ラマダン(ウイグル語ではラマザン)といわれる、イスラム教の断食月をご存知だろうか。
日本でもその名前だけは聞いたことのある人も多いのでは、と思う。
○多くの食堂は日中の営業を取りやめている。
断食、といっても一ヶ月間絶食し続けるのではなく(無理ですね笑)期間中毎日、夜明け前から日の入りまでの間一切の飲食を絶つというもの。教義で定められた以上、まずは従うことに意義があるのだが、その目的としては、大きく分けて二つ。ひとつは、飢えなどの欲望を制することによって、己が欲望の前に服従することを防ぎ、自制心を得ること。そしてもうひとつが、「飢え」を身をもって体験することにより、貧者の苦しみを思い、また満たされているありがたみを確認する、という修養である。
ラマダンは全イスラム教信徒(ムスリム)の義務である。また、ラマダン期間中は喜捨(貧しきものへの施し=寄付)が奨励されるほか、飲酒、喫煙、争いごと、性行為などは慎むべきものとされている。そして、このような厳しいラマダンを、同じときに世界中のムスリムとともに取り組むことで、ムスリム同士の一体感を生む、という作用もあるようだ。
とにかく、ラマダンはイスラム教徒にとっては特別で大切な期間なのである。
ちなみに、イスラム教は大陰暦を使用しているため、ラマダンは毎年少しずつ(太陰暦の一年は354日、すなわち11日ずつ)早くなっており、今年から真夏にぶつかってしまった。案の定、日中の街中には暑さと空腹でぐったりしたウイグル人があふれている。仕事は…?…それどころじゃねぇって雰囲気だ。
今年は世界的な猛暑で、戒律には非常に厳格な中東諸国でも、宗教指導者が場合によってはラマダンを免除する声明を出すなど、色々ニュースになった。太陰暦を使用する以上、ラマダンは春夏秋冬全ての季節にやってくる。日の短い冬が楽なのは言うまでもないが、地球上のどこに住んでいようとも平等に負担が与えられるというのは、それはそれで良く出来たシステムだと思ったりもする。
○ナン屋やお菓子屋は営業を続けていたりする。
もちろん、その場で堂々と買い食いするのは控えるべきだ。
一方で、肉体労働者や学生、妊婦、病人、旅行者などは免除され、飲食は可能(病人は回復後に断食できなかった日数を改めて断食する)。当然異教徒である漢族は通常通りの生活を営んでおり、彼らの経営する飲食店も開いている。
なんだかんだで、新疆はじめ中央アジアは世俗化が進み、真面目にラマダンに取り組む者も現在では少ないと聞いていたし、現に国道沿いの自転車旅ではあまり意識することもなかったのだが、カシュガルは結構やっている人が多い。そして、ビールを飲んだり、タバコを吸っちゃったりもするウイグル人に、そんな敬虔な面をみせられると少し安心もするのである。
○ラマダンが解かれる夜市は連日大盛り上がり。
断食明け間近、夕方の屋台街を散策。
○「ウプケ・ヒスィプ」
羊の腸に米と香辛料を詰めたものが「ウプケ」、羊の肺に小麦粉を詰めたものが「ヒスィプ」。これをトマト味のスープで煮る。見た目「うぷっ」って感じですが、味はあっさり。屋台街の名物料理。
後ろには羊の足と頭を煮る屋台が。ウイグル人は羊を「骨以外全て」食べる勢いです。
○ポロという名のピラフ。もともとは手でつかんで食べる料理で、漢語では「抓飯」と書きます
○総菜屋さん。モロ中華の影響を受けているような…
○お菓子屋さん
○生クリーム屋?
○あんこ屋!?
ラマダン期間中は、夜間の食いだめのため通常のシーズンより食糧消費量が増えるというのは有名な話。
旅行ブログ
日本でもその名前だけは聞いたことのある人も多いのでは、と思う。
○多くの食堂は日中の営業を取りやめている。
断食、といっても一ヶ月間絶食し続けるのではなく(無理ですね笑)期間中毎日、夜明け前から日の入りまでの間一切の飲食を絶つというもの。教義で定められた以上、まずは従うことに意義があるのだが、その目的としては、大きく分けて二つ。ひとつは、飢えなどの欲望を制することによって、己が欲望の前に服従することを防ぎ、自制心を得ること。そしてもうひとつが、「飢え」を身をもって体験することにより、貧者の苦しみを思い、また満たされているありがたみを確認する、という修養である。
ラマダンは全イスラム教信徒(ムスリム)の義務である。また、ラマダン期間中は喜捨(貧しきものへの施し=寄付)が奨励されるほか、飲酒、喫煙、争いごと、性行為などは慎むべきものとされている。そして、このような厳しいラマダンを、同じときに世界中のムスリムとともに取り組むことで、ムスリム同士の一体感を生む、という作用もあるようだ。
とにかく、ラマダンはイスラム教徒にとっては特別で大切な期間なのである。
ちなみに、イスラム教は大陰暦を使用しているため、ラマダンは毎年少しずつ(太陰暦の一年は354日、すなわち11日ずつ)早くなっており、今年から真夏にぶつかってしまった。案の定、日中の街中には暑さと空腹でぐったりしたウイグル人があふれている。仕事は…?…それどころじゃねぇって雰囲気だ。
今年は世界的な猛暑で、戒律には非常に厳格な中東諸国でも、宗教指導者が場合によってはラマダンを免除する声明を出すなど、色々ニュースになった。太陰暦を使用する以上、ラマダンは春夏秋冬全ての季節にやってくる。日の短い冬が楽なのは言うまでもないが、地球上のどこに住んでいようとも平等に負担が与えられるというのは、それはそれで良く出来たシステムだと思ったりもする。
○ナン屋やお菓子屋は営業を続けていたりする。
もちろん、その場で堂々と買い食いするのは控えるべきだ。
一方で、肉体労働者や学生、妊婦、病人、旅行者などは免除され、飲食は可能(病人は回復後に断食できなかった日数を改めて断食する)。当然異教徒である漢族は通常通りの生活を営んでおり、彼らの経営する飲食店も開いている。
なんだかんだで、新疆はじめ中央アジアは世俗化が進み、真面目にラマダンに取り組む者も現在では少ないと聞いていたし、現に国道沿いの自転車旅ではあまり意識することもなかったのだが、カシュガルは結構やっている人が多い。そして、ビールを飲んだり、タバコを吸っちゃったりもするウイグル人に、そんな敬虔な面をみせられると少し安心もするのである。
○ラマダンが解かれる夜市は連日大盛り上がり。
断食明け間近、夕方の屋台街を散策。
○「ウプケ・ヒスィプ」
羊の腸に米と香辛料を詰めたものが「ウプケ」、羊の肺に小麦粉を詰めたものが「ヒスィプ」。これをトマト味のスープで煮る。見た目「うぷっ」って感じですが、味はあっさり。屋台街の名物料理。
後ろには羊の足と頭を煮る屋台が。ウイグル人は羊を「骨以外全て」食べる勢いです。
○ポロという名のピラフ。もともとは手でつかんで食べる料理で、漢語では「抓飯」と書きます
○総菜屋さん。モロ中華の影響を受けているような…
○お菓子屋さん
○生クリーム屋?
○あんこ屋!?
ラマダン期間中は、夜間の食いだめのため通常のシーズンより食糧消費量が増えるというのは有名な話。
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