たんぽぽ舎より転載
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┗■2.福島第一原発事故から被害者と加害者が学んだ教訓 (上)
| 日本国政府は原子力緊急事態宣言 いまだに解除されていない
└──── 講師:小出裕章氏(バイバイ原発3.7きょうと集会での講演より)
「みなさん。こんにちは、あいにくの雨模様の空ですが、たくさんの方が参加していただいてありがとうございます。
◯既に4年になってしまいました。3月11日に地震と津波に襲われて、福島第一原発が、次々と爆発して溶け落ちていくということが起こり,私自身はいつか起きると警告してきた人間ですが、その私にしても、本当に起きているということが信じられませんでした。毎日毎日悪夢を見ているのではないかと思いながら目を覚まして、だが、やはり事実として事故が起きている、その事実に打ちのめされながら、毎日を戦争のように、今日まで過ごしてきました。が、残念ながら何の収束もしないまま、今日に至っています。
2011年3月11日に事故が起きた時に、日本国政府は、原子力緊急事態宣言というのを出しました。その緊急事態宣言は、いまだに解除されていないのです。事故がずっといまだに続いているということは、勿論、事実が示しているわけですし、日本国政府自身が、そのことを認めているということになっています。
先ほど鈴木さん(京都への避難者)が報告して下さったように、福島の現地を中心にしてたくさんの方々が、いまだに苦しんでいるというそういう状態です。たくさんの被害者、何十万人、あるいは、汚染地帯で何百万人の人たちが、不安の中で暮らすという状態になっています。
◯いったいこの事故を惹き起した加害者は誰なのでしょうか?
日本では原子力平和利用というような、私から見ると、とんでもないウソの宣伝のもとに原子力が進められてきました。それを進めてきたのは、まずは日本の政府、日本の国家です。その周りに電力会社、原子力産業、中小零細のたくさんの企業、そしてそこで働く労働組合までが、加担するようになりました。勿論、学者も、ほとんどが原子力に加担をして、原子力とはいいものだという旗を振り続けました。今日この場にも、一部マスコミの人もいてくださるけれど、マスコミすらが、原子力の夢をばらまいて、全部が一体となって原子力を今日まで進めてきた、来てしまったのです。
かって日本は悲惨な戦争をしました。国が戦争をして、勿論マスコミも加担して、日本国民みんながその戦争に加担しながら、悲惨な被害というものを、自分たちだけでなく、アジアにも振りまいたということがありました。
日本で進められてきた原子力というものは、私は、まさに戦争と同じような構造だったと思います。大変巨大な組織、言ってみれば政府を中心にした権力機構というものがあって、どんな反対をしてもどうにもならないと、いう中で、原子力が進められてきてしまった。挙句の果てに事故は起きたのです。私は、その巨大な機構を、皆さんは、原子力村という言葉で呼ぶようになっていると思いますが、私は原子力マフィアと呼びたいと思うようになってきました。
まさに犯罪者集団、巨大な犯罪を犯している集団が、日本の国家を中心にして、日本という国を牛耳っている、そういう状態になってしまった。
◯この会場の中にも、自営業の方がいらっしゃると思いますが、そういう自営業の方が、何か、自分の職場から、毒物を環境に流すというようなことをすれば、すぐに警察が踏み込んできて、その人を処罰します。誰か一人でも周辺の人が死んだというようなことになれば、マスコミを含めて大騒ぎになるはずなんです。
しかし、福島第一原子力発電所の事故の場合には、既に、原発関連死といわれている人が、おそらく、2000人を超えている。たくさんの人の命が奪われるということがあっても、誰一人として責任をとらないということが起きてしまっている。
私は加害者に必ず責任をとらせたいと、思います。東京電力の会長、社長以下、原子力を進めてきた人たちは、刑務所に入れなければいけないし、これまでに、58基の原子力発電所を認可してきた自由民主党と、その政党、その政党の歴代の責任者、原子力発電所の安全にお墨付きを与えた内閣総理大臣は、みんな自民党だったわけで、そういう連中はみんな刑務所に入れなければいけない。
残念ながらそれができない。というのが、今の時です。
◯しかし、事故から4年たっても、本当に残念なことに、事故は全く収束していないのです。2011年12月に、まだ民主党という政党が政権をとっていたときに、野田さんの言う首相が事故収束宣言なるものを出した。いい加減にしてくれと私は思いました。
終息宣言を出すならば、緊急事態宣言を撤回しなければいけないはずなのですが、緊急事態宣言は生きたまま、事故の収束の宣言を出すというでたらめな事を、民主党という政権がやった。民主党は政権が崩壊してしまって、今、また、自民党が返り咲いているわけですが、ますますまた原子力を進めるという考えられないようなことになってしまっています。
その陰では、今この時も、おそらく7000人というような労働者が、福島第一原子力発電所の敷地の中で、放射能を相手に闘っています。その労働者たちは、東京電力の社員たちではありません。ほとんどが下請け、孫請け、そのまた下請け、というように、8次、9次、10次というような下請け関係で、雇用されている、本当に貧しくって、底辺であえいでいる労働者たちです。勿論、非正規雇用労働者たちです。
彼らがいつも被曝をしながら、事故に向き合ってくれているわけですけれども、みなさんも、ご存知のように福島第一原子力発電所では、毎日のように放射能汚染水が海に向かって流れ出ていくというようなことになってしまっています。毎日毎日350トン、400トンというような、汚染水がどんどんどんどん増えてきて、一部は地下に流れて行って、現在も、福島第一原子力発電所の敷地は、放射能の沼のような状態になってしまっている。それを防ぐことができないというところに、追い詰められている。
(下)につづく
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以上転載
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┗■2.福島第一原発事故から被害者と加害者が学んだ教訓 (上)
| 日本国政府は原子力緊急事態宣言 いまだに解除されていない
└──── 講師:小出裕章氏(バイバイ原発3.7きょうと集会での講演より)
「みなさん。こんにちは、あいにくの雨模様の空ですが、たくさんの方が参加していただいてありがとうございます。
◯既に4年になってしまいました。3月11日に地震と津波に襲われて、福島第一原発が、次々と爆発して溶け落ちていくということが起こり,私自身はいつか起きると警告してきた人間ですが、その私にしても、本当に起きているということが信じられませんでした。毎日毎日悪夢を見ているのではないかと思いながら目を覚まして、だが、やはり事実として事故が起きている、その事実に打ちのめされながら、毎日を戦争のように、今日まで過ごしてきました。が、残念ながら何の収束もしないまま、今日に至っています。
2011年3月11日に事故が起きた時に、日本国政府は、原子力緊急事態宣言というのを出しました。その緊急事態宣言は、いまだに解除されていないのです。事故がずっといまだに続いているということは、勿論、事実が示しているわけですし、日本国政府自身が、そのことを認めているということになっています。
先ほど鈴木さん(京都への避難者)が報告して下さったように、福島の現地を中心にしてたくさんの方々が、いまだに苦しんでいるというそういう状態です。たくさんの被害者、何十万人、あるいは、汚染地帯で何百万人の人たちが、不安の中で暮らすという状態になっています。
◯いったいこの事故を惹き起した加害者は誰なのでしょうか?
