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●レディースルームシェア運営、行政書士
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小説 【半グレ銀行マンの野望】 13

2024-06-05 16:32:18 | 政治

西園寺 聡子

立夫の家からは 加西市役所は車で5分だ その近くにバス停がありそこが聡子との逢瀬の場所だった

白いブラウスに黒いスカートの地味な服装だが 背の高い際立つ美人だ・・スタイルも昔と変わらない

こちらに気が付いたのか ニッコリとほほ笑む

車を横付けしたら ありがとうと一言だけ言って乗り込む そのあとは無言だ 行先は云わずとも知れたラブホ

これが 5年間繰り返してきた俺たちの行事なのだ

「聡子、今から行くところはラブホじゃないんだ お前の家だ」

「えっ?」

「家に誰かいるのか?」

「お母さんだけよ それが? 」

助手席の聡子が怪訝そうな表情を向けた

「いいか、よく聞けよ 今から俺たちは同棲するんだ お前は家を出るんだよ 身の回りの服装とかを持ち出すんだ・・

母親にわからないようにな・・」

「その気になってくれたのね! 嬉しいです 言ってくれるのをずっと待ってたんです!」

「待っててね・・すぐに戻ってくるわ」

聡子は飛び出した

聡子は西園寺の姓を持つ 代々の由緒ある名家だったが先々代が商売に失敗し この田舎迄落ち延びてきたわけでだ

平家のあばら家で お世辞にも住まいと言えたものではない 親父は小学校の教員しているというが 借金でもあるのか、建て替えができない ほど貧窮しているのが窺えた・・

「どこにいくんだい! 聡子!」

母親の声を尻目にボストンバッグを引きずるようにして出てきた

それをトランクに放り込んだら 発進だ

母親が何か叫んでいたが 無視だ

「いいのかい?」

「うん 大丈夫よ 私もう限界に来てたのよ 毎日のよう嫁にいけと責められて 居所がなかったのよ」

「わかった!あとでさ 電話一本ぐらいしとけよ なにも親子の絶縁するわけじゃなし・・」

「そうね・・それよりあたし なんかドキドキしてきた・・本当に一緒に住めるなんて夢のよう・・」

28歳の聡子とは 長い付き合いだ

聡子が14歳の中学2年 立夫が高校3年のときに 勉強見てやるという口実で自宅に連れ込んで姦淫したことが発覚し交際は厳禁となったことで以来 長い間中断していたが 5年前に彼女がお城の女王に 選出されたことを知り 立夫からコンタクトを取り一気に昔に戻り情交が再燃したワケだ

もうあなたなしではもう考えられない・・

と言われ 立夫も結婚を決断し

 聡子の親に挨拶に行くと 

「おまえ 娘を手込めにしてよく来れたもんだな」

「あのことで聡子は傷モノになり嫁に行けなくなったんだ お前みたいなロクデナシには絶対にやらん・・」

ケンもほろろで 叩き出される始末だった

「わかったよ クソ男を義父に持つなんてこちらからお断りだよ!」

俺は頭にきて売り言葉に買い言葉・・

それから再び疎遠になったが 連絡は絶やさず、一か月に一度ぐらい会っていた。

その間 同棲してよと何度もせがまれたが・・黙殺し続けてきた立夫。

それというのも 銀行での出世も覚束なかったし それに金もなかったのも手伝いズルズルと今になってしまったのだ

喜びを隠せない聡子だったが 突然思いがけない言葉を口にした

「私 司法書士に合格したのよ・・」

走らせていた車を停車させ 聞きなおした

「それは本当かい? 受けるとは聞いていたが・・合格したのは去年か?」

「何度も言おうとしたけど それがどうかしたのかい?と言われそうで・・」(笑)

「あほ!なにをいうんだい そんなこと言うワケねーだろが そもそも俺が試験受けろと言いだしたもんだぜ」」

(大した女だ・・才色兼備とはこのことだ)

立夫は思わず聡子の顔にかぶさり唇を奪った 舌を差し入れると 聡子も絡ませてきた・・

「俺はお前が好きだ 今ほど愛おしく思ったことはないぜ」

「嬉しいっーーた、立夫さん!」

聡子は身を震わせ 泪を浮かばせた・・

つづく

 

 

 

 

 

 

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