三脚マンと弱力女の登山日記

登山が趣味の夫婦です。

冬の横岳と赤岳(2日目)挑戦したかった。

2009年01月21日 | 登山
日付 :2009年1月11日(日)
天気 :曇り
コース:行者小屋テント場→(地蔵尾根)→天望荘→横岳→(地蔵尾根)→行者小屋テント場








1日目。










朝から凍りつくような寒さ。
テントを出るのにも、一苦労する。










今日は低気圧が通過して、風が強いながら晴れるであろう・・・。
なんて楽観しながら、3時、出発の準備にとりかかった。










ご飯を食べたり、空を見上げたり。
あいにくの曇り空で、出発するにも躊躇していたが、
もしかして、稜線は雲の上かも?という淡い期待を胸に、テントを後にした。










真っ暗な地蔵尾根。
何度も通ってはいるが、やはり夜間登山は緊張する。










真ん中あたりまでは、しっかりトレースがあるものの、途中の森林限界を超えたあたりから、
吹きっさらし。
トレースも完全に消える。

道を間違えないように、ゆっくり・・・。
また、思いのほか雪が積もっており、ラッセルもどきも味わい、時間がかかった。










日の出時刻には間に合ったものの、あたりはガスの中。
地蔵の頭で、ダウンジャケットを中に着こんでみたものの、寒い。
稜線上は、烈風に雪が舞い、日の出を早々にあきらめ、赤岳天望荘へ逃げ込んだ。










天望荘の中はストーブで暖かくなっていた。
コーヒーを注文して、休憩を頼んだところ、休憩は8時30分から。
まだ、宿泊者の皆さんの朝食の時間であった。










しかしながら、凍りついた私の鼻水に情けをいただき、「端っこでどうぞ」と。










端っこで、コーヒーをすすり、小屋のパソコンで天気図を確認。
なんと、低気圧がほとんど進んでない。
低気圧が停滞。
絶望的。
いつまで、この天気が続くのか?
風が吹いているから、明日には抜けるのか?










さきほどの地蔵の頭を通った時、一人のカメラマンがいた。
天望荘に泊まっていたようで、戻ってきたようである。
スタッフの人との話の内容から、山渓によく写真の掲載される、○○氏であった。
確かにこの名前は知っている。
ただ、どんな写真を撮っているのかは知らない。
声をかけるのも何なんで、しっかり顔を覚えておいた。










コーヒーをたくさんおかわりし、小屋のお兄さんにお礼を言って、小屋を出る。
コーヒー500円(おかわり無料)とトイレ代100円で2時間近くも粘ってしまった(苦笑)












外は相変わらず、強風が吹き荒れている。
地蔵からそのまま、下ろうか迷ったが、今回はせっかくここまで登ってきたことから、
横岳まで行ってみることにする。
(無理はしないことを前提に)










天望荘に泊まった人なのか、地蔵を登ってきた人なのか分からないが、
ひとり分の新しいトレースがあった。
かといって、それを信じるのもよくない。











10時近くになって、2人組が硫黄岳方面からやってきた。
しっかりした装備。
足場を作りながら、進んでいる。
なかなかの腕前だ。

私は、そのトレースをありがたく使わせてもらう。











第一の難関。
一枚岩の絶壁。
今回は、雪が降ったばかりなので、雪がたっぷり付いている。












一瞬、この斜度にたじろぐかもしれないが、今回は雪があるおかげで、足場を確認しながら直登した。

また、雪の時期にルートなんてあってないようなものではあるが、岩のトラバースをして直登をするのか、
直登した後にトラバースするのか、定かではない。
いつも、見るたびに違っている。










ここは晴れが続いたり、春の少し暖かくなった頃は氷化しており、
氷と岩のミックスルートとなっている。
ピッケルのピックと、アイゼンの前歯を使って登るところである。
少しばかり、雪道の歩き方を覚えてくると、昨年一昨年
よくこんなところを通ったんだと思ってしまう。
運がよかっただけであろう。










激しすぎる斜面。
下からのぞいていた昔、くまさんたちがトラバースしていくのを
ヒヤヒヤしながら見ていたのを思い出す。










明るくなってきた。
ふと振り返ると、赤岳中岳阿弥陀岳が、ガスに浮かんできそうだ。










赤岳も一瞬見えただけ。










太陽の光は強くなっているものの、ガスが切れることはなく、
展望を楽しむことはできなかった。










日の出岳を越えて、次の岩場。
太陽が出てこなければ、モノトーンの世界。










エビのしっぽが発達中。










お昼前、4人組のパーティーとすれ違う。
ザイルにつながれた、経験者たち(だろう)。










尾根の東側と西側を交互に通過する。
風の通り道となっているところは、雪が吹っ飛び、土や岩が飛び出ていた。










ここのハシゴを越えて、少し行けば横岳の頂上である。










頂上到着。
防寒体制は完璧。
ちょっとやそっとの風や低温には、負けないほど着こんではいるが、
展望がないので、長居は無用だ。










硫黄岳方面への道を少しだけのぞいてみる。
ここの下りも、急であり、少し足が竦むところ。

硫黄岳に行くのも一案ではあったが、赤岳鉱泉から行者小屋への登りを避けたかったため、
引き返すことにした(弱)










