私的メモ(他人は見るべからず)

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学校経営とは、教育というサービスを提供すること

2005年07月20日 | Weblog
           
    profileimages   学校経営とは、教育というサービスを提供すること。
どれだけ上質なサービスが提供できるかが、
私たちが標榜する学校運営のカタチです

小出 叡(こいで さとし)氏

昭和10年生まれ。
昭和12年12月生まれ
昭和36年3月同志社大学経済学部経済学科卒業
昭和36年4月公認会計士事務所入所
昭和46年4月学校法人田中育英会経理課長に就任。以後、同会理事や東京工学院専門学校校長などを歴任
平成9年4月学校法人田中育英会副理事長に就任

   
             
     
 

「まず学生ありき」で物事を考える。

 本校は東京工学院専門学校、東京エアトラベル・ホテル専門学校を併せて32学科86コースを誇る総合学園です。学科・コースの内容は時代の変遷と共に形を変えてきました。こうした流れの中、「総合学園 東京工学院」という呼称では括ることのできない学科・コース内容となってきました。例えば東京工学院専門学校では、社会科学系の学科や保育・スポーツ系の学科も開講しています。そこで本年度から、より実際の教育内容に沿うよう「総合学園 テクノスカレッジ」と呼称を変更しました。このような、今までのカタチに縛られないフレキシブルな姿勢が本校の特色のひとつと言えるかもしれません。そうした中で重要視していることのひとつに、学生の要望への対応があげられます。
 前述の学科・コースの変更も、社会動向を見据えた部分もありますが、一番のポイントは学生の「学びたい」内容を何よりも重視しているということ。つまり、どんな場合においても「まず学生ありき」で物事を考えるようにしています。例えば、退学者問題。どんな学校であれ、必ず何名かの退学者は出てしまいます。仕方のないことと言ってしまえばそれまでですが、一度頑張ろうと決めたのに志し半ばであきらめてしまっては、学生にとって決して幸福なことではない。そこで本校では、退学したいという学生に対しては、じっくりと話し合いの機会を持ち、その理由をきちんと確認するようにしています。しっかりと話を聞いてあげれば、学生なりの意見があるのですね。つまり退学の原因は、学生だけにあるとは限らないという姿勢で臨んでいます。成果といえば語弊がありますが、しかしこうした対応を心がけたことで、結果として授業の質の向上につながった例も少なくありません。会話を参考に指導法を変え、それによって学生の成績が上がることも現実にありましたから。また、入学後に自分の適性と学科内容のマッチングに悩む学生もいます。こうした場合、教職員との話し合いによって転科することも認めています。大切なのは、教職員と学生の間の信頼関係なんですね。だから教員にも「教えている」という姿勢で授業には臨まないようにお願いしています。学校というものは、学生がいて初めて成り立つのですから。私は学校経営とは、学生に対して「教育」というサービスを提供することだと考えています。学生たちは決して安くはない授業料を支払って「学びたいことを学びに来ている」のです。もちろん「教える側」と「教わる側」という関係が崩れるような過剰なサービスは有り得ませんが、これまでの「師弟関係」の概念は拭い去るべきではないかと思っています。

可能な限り学生に還元していきたい。

photo  学生のために何がしてあげられるかを常に考え、そのときに最良と思われるものを提供する。なぜならばそれは授業料を支払う対価として、学生が得られる当然の権利だと、私自身は思っているからです。 例えば4年制の学科では、選抜形式での海外研修を、オックスフォード大学ペンブロークカレッジでおこなっています。ペンブロークは1624年に設立された、オックスフォード大学の39カレッジのひとつです。単に語学教室で学ぶだけでなく、きちんと授業を受け、最後はオックスフォード大学の学生や関係者しか入れないグレートホールで、学長も交えて格調高いハイテーブルディナーに参加するのです。語学や国際性が身につくことはもちろんですが、それ以上に、通常では体験できないような、非常に得難い体験ができるのです。こうした考え方は、この海外研修だけでなく、教育内容や環境整備などあらゆる部分にも貫かれています。入学者から預かった授業料を、授業内容や施設設備を充実させることできちんと学生に還元すれば、学生の満足度も上がるし、学生自身のスキルもアップする。そうすれば就職というカタチで結果にも反映するし、学生も高い満足度をもって卒業していく。それがひいては将来の入学希望者にも反映する。こうした好循環を構築することが私たちの目標とも言えます。
 その他にも、学生に無記名式のアンケートをおこない、学内で改善すべき箇所があれば考えるようにしています。先日は学生食堂のメニューに対して不満が多かったので、食堂の運営そのものを変えました。このように、教育内容から施設設備に至るまで、「学生に対してどのようなサービスを提供できるのか」を常に考え、改善に向けて実行へと移していくのが学園長である、私の責任だと思うのです。

