わい：あんたたちが心配するヤロウから、鎖でつないできた
もっとも、その気になれば引きちぎるだろうがね、
みな：さ、さっきの悲鳴は……、
わい：あ、ごめん
トイレの窓から入り、ここへ来る途中、廊下の角に鏡があってな、わい、そこに映った顔見て、びっくりしてしモウテ、…よう見たら、自分やった
みな：ア、アホな……お、オマエ、霊やろ、鏡に映るのんけ、
わい：萩尾さんのバンパネラ(吸血鬼)の話、知らんの？ 気をつけたラ、鏡に映る能力があるんやデ、
みんな：気をつけたラて、それ、自分で意識して映ったんやんか、さては謀(はか)ったな、
わい：気をつけーーっ！
みんな、しゃんとして立つ、：な、なんやなんや、
わい、にこっとして：おめでトウ、第２次審査、合格や
みんな ちょっとあわてとったけド、わしがわざと鏡に映ったの、見破ったな、
みな：それが、試験かよ！ まるきり、マンガのまね、しとうんのとちゃうのんけ、
わい： そんなことはない…
みな： あっ、そうヤ！ 犬の影は！ 3匹いたで、
わい、後ろを振り向いて、：おいで
(廊下の影から、あのネコが立ってよちよちと歩いて姿を表す
アタマに犬の顔の形の帽子をかぶり、2匹の犬のぬいぐるみを、両前足で胸に抱えている)
みな、脱力して：なんや、これかよ！ ふざけるのもほどほどにしろ！
人が、どんだけ驚いたと思ウンヤ！
わい、急にまじめな顔になッて：あンたらを、犬に慣れさせよう、思ウテナ、
実はさっき、ケルベロスが誰かに頭踏まれたて、怒ってたので、つれてきた
駐車場の入り口に、鎖でつないデル、そろそろちぎる頃や
皆、顔面蒼白になッて：な、なにィーーっ！！！
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