンと言う。
私はキリスト教徒じゃないので
有難うございますと言って受け取る。
とりあえずそうしたいのでそうしている。




ずぶとく Vol.3 へ続く