考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

社会保険庁改革はこれで良いのか?

2007-06-30 00:36:21 | 徒然なるままに

社会保険庁改革関連法案が成立するのは間違いない状況となったようですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070629-00000012-yom-pol
重要法案だからと国会の会期を延長し、参議院選挙の期間をずらしてまで今国会での採決を急いだ与党。重要法案であるからこそ、選挙での信を問うべきだと思っているのはボクだけではないでしょう。
でも、ボクらは国会に関しては、ボクらの意志を代弁してもらう議員を選ぶ権利しかないわけですから、この国会での議論や議員の態度をしっかりと覚えておくしかないんですよね。参議院選挙でボクはボクの意志を表したいと思います。

さて、社会保険庁改革、相変わらずいろいろな問題が表面化してきていますね。
まず気になったのは「保険料の横領問題」。
以前、日経新聞などでは「保険料横領は発覚している分だけで2002年までに1億1000万円を超すと判明」と報道されていたと思うんですけど、
今日はこんな記事が出ていますね。

社保庁職員、着服・横領 年金保険料2千万円(朝日新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2007062804160.html

社会保険庁職員が年金保険料を着服・横領したケースが89年度から02年度までに10件あり、被害総額は2336万円になることが28日分かった。
10件には、東京都の練馬社会保険事務所の職員が、96年から97年にかけて国民年金保険料446万円を着服していたケースなどが含まれている。

日経新聞などが報じた数字がさらに増えたものとは思えない数字なんですけど、どうなんでしょう?
調査中の分を除いて、「判明した」分としては、どっちの数字が正しいのか?
それだけ社会保険庁の中がブラックボックス化していたことが判明したと言うことなんでしょうか。

この問題を考えると、「横領!とんでもない!!」と、
そう思うのは当然でしょう。ボクも思います。
でも、だからと言って「公務員だからダメなんだ。民間ならこんなことはない!」と、
そう思うのは早計だと思います。
なぜなら民間の銀行や生保の横領事件の規模(被害金額)はこんなものではないですし(もちろん一回あたりの集金金額も違うんですけどね)、少なくとも大手の金融機関で横領事件と無縁の会社は皆無でしょう。
個人的には、本当に横領の被害がこの程度(2千万とか、一億強とか)の金額で済んでいるとしたら、逆に「さすが公務員!」と言えるような気がしますけど、どうなんでしょう?

みなさん、ハローです。ホディです。

社会保険庁改革」については以前にも書いていますので、よろしければコチラもあわせて読んでみてください。
http://blog.goo.ne.jp/hoddy/e/81390043c759afaa2147a12bc878cbb4

社会保険庁の話でもうひとつ気になっているのは、
ボーナスの返金問題。
話は進んでいるようで、「指定口座に返納」という具体的な話まで報じられていますね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070629-00000038-mai-pol

返納額は、一般職員で2~3万円、社会保険事務所長だと15~17万円、本庁課長級は40~45万円なのだとか。
この話、みなさんはどう思いますか?

ボクは「中途半端に返納させるな!」と言いたいですね。
自主的とは言え、一部返納させることで「禊」が終わったと思われるのではないでしょうか?
金額も、対象(社会保険庁だけでなく、厚生労働省全体ではないか?)も、多いのか少ないのか大いに疑問です。
国会で正式に、オープンな議論をして、冬の賞与に反映すれば良いとボクは思います。

また、この問題は事務的なミスの問題として扱われがちですけど、そもそも制度の問題もありますし、国の中枢の制度にも関わらず国会のチェックが機能していなかったという大問題なんですよね。
そういう意味では、首相や厚生労働大臣経験者などだけでなく、国会議員の報酬カットも検討すべきではないでしょうか?

こういう問題を内輪で、ナアナアで処理するのは最悪のパターンです。

ついでに触れておきますけど、これは最悪ですね。

賞与返納、再雇用の条件に(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070626-00000152-jij-pol

塩崎恭久官房長官は26日午後の記者会見で、年金記録漏れ問題のけじめを付けるため、社会保険庁全職員に夏季賞与の一部を自主返納するよう求めたことに関連し、仮に返納に応じない場合は、同庁を廃止・解体して2010年に発足させる方針の「日本年金機構」への再雇用を拒否することもあり得るとの考えを示唆した。

官房長官はどんな権限があって、このような発言が出来るのでしょうか???

日本年金機構が非公務員化された一組織である以上は、その会社への入社の基準について行政が介入できるのか?
そして、「自主的に返納して欲しい」と依頼したことをもって、採用基準にするのであれば、これは実質的に強制ですよね。「採用」を餌にした恐喝ですヨ。
なぜこんな爆弾発言を問題視しないんでしょう?
不思議です。

こうしてドタバタで成立する「社会保険庁改革」、
看板だけが変わったと言うことのないようにお願いしたいですね。
そして、公的年金は国の柱の一つであることを忘れないで、今後も国会はチェック機能をしっかりと果たすべきだと思います。


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14 コメント

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楽しみです。 (moto金田浩)
2007-06-30 18:03:18
ここに入らせて読ませてもらうのが楽しみ
となりました。

使い込みはどの組織にもあります。多いか少ないか
表面化するかしないか。時々再々表面化しますが
それは組織である為大勢の人が見ているからでしょうか。内部監査的な告発もあるし、私的な告発も。

