伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

市民生活からみた復興の総仕上げはまだ先_市議会2月定例会代表質問_Vol.2

2020年03月10日 | 市議会
※代表質問は、40分の持ち時間で一括質問と一括答弁後、10分の持ち時間で再質問、再々質問をできる形式で執行されます。議事録の形式で表記すると質問と答弁がつながらないため、ブログでは質問に対する答弁をつなげて表記し、分かりやすくしました。このため、「次に」など質問の接続に使われる文言など省略した部分もあり、発言そのままの形ではないことをご了承下さい。





2 市長の年頭所感と新年度予算案等について
(1)本市新年度予算案の特徴等について



伊  藤
 次に年頭所感と新年度予算案等について伺います。
 今議会に提出された総額1,489億7,889万4,000円の新年度一般会計予算案には、「未来につなぐいわきの復興・創生予算~災害を克服し、共に創る『いわき新時代』~」をスローガンとして、「『いわき新時代の』の礎」となる、「魅力あるいわきの創生に向け『共創』によるまちづくりを進めていく、としております。

 そのために予算編成では、一つには財政の健全性を保つとしています。財政の健全性を保つために、どのような点に留意されて予算編成を行ったのでしょうか。

財政部長
 市長の年頭所感と新年度予算案等についてのうち、本市新年度予算案の特徴等にかかわって、財政の健全性を保つために、どのような点に留意して予算編成を行ったのかについてのお質しございますが、
令和2年度当初予算においては、
少子高齢化の進行や幼児教育無償化等により社会保障関係経費が増加し、「扶助費」が過去最高の予算規模となるなど、「義務的経費」の増加を見込んでいるところであります。

 こうした状況においても、「復興の総仕上げ」に向けた取り組みを、引き続き復興関連事業に対する財政措置を最大限活用して進めるとともに、
令和元年東日本台風(台風第19号)等による災害対応については、通常よりも手厚い国の補助制度や災害復旧事業債を、
災害を克服する力強いまちづくりのための防災・減災対策については、元利償還金の7割が地方交付税により措置される有利な地方財政措置を積極的に活用するなど、
財源の確保に手を尽くしながら、財政の健全性の確保に努めたところでございます。

伊  藤
 二つには市民福祉の増進と将来世代への責任を同時に果たすとしています。そのための予算編成とするために、どのような点に留意されたのでしょうか。

財政部長
 市民福祉の増進と将来世代への責任を同時に果たす予算編成とするために留意した点についてのお質しございますが、
令和2年度著書予算におきましては、復興の総仕上げを最優先で進めるため、前年度を上回る予算を確保するとともに、その先を見据え、「いわき新時代」の礎を築いていくため「スポーツ・健康・エネルギー」の3つのテーマについて、市民のみな様との共創により重点的に取り組んでいく外、地域創生を実現するための予算を編成したところでございます。

 その上で、将来世代への責任を果たすための税制運営の指針となる「新・市総合計画基本計画に掲げる財政目標」への対応についてでございますが、令和元年東日本台風(台風第19号等)による災害に係る復旧・復興や、災害を克服する力強いまちづくりに対応するため、一時的に市債発行額は増加する者の、これまでの計画的な財政運営により、市債発行を抑制してきたこともあり、市債残高についての目標は達成することが見込まれることに加え、市債の活用にあたっては、防災・減災・国土強靭化のための有利な起債の活用により、将来世代の負担の抑制に努めたところでございます。

 また、将来の災害等に備えて一定額を保有すべき財政調整基金の残高については、令和元年東日本台風(台風第19号)等による災害に適切に対応するため、臨時的に補正予算を計上し、その財源確保のため、多額の財政調整基金を取り崩したところでございますが、財源の確保に手を尽くし、新年度予算案の編成時点においても、目標の下限額である30億円を確保したところであります。

伊  藤
 三つには、東日本大震災の復興の総仕上げを最優先で進めるとしています。総仕上げを最優先とするためにどのような事業に取り組むのか、お伺いします。

財政部長
 東日本大震災の復興の総仕上げのために取り組み事業についてのお質しでございますが、
復興の総仕上げに向けた取り組みについては、最優先で進めることとし、具体的には、農業用ため池の放射能濃度の低減対策事業や、原発事故の影響により、清掃センター敷地内に一時保管している指定廃棄物以外の焼却灰の処理などについて、令和2年度中の完了を目指して取り組むほか、
四ツ倉駅周辺の既成市街地と災害公営住宅・復興公営住宅の建設にともない居住人口が増加している新たな市街地との連携強化に向けて跨線人道橋の整備を進めることとし、
福島再生加速化交付金などの必要な財源を確保したところでございます。

