ある女の、コール&レスポンス?

日々、心の琴線にふれること、そして、それについて書きつける。音楽のように言えたらええのだけど…

6月16日のお遍路さん

2015-06-29 | 行き会った人たち
私の住まいから図書館に行く途中、遍路道を通るので、お接待(お節介?)に飴ちゃんを常備するつもりが
数年来の習慣を、なんでか、その日は忘れてしまい、
そくった~会ったらお飲物代をお接待しよか…雨だから、いなかったらいいんだけど…と、
お堂のあずまやを覗くと、ああ、おりますがな。歩き遍路のような風体の男性が。

遠目にはアウトドア系の人のように見えたから、お接待を嫌がられる可能性も見越して…それなら代わりにお賽銭をお願いするために5円玉をにぎりながら、「お接待さしてもらいましょ。これで、飲み物でも」と言って、渡すと、喜んでくれたので、安心しながら、
どこからおいでたんですか…などと一言二言交わすつもりが、お話をされたい様子で、時間もあったので聞いていると、鳥取からしまなみ海道を伝って歩きで四国まで来て、托鉢だけで一年に一度回られているというお話。…いろんな人がいる…と思いながら聞き続けていると、神戸の震災で家族をすべて亡くされて、それからは、郷里で寺男(?)をしながら合間のこの時期にご供養に回られているそうで、「そうか、もう今回で20回になるな。娘は生きていたら27歳になるんだ。」というお話には、さあ、これからというときに家族も何もかもが無くなったらと思うと…なんともやりきれない気分になった。

明朗な人ではあったのだけど、元気をだして…と言いたいのかなんだかわからない気持ちで帰る途中、
スーパーに通りかかり、ふと、「昨日、誕生日だったんだ。お大師さんと同じ日だよ」と言っていたことを思い出し…あの人、誕生日をお祝いしてくれたら心からうれしい人はもうおらないのかも知れないと思うと、いてもたってもいられなくて、ゆうても、お遍路さんにはおうどんやおにぎりやお茶かなと思いながら
買ってお堂にもどり、「誕生日プレゼントです」と渡して帰ったのだけど

あの人どこまで打っただろう…。

1 コメント

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偶然、お初に・・・ (yo-サン)
2019-05-05 13:57:38
失礼します。
なかなか読ませる文章です。つい、ほろりと。
書き手の文才もさることながら、感性の然らしむる
ところでしょうね。

また、ゆっくり訪いたいと思いつつ、今日はこれにて。
どうも有難うございました。
(勝手ながら読者登録させて頂きました。ご寛容に。)
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