本来の目的を忘れない

私はその昔商品を企画する部隊に所属していた。そのセオリーは、全世界的に見て、先進かつ有望な商品企画を日本というか自社向けにカスタマイズするというやり方である。 僕の所属する会社の関連する市場では従来の常識では一見理解不能な新たな「動き」が出始めていた。しかし、経営幹部をはじめとして、それについて理解はできなかった。我々のチームは、その新たな「動き」に対して果敢にもアプローチした。しかし、よく考えればそれはその「動き」を理解していないはずの経営幹部の指示であった。 その「動き」を理解するために、我々のチームは、その「動き」が一番激しい現場にも赴いた。そして、その相手と深く交わった。そう、文字通り心酔し、寝食もともにした。そのおかげで、その「動き」の全容をかなり早く知ることができた。肝心なのはその「動き」が今の事業に、これからの事業に、どれほどの影響を与えるかもである。 ここで一つ考えねばならない。本来の目的は何だったのか。 我々のチームリーダーは、その「動き」に自ら乗ろうとした。それはそれで、私も尊敬もするし、素晴らしい行動であったと思う。チームリーダーの目的も分かるし共感もできる。 今となってみれば、経営幹部の考えは全く違うという事は明白である。今の私の気持ちは、駒となり捨てられるより、その駒を動かせる人間たれである。私もまだまだ若輩者である。どうせなら、より大きな策を作れるそんな人間になりたい。小さくまとまるなどまっぴらである。 今までは、小さいことにクヨクヨしすぎた。目標も低すぎた。つまらないことで、逃げてしまっていた。今日、この時間から、ここ７年間ぐらい止まっていた時間を動かし、全てをやり直す覚悟で突き進む。