 また、原発事故により大きな被害を受けている本市水産業の再生に向け、
地域ブランド「常磐もの」を育成するための、若い世代を対象とした体験学習の実施や、
水産物等の掘り起こし・磨き上げによる、名産品としての選別化などを図るとともに、
引き続き、農林水産業の風評被害対策に取り組むなど、
復興・創生機関の最終年度に向けて、前年度を上回る予算を確保したところでございます。


(2)年頭所感と災害を克服する力強いまちづくりについて

伊  藤
 市長は1月7日、年頭所感を公表しました。私はこの年頭所感を読んで、「災害を克服し共に創る『いわき新時代』」というタイトルとは裏腹に、災害克服の力強さも、新しい時代への希望も膨らませることができませんでした。

 昨年12月定例会でも述べたように、台風の被災者は被災直後から生活再建への手がかりを手探りしていました。その被災した市民が希望を持てるように、年頭所感では、本市が災害復興や市民の暮らしの復興への支援にどのように力を尽くすのか、具体的に率直に語られることが待ち望まれていたように思います。

 しかし、肝心の災害への対応に関しては、多くの部分を昨年末に設置した検証委員会の結果を受けた対応に先送りしてしまいました。ここに、所感の上滑り感を強く感じておりました。

 そこでまず、年頭所感を公表する意義はどのようなものなのか、市長のお考えをお示しいただきたいと思います。

市  長
 年頭所感と新年度予算案等についてのうち、年頭所感と災害を克服する力強いまちづくりについてに関わって、年頭所感を公表する意義についてのお質しでありますが、年頭所感は、新年を迎えるにあたり、前年を振り返りつつ、今後の市政運営にあたっての私の想いや決意、基本的な考え方をまとめたものであります。

 本市においては、市以和貴まちづくり基本条例に掲げる「情報の共有」が、共創のまちづくりを進めていく上で極めて重要なものと認識しておりますことから、年頭所感につきましては、例年、新春市長記者会見において私自らがその想いを伝え、公表している外、市ホームページにも掲載するなどしながら、広く市民や事業者のみな様と共有させていただいているところであります。

伊  藤
 新年を迎え1月には、例年に見られない異常な気象状況を体験しました。28日から降り始めた雨は、翌29日の11時までに気象庁のアメダスで143mmを観測するなどの大雨になり、大久川及び仁井田川沿いの住民に避難勧告が発令されました。

 極めて異例な大雨ですが、地球温暖化が進み、これに伴う気象変動が引き起こされていると指摘されている昨今を考えれば、これまでの常識では推し量れない事態が引き起こされても何の不思議もないと思えます。

 昨年本市に被害をもたらした台風の襲来も、その原因は、海水温の上昇などの気象変動の影響と考えられており、今後は過去の常識にとらわれない対応が重要になっていると考えられます。近年4月の大雨被害もわが市では体験しております。

いつ災害が来るか分からない。あるいはいつでも災害が発生する可能性がある。この観点にたてば、災害対応の準備は待ったなしで進めることが必要だったはずであります。

 年頭所感で、台風第19号等による災害対応について検証委員会の検証結果を踏まえて改善すると先送りしてしまったことは、被災者の暮らしと生業の再建の障害になり、スピード感に欠ける対応となってしまったと考えます。

本年1月の大雨という異例の気象状況も踏まえ、被災住民をはじめ市民に安心感を持って暮らしと生業の再建に早期に取り組んでいただけるように、本市はどのように対応していく考えでしょうか。

危機管理監
 市長の年頭所感と新年度予算案等についてのうち、年頭所感と災害を克服する力強いまちづくりに関わって、暮らしと生業の再建に向けた市の対応についてのお質しですが、
市といたしましては、市民のみな様に安全・安心に生活していただけるよう、速やかに実施できる災害対策については随時改善に努めているところであり、
その上で、本市の災害対応に関する取り組みや災害対応体制の強化に向けた検討をあわせて行いながら、今後の防災対策に反映させることを目的に検証委員会を設置し、昨年12月24日に第1回会議を、今月12日には「情報伝達のあり方」を議題とする第2回会議を開催したところであります。