日本では原子力平和利用というような、私から見ると、とんでもないウソの宣伝のもとに原子力が進められてきました。それを進めてきたのは、まずは日本の政府、日本の国家です。その周りに電力会社、原子力産業、中小零細のたくさんの企業、そしてそこで働く労働組合までが、加担するようになりました。勿論、学者も、ほとんどが原子力に加担をして、原子力とはいいものだという旗を振り続けました。今日この場にも、一部マスコミの人もいてくださるけれど、マスコミすらが、原子力の夢をばらまいて、全部が一体となって原子力を今日まで進めてきた、来てしまったのです。
かって日本は悲惨な戦争をしました。国が戦争をして、勿論マスコミも加担して、日本国民みんながその戦争に加担しながら、悲惨な被害というものを、自分たちだけでなく、アジアにも振りまいたということがありました。
日本で進められてきた原子力というものは、私は、まさに戦争と同じような構造だったと思います。大変巨大な組織、言ってみれば政府を中心にした権力機構というものがあって、どんな反対をしてもどうにもならないと、いう中で、原子力が進められてきてしまった。挙句の果てに事故は起きたのです。私は、その巨大な機構を、皆さんは、原子力村という言葉で呼ぶようになっていると思いますが、私は原子力マフィアと呼びたいと思うようになってきました。
まさに犯罪者集団、巨大な犯罪を犯している集団が、日本の国家を中心にして、日本という国を牛耳っている、そういう状態になってしまった。
◯この会場の中にも、自営業の方がいらっしゃると思いますが、そういう自営業の方が、何か、自分の職場から、毒物を環境に流すというようなことをすれば、すぐに警察が踏み込んできて、その人を処罰します。誰か一人でも周辺の人が死んだというようなことになれば、マスコミを含めて大騒ぎになるはずなんです。
しかし、福島第一原子力発電所の事故の場合には、既に、原発関連死といわれている人が、おそらく、2000人を超えている。たくさんの人の命が奪われるということがあっても、誰一人として責任をとらないということが起きてしまっている。
私は加害者に必ず責任をとらせたいと、思います。東京電力の会長、社長以下、原子力を進めてきた人たちは、刑務所に入れなければいけないし、これまでに、58基の原子力発電所を認可してきた自由民主党と、その政党、その政党の歴代の責任者、原子力発電所の安全にお墨付きを与えた内閣総理大臣は、みんな自民党だったわけで、そういう連中はみんな刑務所に入れなければいけない。
残念ながらそれができない。というのが、今の時です。
◯しかし、事故から4年たっても、本当に残念なことに、事故は全く収束していないのです。2011年12月に、まだ民主党という政党が政権をとっていたときに、野田さんの言う首相が事故収束宣言なるものを出した。いい加減にしてくれと私は思いました。
終息宣言を出すならば、緊急事態宣言を撤回しなければいけないはずなのですが、緊急事態宣言は生きたまま、事故の収束の宣言を出すというでたらめな事を、民主党という政権がやった。民主党は政権が崩壊してしまって、今、また、自民党が返り咲いているわけですが、ますますまた原子力を進めるという考えられないようなことになってしまっています。
その陰では、今この時も、おそらく7000人というような労働者が、福島第一原子力発電所の敷地の中で、放射能を相手に闘っています。その労働者たちは、東京電力の社員たちではありません。ほとんどが下請け、孫請け、そのまた下請け、というように、8次、9次、10次というような下請け関係で、雇用されている、本当に貧しくって、底辺であえいでいる労働者たちです。勿論、非正規雇用労働者たちです。
彼らがいつも被曝をしながら、事故に向き合ってくれているわけですけれども、みなさんも、ご存知のように福島第一原子力発電所では、毎日のように放射能汚染水が海に向かって流れ出ていくというようなことになってしまっています。毎日毎日350トン、400トンというような、汚染水がどんどんどんどん増えてきて、一部は地下に流れて行って、現在も、福島第一原子力発電所の敷地は、放射能の沼のような状態になってしまっている。それを防ぐことができないというところに、追い詰められている。
(下)につづく
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以上転載