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いろいろレビュー(旧サイト)

本と映画とときどき日記

エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?

2010年01月17日 | 映画(ドキュメンタリー)

当時,史上最大規模の企業破綻となったエンロンの経緯を追ったドキュメンタリー映画です。

実際の映像やテープ,関係者やジャーナリスト,アナリストの証言,
「どこからとってきたんだろ?」というほどいろんな取材情報が集められ,
映画としても波のある展開を印象付けるよう,うまく編集されています。

粉飾決算やカリフォルニアでの故意の電力停止などで利益を上げ続けるものの,
不正と巨額負債の実態が明るみに出て破綻へと急降下したエンロン。
でも中枢にいた幹部はその前に自社株を売り抜けて大金を手にします。

見せかけの強さで不正に株価を吊り上げ続けたという点でライブドア事件と似ていますが,
悪質さや規模が桁違いで,皮肉な言い方をするとアメリカならではのスケールです。

細かいことはさておくと,「こういうことって相変わらず起こっちゃうんだな」という感想です。
リーマンショックに始まった昨年の経済危機,
それから強引に言えば太平洋戦争での日本なんかも本質的には似てるような気がします。
見てるぶんにはおもしろいけど,ノンフィクションだから怖い。


MAN ON WIRE

2009年07月20日 | 映画(ドキュメンタリー)

今回は劇場鑑賞です。
今は無きワールド・トレード・センターの屋上で、1974年に綱渡りを決行したフィリップ・プティ。
その挑戦の全貌を追ったドキュメンタリー作品です。

もの珍しさでなんとなく見たんですが、ものすごく良かったです。
ミニシアター系はどんな映画かよくわからないので、「どうしよっかなぁ」とためらうことも多いんですが、
たまにこういう出会いがあるのでなかなか捨てておけません。

フランス人のフィリップは、それまでにもノートルダム寺院や、シドニーのハーバー・ブリッジで綱渡りをしていたんですが、
ある日、歯医者でワールド・トレード・センター建築のニュースを目にしたことから
世界最高峰での綱渡りをしようと決心します。

でもそれはもちろん違法なことで、どうやって忍び込んで2つのタワーの屋上まで行くか、
ワイヤーをはじめとする機材をどうやって持ち込むかなど、課題は山積です。
成功の裏側では、偽造通行許可証の入手から器材の持ち込み、ワイヤーの張り方まで、
長い期間を通しての綿密な計画が練られていました。
もちろんフィリップ一人でできることではなく、彼を慕う仲間たちがチームとなって、
ツインタワーの厳重な警備をかいくぐり、「犯行」を成し遂げたというわけです。

実際の映像を多分に織り交ぜた構成は、決行までのプロセスをとてもリアルに伝えています。
クライマックスの地上411mの綱渡りシーンはほんとに空を歩いているようで、思わず体が震えました。

SiCKO

2009年04月10日 | 映画(ドキュメンタリー)
『ボーリング・フォー・コロンバイン』、『華氏911』のマイケル・ムーア。
今回はアメリカ医療の現状を、他国との比較を交えて訴えるドキュメンタリーです。

もちろんすべてを鵜呑みにはできないでしょうが、
それでもやっぱり「ひどいな」とショックを受けました。

冒頭に出てきた男性は、事故で指を2本切断。
中指は6万ドルで、薬指は1万2000ドルで治せます。さぁどっちにする?

アメリカのお医者さんは、うまいこと理由をつけて保険適用を却下したら特別ボーナスが出る。

キューバでは5セントで買える薬、アメリカではなんと120ドル。

などなど、びっくりするような実話があれこれ出てきます。

ところが、カナダやイギリス、フランスなどでは医療費はすべて無料。
フランスに住むアメリカ人は複雑な気持ちで「アンフェアだね」って。

詳しくはよくわかりませんが、そのへんのスタンダートって全然違うんだなぁと驚きます。
日本の医療保険は数年前に3割負担になりましたが、世界的にみるとどうなんでしょうか?
いちおう国民皆保険ってことになっていますが、保険料も負担金もじわりじわりと上がっていき、
貧乏人は病院に行くのを控えているとか、
医者が足りなくて病院たらいまわしとか、あんまり充実してるような感じはしませんが・・

ま、それはともかく、
本作はアメリカの保険システムの異常さに驚かされるんですが、
それだけじゃなくて、人の温かみとか、「こりゃなんとかせんとあかんぞ」という前向きなメッセージがある気がします。



RIZE

2008年12月17日 | 映画(ドキュメンタリー)

ダンスものですけど、実はかなり純粋なドキュメンタリー。
LAのサウス・セントラルに住む黒人の若者たちのダンス・シーンを取り上げたもので、一人ひとりの生活やダンスの背景とかまでしっかり追ってます。

日本でもがんばってダンスの練習してる人は多いけど、やっぱり本気度が違うなぁという気がしました。
犯罪に走りやすい生活環境ってこともあるんでしょうが、それこそ生きるためにダンスやってるような切実さがある。

バトルシーンは特にすごいです。
ムーブがどうとかではなくて、ダンサーのはじけ方やオーディエンスの興奮が半端じゃない。
小学生くらいの子どもなんかでもすでに一線越えてるような雰囲気持ってるし。

クランプは日本でも流行った(まだ流行ってる?)けど、やっぱり黒人がやってなんぼのダンスだなぁと思いました。
スタイルというより生き方みたいなもの。

にしても、黒人の体の締まり方はすごいね。ガールズでもふつうに腹筋が六つに割れてたり。
でも一方ではすっごい太ってる人も多いんだけど。
ジャケットにもなってるエンド前のスローモーション・ダンスシーンが大迫力。

ボビー

2008年07月12日 | 映画(ドキュメンタリー)
JFKの弟、ロバート・F・ケネディの話。

兄ジョンが暗殺されたあと、弟のロバート(ボビー)は正式に大統領に立候補する。アメリカ国民の期待は大きく、ロバートの当選は確実視されていた。しかし、地区選挙での勝利後、ロサンゼルスのホテルでスピーチを行った直後にロバートも銃で撃たれ、暗殺される。勝利の歓喜は一転して恐怖と混乱に変わってしまう。

実話を題材にしたノンフィクション映画で、要所ではロバート本人の当時の映像が織り交ぜられ、とてもリアルです。特に最後のスピーチ映像は本物ならではの重さがありました。

映画の構成としては、当時そのホテルに居合わせた人々の何人かに焦点を当て、それぞれの視点から事件を映し出すという方法。ちょっと『クラッシュ』に似てる印象でした。
そういうわけでけっこう登場人物が多いんだけど、なかなか大物ぞろいのキャストになってました。アンソニー・ホプキンス、デミ・ムーア、シャロン・ストーン、イライジャ・ウッド、ローレンス・フィッシュバーン(マトリックスのモーフィアス)などです。

前に「アメリカの大統領は世界一危険な職業だ」って聞いたことあるけど、ほんとですね。銃弾ひとつで歴史は変わってしまう。