親子でつながる子育て~抱っこ法~

抱っこ法の考え方をもとに、子育て中の親子やハンディを持つ方など、たくさんの方の心の支援を行っています。

障がいのある方の心のケア15 ~心棒(大人心)とぐちゃぐちゃな心③~

2013年06月17日 | 障がいのある方の心のケア ネットワーク

障がいのある方の心のケアネットワークです。

前回は、心の中には、【心棒】という、本来持っているすばらしい部分があると同時に、

感情やストレスからくる、ぐちゃぐちゃがあり、

時としてぐちゃぐちゃが広がると、【心棒】が隠れてしまうことがあります、

というお話をしました。

 

では障がいを持つ方の心はどうかというと、

原理は全く我々と同じです。

 

ただ、我々と少し違うのは、

感情やストレスからくるぐちゃぐちゃがとても多く、

凛として存在するはずの【心棒】が見えにくくなってしまっている方が多いということです。

 

私の息子、J は現在中学2年生で、自閉症という障害を持っています。

小さいころから、聴覚過敏といって、いろいろな音、特に子供が声をそろえてする挨拶や、

機械音、車の音などが苦手で、

常に、耳を押さえて生活している状態でした。

 そのため、小学校でも通常の学級には、全く入れず(何時、苦手な音が出るかわからないから)

ほぼ、すべての授業を支援学級で過ごしていました。

ランドセルは持たない、帽子や靴下などは絶対に身に着けない、勉強は全くしない、

先生の言うことは聞けない、

その行動からみて、学校が苦手、集団行動やほかの人と同じことをするのは嫌いとしか見えませんでした。

 

 

Jは、音が怖いという気持ちや、うまくいかなかったらどうしよう、

自信がないよ、僕はみんなと同じじゃないという気持ちのもやもやがいっぱいになって、

本来あるはずの『学校で頑張る』という心棒が見えない状態でした。

 

特に障がいを持った子供が、慢性的に、心にぐちゃぐちゃが広がると、

 まるで、元から心棒なんてものが心にないように見えるほど、

ぐちゃぐちゃに振り回される行動をします。

なので、周囲のだれもが、彼の中に学校で頑張りたい心棒があるとはわからないんです。

 

Jは、そのぐちゃぐちゃに振り回されながら、

時々に心のケアを受けていました。

 

そのJが、6年になり、次の進路を考えなければいけない時期が来ました。

私は、『これだけ生活するのが大変なら、当然支援学校に行くべきだ。』

と、考えていましたが、Jは、「中学校に行く!」といって聞きません。

その頃、まだ私は、Jの心に心棒があると信じられませんでした。

なので、「中学校に行きたいならランドセルをしょって、授業を受けたら考える」

と、Jには絶対無理な難題を突き付けました。

 

ところがJは、その無理難題をとっても頑張りました。

もちろん、所々であふれる気持ちを発散させたり、

支えたりという心のケアは継続していましたが…

その時のJの心はこんな風になっていました。

 

 

Jはぐちゃぐちゃに振り回されていたのが、

中学校に行きたいと考えたときに、

『学校で頑張る』というもとからあった心棒が前面に出てきて、

頑張ったり、励まされたり、手伝ってもらったりして得た成功体験によって、

ぐちゃぐちゃが心棒から離れた状態になったと思います。

 

現在Jは、いろいろと問題を起こしながら、

中学校に通っています。

 

ホワイエホームページ

 

 

 

 

 

 

 

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