この度の上洛は惟喬親王をしのぶ旅にした。大鏡が語られる雲林院傍の亀に蛇が巻き付く玄武神社から洛北雲ヶ畑の惟喬神社をお参りした。さらに夜泣峠にも足を延ばした。藤に巻き付かれると木(紀)が枯れるように、文徳天皇の第一皇子でありながら皇位に就けなかった惟喬親王は、水無瀬の離宮での桜の宴よりも、秋の紅葉が似合う。雪を踏み分けお会いする小野の里では侘しすぎる。志明院、惟喬神社辺りの紅葉はまだで、高雄もまだ早かったが、岩戸落葉神社の大銀杏は大ぶりな姿といい、降り敷く錦の耀きといい、親王の風情とぴったりだった。
黄葉に
敷き詰めらるる
古き世の
みこが偲ばゆ
夢かとも思ひ
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