兎月庵日記

五句三十一音詩は名称を変えつつ時代の波をくぐり抜けてきた。衰退と復活、上記視点から五七五七七の未来図を航行しています。

ほしいもの

2024-06-13 21:44:20 | 日記

朝食後、洗濯物を干す。仕事が遅いから約一時間かかる。『狂歌東乃春』の翻刻に従事する。ふと湧いてきた案がある。『草食獣曳杖篇』の表紙に一本亭芙蓉花の自筆画を掲載するのである。以前に古本誌で見かけたことがあるが、買えない額ではなかった。「宗匠の玉の画賛を床にかけて」という詞書で秋山桂花という人が詠っている。

・石にもかけて祝わんみがかぬも粒にいりぬる玉のはつ春

試筆(書き初め)である。初句四音が気になるが、〈みかいたらみかいたたけにひかるなり性根たまてもなにの玉ても〉を床に飾って一首なのだ。私は石だ。玉ではない。しかし、その石にも粒にすぎないが原石も混じっているだろう。「玉のはつ春」、玉のように美しい初春を私も祝うのだ。

 

真鍋廣済編『未完近世上方狂歌集成』より図版17頁。目玉おやじの迫力です。



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