少子化の時代に対応した設備投資を。

 こうした日々の努力により、当学園は、ある程度順調に成長していると思います。しかし、だからと言って全く課題がないわけではありません。私自身が最も課題視しているのが、やはり絶対的な学生数の低下、そして少子化問題です。『大学全入』の時代において、学生を確保することは本校でも重要な問題としてとらえています。そうした中で、本校がアピールできる点のひとつが施設設備の充実度。かつてのように黙っていても学生が集まってくるような時代ではありませんから、設備投資にも慎重な判断が必要です。しかし、専門学校に求められるのは即戦力の育成ですから、実学のための設備投資は欠かせないと考えています。こうした課題に対しては、単に器を増やすということではなく、コンピュータを活用することで事足りることは、コンピュータを使う。つまりバーチャルなシステムを導入するということです。必要なモノは何でも揃えるという発想ではなく、しっかりと吟味したうえで、無駄を省くと同時に必要なところには資金も労力も費やすというスタンスが大事なのです。実際、実践力を養ううえで、極めて効果的な学外でのインターンシップに関してはより一層の充実を図っていこうと思います。学生を受け入れて下さる企業を開拓する作業は、学校にとって労力も根気もいることです。しかし、学生の将来を考えると、欠かせない活動なのですね。
 また、近年学内に新しい芽が育ってきました。これは、複数の学科を有する本学だからこそできることなのですが、所属学科が異なる学生たちがそれぞれの専門知識と技術を持ち寄って新しいモノを創り上げようという試みが始まっています。ここでは教員が手取り足取り指導するのではなく、ある程度学生に任せていますが、想像以上に素晴らしい成果を上げています。その好例として、学内の連絡システムの構築に対する提案というものがあります。この活動について私が素晴らしく感じることは、学生が自ら問題意識を持ち、それを自らの力で解決しようと思っていることです。これからもこのような活動に対しては全学を挙げてバックアップしていきたいと思っています。

高い満足度をもって卒業してもらうために。

photo  最近では多くの専門学校が4年制コースを設置し、卒業時には大学卒の資格も取得できるような学科を数多く設置しています。大学で学べるような知識を身につけることも確かに重要ですが、専門学校の本質的な役割は、企業における「実行部隊」の育成にあるはずです。もちろん企業において管理の側に入る学生もいるでしょうが、多くの学生には実際の「技術力、実務能力」が求められるでしょう。本校でも大卒コースを設置してはいますが、そうした専門学校に求められる本質的な役割は忘れてはいけないと思います。ただ、これまでのようにひとつの技術のみに秀でるのではなく、幅広い技術を身につけていること、協調性を身につけていることなども、カリキュラムを通して学んでもらいたいと思っています。
 また本校は学生数3000名を越える大規模校ではありますが、学生一人ひとりのニーズに応えていくことこそが重要だと考えています。専門学校であることで、レベル的にも様々な学生が集まっています。国家資格を狙おうという学生もいれば、2年間である程度の知識を身につけて就職ができればいいと考えている学生もいる。目標の高さは学生一人ひとり違いますし、それはそれでいいと思っています。重要なことは、それぞれの希望を可能な限り満たすこと。それこそが私たちに求められていることなのです。こうしたきめ細かな対応をした結果、昨年度は国家資格である2級建築士に受験者34名中32名が合格するといった高い成果を残すことができました。これも一人ひとりの学生に対し丁寧に、指導をした賜物だと思っています。
 学生にとって何よりも大切なことは、充実した学生生活を送り、自信と誇りを身につけて巣立っていってもらうことです。前述のペンブロークカレッジでの海外研修にしても、それで飛躍的に語学がアップするわけではないでしょう。しかしそこで得た学びや、オックスフォードの学長と時間を共にした貴重な体験は、将来必ず何ならかのカタチで活きてくるでしょう。「テクノスで学んで良かった」と思ってもらえるようなカリキュラムや設備、そして学生の将来に活きるサービスをこれからも提供していきたいですね。

 
 

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