天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

松島

2019-11-02 17:03:49 | 日記
 瀬古利彦とオリンピック・マラソンはよくよく相性が悪い。伸び盛りの現役時代に金メダルが期待された1980年のモスクワ・オリンピックでは、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して米国などと連携して日本政府がボイコットしたあおりで出場が叶わなかった。ほぼピークで迎えた米ロス五輪では体調異変で失速、その4年後のソウル五輪でもメダルには遠く及ばなかった。
 それから数十年の時を経て、今度は指導者として五輪代表一発選考のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の総指揮を執って臨んだけれど、綿密に上位進出戦略を練った東京コースがいきなり札幌に変更され、日本代表の前に暗雲が分厚く漂ってきた。「瀬古さんとオリンピック」と掛けて「台風後の千葉の電気」と解く。その心は「ついてない」、では困ったことである。
 つかなくて良いのが首里城の火である。こんな国宝級の世界遺産がなぜ、初期消火活動によってボヤで済ませることが出来なかったのか、疑問である。不審火であろうがなかろうが、不審極まりない。沖縄に行けばまず大概の人が拝礼する象徴の建物がなぜあんなに呆気なく全焼してしまわなければならなかったのか、施設管理責任者、防火消火責任者への不信は怒りを伴って広がる一方である。午前2時40分といわれる異常検知から、知事以下県政幹部と防火消防責任者の対応を時系列的に公表すべきである。また、防火、鎮火設備と運用者の設置・配備状況と稼働状況を詳細に公開すべきである。
 つい最近、米国では銃撃戦の現場に突入せずに尻込みしていたことがバレた警察官が罷免追放くらいで済まず、逮捕されたというニュースがあった。炎が舞い上がり危険だからといって拱手傍観していたとしたら同罪であろう。知事がいち早く首里城の復元を政府に要請したということだけれども、その前に原因究明と再発防止が完全でなければ、また同じ轍を踏むことになりかねない。通常の建築基準法に準拠した防火設備しか持たない一般民家群でないのだから、丸半日近くも燃え続けるのに手をつけられず、燃え切ってしまったというのは、単なる公的財産でなく貴重な文化財を管理運営する立場として、納税者に分かりやすい説明を為す必要がある。知事以下が陣頭指揮を執って火災を極小に抑える行動が為されたことが示されなければ、政府はめくら判で財政を投入するのは躊躇うべきである。
 首里とは逆の仙台・松島に元職場の引退者仲間で行ってきた。打ち上げでは、次回は沖縄再訪よりも台湾に行こうかという話になっていたけれど、首里城大惨事を受けて、やはり沖縄のお見舞いにすべきだろうと話し合っているところである。
 松島湾クルージングがメイン・イベントであった。千賀浦に点在する島々を櫂を掻いて経巡る遊覧船からの景観は、石川五右衛門が南禅寺の山門から眺めた古都の風景以上に「絶景かな、絶景かな」であった。ただ、目の保養になるだけでなく、牡蠣の養殖の筏が林立するのを見て、生活の香りもかぐことができた。古来、感動が大き過ぎると、言葉がリフレインされてしまうようで、芭蕉偽作として有名な「松島や ああ松島や・・・」に因んで、一句ずつ詠み合おうということになった。しかし、句を見せ合った結果、みんなの目に夏井いつきさんの顔が浮かんで、伏せておくことになった。

島々を 囲ふ千賀浦 かき筏
波に洗はれ 眼を癒すかな











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