天愛元年

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ
新元号『天愛』元年にスタート

阿漕

2022-03-05 16:04:37 | 日記

 断捨離整理をしていたら落窪物語の田辺聖子版『おちくぼ姫』が出てきて、タイトルをひらがなで書くと自分の境涯のように思えて、パラパラ目を通した。まともに読むつもりはなかったけれど、準ヒロインに阿漕(あこぎ)と呼ぶ若い女性が出てきて、これがアコギな奴の語源になるのか思って、先を急いだ。しかし最後までヒロインの落窪姫を助ける、律儀で賢くスマートな、八千草薫のイメージで終わった。結局、阿漕が何なのか分からず終いだった。本も古文でなく手軽な田辺版だったので、調べも安直にネットでした。すると、阿漕は人名でなく、三重県津市の阿漕ヶ浦という地名から来ていて、むかしそこで欲の張った漁師が密漁して海を荒らしていたことに由来するそうである。
 阿漕の語源にアメリカ説もある。むかし、親米クウェート領を占領したイラクを懲らしめるため、米国主体の多国籍軍が湾岸戦争を起こした。バブル経済の余韻のあった日本は平和憲法上、出兵せずに巨額の財政支援で米国に味方した。しかし、マッチョな国際気風の中で、銭で片を付けるのかと、米国から全く感謝されなかった。我ら平民は、高い税金から首相の顔を立てるために130億ドルも拠出した挙句に、役立たずと罵倒されて、お前らはバカかと政府批判したものである。今度そんな機会がまた来たら、核でも何でもぶっ放してやるという気概だった。
 そこへ、2001年9月にニューヨークの高層ビルが航空機突撃による爆発炎上崩壊という同時多発テロ事件が起きた。さっそく米国はテロ犯の根城のアフガニスタンに征伐に赴いた。同盟国の英国なども参戦したが、日本がまたもたついていると、米側から「show the flag!」と旭日旗を立てて出兵するよう督促された。資金援助だけでは役立たずと言われる前回の轍を踏まないため、慌てて法整備をして勇躍、自衛艦をインド洋の荒波を超えて出動させた。
 なのに、西側に加盟する意思を示しているウクライナの首都がロシアの侵攻軍に包囲され、総攻撃前夜にあるというのに、米国は声援と資金援助と武器供与だけで、旗は巻いたままではダブル・スタンダードと言えよう。阿漕な話である。ショー・ザ・フラッグと関ヶ原の戦いで豊臣恩顧の大名に与力するよう恫喝した徳川家康のような武勇はどこに消えたのか。そんなチェンバレン外交ではウクライナ制圧後には、大ロシア主義のプーチンは、安く譲渡したアラスカの返還を求めて東部軍を進駐させるのではないか。ミッドウエー海戦のタイミングは迫っている。