安倍文殊院 Vol.2 からの続き
まず、入場券を買って院内に入る。
「ギャンさん、ごめんね。
こういうお金はおごるとアカンおもてね。
ギャンさん、お金ないけど、
文殊様見に行って自腹切らなかった嘘になるでしょ。」
「ええよ。ええよ。
こういうのは自分のお金でないといけないから
氷さんの言うとおり。」
ニコリと笑い、自分の入場券を払う。
メルちゃんも同じように。
東さんを訪ねると大きな声で「よう来たな」
と笑顔での出迎え。
3人の自己紹介を終えて、文殊様のところまで案内していただく。
我々3人含め、館内にいる人たちに文殊様や善財童子などの説明をしていただく。
ここの文殊様は大きな獅子の上に乗っている。
獅子が乗っている場所は雲らしい。
そこから階段を下りると下界。
地上である。
雲の上を渡っているので
渡海文殊
と言われている。
作は鎌倉の快慶。神々しいまでのやさしさである。
何度も火事に見舞われたが文殊様は現在までそのお姿は変わりない。
去年に国宝になったらしい。
頑張って描きなさいと励ましをいただき、有難いなあと3人とも文殊様に手を合わせる。
8つ切サイズの水彩紙に絵を描く。
鉛筆と色鉛筆、汚れて迷惑のかかる画材は用意しなかった。
三者三様で描き始める。
形、フォルム、存在感どれをとっても難しい。
難しいがまったくと言ってもいいくらい苦しくない。
こんな経験ははじめてである。
ギャンさんやメルちゃんにも聞いてみる。
彼らもぜんぜん苦しくないらしい。
絵が天然系の爆発をしているメルちゃん。
今まで感情の趣くまま描いていると思っていた。
しかし、ずっと苦しくて苦しくて描くことがしんどかったそうである。
今日はそれがない。はじめての経験である。
ギャンさんも、私も、メルちゃんもはじめての経験である。
1時間半、ずっと描き続ける。
私は色をつけることは出来なくなった。
そういうものは必要ないと感じた。
それに反してギャンさんはカラフル。
「どんどん色がつけれる。
はあ、すごいわ。ホント有難いことやわ。
こんなことはもうありえないんとちゃうか。
去年、国宝になったやろ。
もうすぐ人気でてこんなこと出来んようになる。」
するとメルちゃんも
「こんな経験はじめて、どんどん描ける。
こんなに安らかに絵を描いたのはじめて。
朝早いし、絵描くの苦しいから行くの億劫やったけど、
楽描の会やったら行こかなとおもて来ました。
来てよかった、ホンマ有難う。」
とニコニコ笑っている。
絵は半分以上モデルで決まる。
技術なんてものはちっちゃいことである。
伝えるべきものを我々3人にビンビン届けている。
我々は何も考えずにただ描くだけでいい。

メルちゃんの文殊様
安倍文殊院 Vol.4 へ続く
まず、入場券を買って院内に入る。
「ギャンさん、ごめんね。
こういうお金はおごるとアカンおもてね。
ギャンさん、お金ないけど、
文殊様見に行って自腹切らなかった嘘になるでしょ。」
「ええよ。ええよ。
こういうのは自分のお金でないといけないから
氷さんの言うとおり。」
ニコリと笑い、自分の入場券を払う。
メルちゃんも同じように。
東さんを訪ねると大きな声で「よう来たな」
と笑顔での出迎え。
3人の自己紹介を終えて、文殊様のところまで案内していただく。
我々3人含め、館内にいる人たちに文殊様や善財童子などの説明をしていただく。
ここの文殊様は大きな獅子の上に乗っている。
獅子が乗っている場所は雲らしい。
そこから階段を下りると下界。
地上である。
雲の上を渡っているので
渡海文殊
と言われている。
作は鎌倉の快慶。神々しいまでのやさしさである。
何度も火事に見舞われたが文殊様は現在までそのお姿は変わりない。
去年に国宝になったらしい。
頑張って描きなさいと励ましをいただき、有難いなあと3人とも文殊様に手を合わせる。
8つ切サイズの水彩紙に絵を描く。
鉛筆と色鉛筆、汚れて迷惑のかかる画材は用意しなかった。
三者三様で描き始める。
形、フォルム、存在感どれをとっても難しい。
難しいがまったくと言ってもいいくらい苦しくない。
こんな経験ははじめてである。
ギャンさんやメルちゃんにも聞いてみる。
彼らもぜんぜん苦しくないらしい。
絵が天然系の爆発をしているメルちゃん。
今まで感情の趣くまま描いていると思っていた。
しかし、ずっと苦しくて苦しくて描くことがしんどかったそうである。
今日はそれがない。はじめての経験である。
ギャンさんも、私も、メルちゃんもはじめての経験である。
1時間半、ずっと描き続ける。
私は色をつけることは出来なくなった。
そういうものは必要ないと感じた。
それに反してギャンさんはカラフル。
「どんどん色がつけれる。
はあ、すごいわ。ホント有難いことやわ。
こんなことはもうありえないんとちゃうか。
去年、国宝になったやろ。
もうすぐ人気でてこんなこと出来んようになる。」
するとメルちゃんも
「こんな経験はじめて、どんどん描ける。
こんなに安らかに絵を描いたのはじめて。
朝早いし、絵描くの苦しいから行くの億劫やったけど、
楽描の会やったら行こかなとおもて来ました。
来てよかった、ホンマ有難う。」
とニコニコ笑っている。
絵は半分以上モデルで決まる。
技術なんてものはちっちゃいことである。
伝えるべきものを我々3人にビンビン届けている。
我々は何も考えずにただ描くだけでいい。

メルちゃんの文殊様
安倍文殊院 Vol.4 へ続く