ですから社会保険庁さんでもそういうことが有って
不思議ではありません。記事になるのは世間が
注目している事象だからでしょう。

ただ、この年金の問題も多分次の大きな話題に
取って代わられましょう。次が何かはわかりません
が。年金問題なんて大したことではない。次の
問題の方が重大となり、、(笑)

ついつい、今日のテレビで郵政問題を取り上げていましたが゛過去のことで、私はへんないい方ですが
関心薄しとなっていました。(笑)
なんであんなに自分はあの時大騒ぎしたのかと。

もっとも、そうして改革や改善が出来てきているという事実はよくわかっているつもりですが。

すみません、変な意見で。

re:楽しみです。 (hoddy)
2007-06-30 22:25:55
moto金田浩さん、コメントありがとうございます。

こんな「嘆きのブログ」を楽しみにしていただき、光栄です。ありがとうございます。

おっしゃるとおり社会保険庁問題もどこかで飽きられて、再度問題が起きるまで忘れられてしまうことでしょう。
本当はこれだけ重要な国の制度なんですから、ボクらが忘れてもキチンと国会がチェック機能を果たしてくれないと困るよな、と思うんですよね。
そんな責任を意識してか?意識できずにか?国会では「誰が悪い!」と責めるばかり・・・
悲しい現実です。

おっしゃるとおり「郵政問題」はすっかり過去の事になっていますね。
ボクもmoto金田浩さんと同じです。なぜあのときにあんなに気持ちが騒いだのかと。。。
不思議ですね。
良くも悪くも、ボクらも、国会も、こういうことを繰り返すのでしょう。

そして「改革や改善」、前に進んでいるとボクも信じましょう。

実は最近 (moto金田浩)
2007-07-01 22:44:32
なにか変なのではと。
達観のし過ぎかなんてふと考えます。
そんなことではダメだという一方の
自分がいるのです。(笑)
すみません、よいコメントいただいて
感謝です。
こんな時「流れる川のうんぬん」が出て
きます。同じように見えて実は同じでない。
常に世の中はあれこれ言っても良い方に
流れ、そして向上していると。
re:実は最近 (hoddy)
2007-07-02 21:49:34
moto金田浩さん、コメントありがとうございます。

ホント、世の中は動いているんですよね。

そして、
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、
久しく止とゞまる事なし・・・
ですね。

方丈記 (moto金田浩)
2007-07-03 20:14:36
好きです。(笑)

ふと考えました。いや、昨晩のNHKの番組で
レアメタルが不足してうんぬんのことですが。
大変困ったこととのニュアンスで番組作られて
いましたが、これって、今のことしか見ないから
不安になるので、いずれまた別の金属が発見
されて解決されると思いますもので。

石炭から石油が、いずれ石油から水へ、
水力から原子力、等々。
re:方丈記 (hoddy)
2007-07-03 22:07:19
moto金田浩さん、コメントありがとうございます。

レアメタルの不足・・・おっしゃるとおり石油の不足も言われて久しいですけど、何とかなっていますしね。。。オオカミ少年の叫びに似て、どうせ大丈夫なんだろう、と感じてしまいます。また、その情報の裏に利権の臭いも感じますしね。
ボクの認識も甘いのでしょうけど・・・
資源の不足よりも、地球環境の悪化のほうが心配ですね。

原子力から太陽光・・・
そして、ヒトは地球からスペースコロニーでしょうか???

組織の中では (moto金田浩)
2007-07-04 20:29:59
ごめんなさい、また変なこと書き込みますが。

実は不思議なことですが組織の中では
もちろんサラリーマンも含みますが
悲観論をとなえた方が評価されます。
楽観論はダメです。評価されません。(笑)
ですから、楽観論は自分の胸に秘して
悲観論に同調した方が世渡りはうまく行きます。
(笑)
本当にこれって不思議です。
re:組織の中では (hoddy)
2007-07-05 00:53:32
moto金田浩さん、コメントありがとうございます。

おっしゃるとおりですね。一般的には悲観論が求められる社会だとボクも思います。減点主義的文化のせいでしょうか?

一方で権力者を取り巻く人々の中では極端な「楽観論」が求められると言うこともありますよね。
まぁ、これも自己保身、「何か反対意見を唱えると排除されるかもしれない」という『悲観論』がなせる業かもしれませんけど。。。

楽観論 自己保身 (moto金田浩)
2007-07-05 21:46:37
私は長く楽観論は胸に秘し(笑)自己保身に
徹して、、(笑)
組織から離れると、勤務が終わると、
別の世界で楽観論を、、。
なさけないですが。(笑)
でも、基本的には世の中楽観論に行き着きます。
日本の歴史を見てもそうですし、世界の歴史を
見てもそうではないでしょうか。
例えば戦争。当初は村対村、町対町、少し広い
地域対少し広い地域、小さな国対小さな国。
大きな国対小さな生意気な国(笑)
いずれは、地球対他の星、、と。
例えば、生活。
自然のままから、土器、鉄器、進歩して各種の工具
そして、電気製品、ラジオ、テレビ、コンピュータ
、、食べ物も、、、
re:楽観論 自己保身 (hoddy)
2007-07-06 00:21:06
moto金田浩さん、コメントありがとうございます。

moto金田浩さんの姿勢良いですね。
別の世界で楽観論を!というのは、とても精神衛生上も良いと思います。
でも、楽観論を述べるのは難しいです。今日も無理でした(苦笑)。
ボクは、まだまだ修行が足りませんね~

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