三叉峰の分岐、杣添尾根。










硫黄岳方面。
一瞬光が差しこむが、展望は望めず。










岩と雪の道。










アイゼンを着けたまま、岩場を歩くのは気持ちが悪い。










岩にもアイゼンの歯の跡が。










一枚岩の下り。
登りより下りのほうが怖く感じる。










地蔵尾根を下っていると、人が倒れていた。
低体温症で、動けなくなっていた。

山岳警備隊のヘリコプターが、何度も何度も近づいてくるが、近づくと雪煙が舞いあがり、近づけない。










雪煙で視界がなくなる。
風で吹っ飛ばされそうになるため、しゃがんでヘリが離れるのを待った。

ヘリは救助をあきらめ、少し離れた所から救助隊が降りてきた。
救助隊の2人が、担いで下るようだ。

安否が心配である。
だが、私たちには、何一つできることがない。
私たちにできることは、無理をしないことだけだ。









行者のテント村に到着。










新しいテント。
冬用一人用のものを新調した。
ゴアでなく、内張り式。
なにより、軽いのが良いと思った。








今日は早起きをしたものの、なかなか眠れない夜であった。








翌日はこちら








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2008年1月13日横岳硫黄岳縦走










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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
横岳 (トシちゃん)
2009-01-22 09:45:41
今回のレポは大いに参考になりました、
ますます冬の横岳が遠くなりました。

>少しばかり、雪道の歩き方を覚えてくると、昨年や一昨年によくこんなところを通ったんだと思ってしまう。
運がよかっただけであろう。

自分も後から考えると「運がよかっただけであろう」という事がままあります。
お互い冬山に限らず山は注意して楽しんで行きましょう。

今度自分達が横岳に行きたくなったら 三脚マンさんにガイドをお願いいたします。
         
返信する
Unknown (しょもも)
2009-01-22 17:59:45
三脚マンさん、足が治ったようで良かったです。

いや~、厳しい世界ですね!
地蔵尾根は無雪期に登りましたが、この荒天の中
あそこを登り降りするとは・・

雪山始めても私には行けないなぁ。。
返信する
祝!復活! (テントミータカ)
2009-01-23 11:37:18
 三脚マン様、体調も回復されたようで良かったですね。ハラハラドキドキしながら拝見させてもらいました。私達が「厳しそうだな~」と眺めていた南八ヶ岳で頑張っていたんですね~、やはりタフだわ!。このルートは私達は歩けないので、こちらで疑似体験させてもらいます(笑)。
 ニューテントの具合いかがですか?。内張りテントを使った事がないので、本体生地内側の氷結の様子を教えていただけると有難いです。
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トシちゃん (三脚マン)
2009-01-25 13:27:48
コメントありがとうございます。

過去レポを読み返したりしますが、「自分は怖いもの知らず」などと反省する点が多いです。

トシちゃんも?
運がよかったと?
しっかりとした計画ですよね。
会津駒ヶ岳の時の機転の利いた判断、学びましたよ!

さりげないトシちゃんのコメントアドバイスも、受けっとってますよ。

ガイドなんてまだまだできませんが、経験のあるトシちゃんたちが望むのであれば、参上いたします。

お互い、慎重に行きましょうね。


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しょももさん (三脚マン)
2009-01-25 13:34:26
コメントありがとうございます。

天気が悪くなると、雪山の難易度は激変しますよね。
ホワイトアウトによる道迷い、寒さなどなど。
注意をしないといけまけんね。

足の調子はもう大丈夫です!
全快と行きたいところですが、今度は土日の予定が入って・・・。
しばらく山は、お預けになりそうです(涙)

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テントミータカさん (三脚マン)
2009-01-25 13:57:40
コメントありがとうございます。

ミータカさんたちは、甲武信ヶ岳でしたね。
天気も良かったようで、うらやましく思います。
あの予報だったら、八ヶ岳も晴れると思ったんですが・・・。
大ハズレでした。

内張りテントの本体内側は、凍りませんでした。
その代り、内張りがビッシリ凍りつき、触るとパリパリ落ちてきてしまいました。
本体(外張)は、フライシートの役目のようなものです。

ゴア+フライと比較しても寒くもなく、まあ、暖かくもなかったです。
重量が軽いです。
なにより設営が格段に楽でした。
寒い中、フライ(外張)設営は辛いですもの。
一発で内張と外張(本体)が立ち上がり、悪天の時など、感動ものだと思いますよ。

独りで雪山の時は、今後これを使っていこうと思います。
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にゃるほど~ (テントミータカ)
2009-01-27 21:11:49
三脚マン様、お答え戴き有難うございます!。
 重量が軽く設営が楽なのは良いですね。一人用なら狭い空間もすぐに温まりますしね。どんな具合か?まるっきり想像がつかなかったのでぶしつけな質問で失礼しました。
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テントミータカさん (三脚マン)
2009-01-29 00:24:14
コメントありがとうございます。

答えになっていたのか、心配でしたが(苦笑)

この季節、ゴアであろうがなかろうが、どちらにせよ、内側は凍ってしまいます。
変わらない(ゴアの機能は働いてない)と思います。

設営は楽です。
おっしゃるとおり、、狭いとすぐあたたかくなりますね。

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Unknown (atsu510)
2009-03-10 09:17:26
縦走してきましたよー。
レポはまだですが。
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atsu510さん (三脚マン)
2009-03-11 00:05:23
コメントありがとうございます。

行ってきましたか~?
お疲れ様でした!
なかなかのコースだったのでは?
達成感は格別だったことでしょう。

レポ、楽しみにしていますね。
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