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●レディースルームシェア運営、行政書士
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小説 【半グレ銀行マンの野望】 19

2024-06-09 16:47:16 | 政治

【所詮は色と欲だ】

立夫と聡子は新幹線で大阪に向かっていた

午前中は姫路支店長で午後は大阪の住友エステートの社長だ どちらも職責は重いと言えるが それぞれ部下に任せており 稟議に上がってくる決裁書類に目を通し承認するだけだが それはそれで裏決済もあり、緊張を強いられた。

住友エステートの業務は 【不動産開発並びに売買、その有効活用、金融業務全般 】と登記簿の定款に記載されているが 具体的なことになると 曖昧だ 実際には競売物件の転売がメインであり しかも名義貸しがその実態で 俗に言う、トンネル会社だ。

本部の部長はそういう表向きのこととは別に裏の話をした

「立夫君、君も既に知ってのように 銀行は競売で落札した物件を常時たくさん持っているんだ。それを買い取る傘下の会社がいくつもあるんだよ。それらは全てネットワークを組んでいて 流れ作業のように進んでいくんだ・・が、それでは銀行の儲けは限られているので 定期路線をやめて トンネル会社をつくり 間に介在させるんだよ そしてその利ザヤを稼ぐ、これがエステートの仕事だ」

判りやすく言うと不動産転がしであると説明した

部長は 立夫を夜のクラブや料亭に誘い出して 何度も吹き込んだのは 裏金を作るノウハウだった

「これは 私の一存じゃないんだよ 海堂常務の特命なんだ 反主流派に対抗するために 資金が要るんだよ 君だっていずれ親父さんのあとを継ぐんだから 資金を用意しとかないとな・・」

で その具体的なことは と、部長の説明は詳細なものだった。 この方法なら 脱税に検挙されないという自信も披露したが 確かに万全のように思えた。

「判りました!部長 私にすべてを任してください ご満足のいく 軍資金をねん出して御覧に入れますよ」

「そうか!さすがに常務が見込んだ息子さんだ!期待してるよ」

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そんなやりとりをしたのが20日前

今ではその錬金術も堂に入り 慣れたものになっていた

競売で落札した物件の買取り業者から頻繁にメッセージがくるが 駆け引きなどはめったになく 金額の提示をしてくるのでそれに対応するだけだ

立夫は新聞見ながらノートパソコンを開き買値の2割から3割増しを提示するが 拒否されたことはない。 まさにボロ儲けだ エステートに入る手数料はそのうち 数パーセントと取り決めされていた。

少ないようだが数をこなしているので 取引開始から 一か月近くになるが 相当額を稼いでいるのである。

「聡子 見ろよこんなに稼いだぜ・・部長から感謝のメッセージも届いているよ」

「すごいね・・あなたは何もしないのに・・」

「おいおい してるじゃないかよ・・キー叩いてさ・・」

「しかし世の中 金だな・・金さえあれば思うがままだ 海堂なんて見ろよ30億も持ってるんだぜ・・

元はというと 文無し男がさ・・女たらしこんで 海堂の家を乗っ取りだ・・そして こんな裏金でもって儲けやがったのさ」

「それってアンタ自身のことでしょ?」

聡子はクスクスと笑った 

「聡子、おれはな お前を秘書にしてから ますます うまく回りだしたよ お前は福の神だよ・・」

とか何とか云いながら  聡子の ミニスカの下へ手を伸ばし ソコをまさぐり 顔を引き寄せキスをした

「や、やめてよ・・他の乗客がいるのよ・・」

「かまやしないさ・・金をもっともっと稼いで お前をしあわせにしてやるつもりだ」

「そ、それはうれしいけど・・や、やめてよ・・ほんとに・・」

「立ってきたぞ・・チンポがさ・・」

「いやらしいわね・・何を言うのよ 」

と 言いつつ 聡子は 股を広げてまさぐるままにしているのだ・・

聡子は そんな立夫がこの上なく愛おしいのだ・・色と欲に壮大な野望を持つ 立夫が眩しかった。

つづく

コメント
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