 今後、被災された方々に対する、避難行動等に関するアンケート調査や関係者等に対するヒアリング調査等を実施し、各課題毎に状況の確認、課題の整理等、検討を行い、本年夏ごろには最終報告を取りまとめてまいりたいと考えておりますが、
早期に取り組むべきものについては中間的な取りまとめを行いながら、速やかに実施するよう努めてまいりたいと考えております。

 また、被災されたみな様の生活再建に向けましては、暮らしの基盤確保を図るため、「民間賃貸住宅借上げ制度」や、「住宅の応急修理制度」による住まいの確保とともに、被災者生活再建支援金等の支給や、市税、保険料等の減免などの支援策に取り組み、
あわせて、被災された多くの事業者のみな様に対しましては、県の豪雨災害特別資金を活用する際の信用保証料や利子補給の補助をはじめ、事業継続を支援するための奨励金交付など、
また、農家のみな様に対しましては、農地等に流入堆積した土砂等の撤去や被災した農業施設などの撤去・再建等への助成など、営農の早期再開に向けた支援等にも取り組んでいるところであり、
被災されたみな様が、一日も早く、生活再建・生業再建が果たせますよう、引き続き、様々な支援に取り組んでまいりたいと考えております。

伊  藤
 私は、年頭所感では、市独自の災害対応の改善と並行して検証委員会の検証を進め、検証委員会の検証結果で災害対応の総仕上げを図るとうい観点で具体的対応も盛り込み、被災者、そして市民の安心を確保し、生活や生業再建に意欲を持ってもらうという観点が必要だったと思います。

 さて、本市は福島県に対し被災した堤防等に関して、もとに戻すだけの原型復旧ではなく、河道掘削や堤防がない区間の築堤なども含めた改良復旧を求めています。

 県は、改良復旧に含みを持たせながら査定をすすめており、次期出水期までには被災堤防等の復旧作業を終える目標をもって作業を進めていると聞いています。

 年頭所感は、「災害からの復旧」の今後について、「発災前よりもさらに強靭な防災・減災の仕組みが必要不可欠」とし、新年度一般会計予算案では、「台風第19号等による災害からの復旧と災害を克服する力強いまちづくりに重点的に取り組む」としています。

 新年度予算案で災害を克服する力強いまちづくりには、具体的にどのような事業が盛り込まれているか、お伺いします。

財政部長
 年頭所感と災害を克服する力強いまちづくりについてのうち、新年度予算案において、災害を克服する力強いまちづくりとして、具体的にどのような事業が盛り込まれているのかについてのお質しでございますが、
今般の令和元年東日本台風(台風第19号)等による被災の状況を踏まえ、浸水被害を未然に防止するため、準用河川や普通河川における護岸の改修や堆積土砂の撤去等を行う「河川改良事業」について、事業費を大幅に増額して実施するほか、
消防力を強化し、安全・安心なまちづくりを進めていくため、消防車両や消防団施設の充実・機能強化を重点的に行なうこととしております。

 また、これらの取り組みに対して、
「河川改良事業」については、「緊急自然災害防止対策事業債」のほか、
令和2年度から5年間の措置として新設される「緊急春節推進事業債」を、
消防力の充実・強化については、「緊急防災・減災事業債」を活用するなど、
防災・減災、国土強靭化のための緊急対策に係る時限的かつ有利な地方財政措置を積極的に活用し、必要な財源を確保した上で、予算を充実しているところであります。


(3)復興の総仕上げとトリチウム水への本市の対応について

伊  藤
 「復興の総仕上げ」という時に、本市の事業のみの視点から語ることは、はなはだ不十分という印象をぬぐえません。

 東日本大震災は、巨大地震と津波による災害に加え、東京電力福島第一原子力発電所の炉心溶融と放射性物質の放出という災害が加わった、人類が体験したことがない最悪の災害でした。原発事故という災害の特殊性ゆえ、長期にわたる被害をもたらし続けることが予想されます。

地震や津波による被害に対応するハード面での市の復興事業は、確かに収束に向かいつつありますが、被災地のコミュニティをどう取り戻すかという地域づくりの課題も残っているなど、被災地や住民的な観点から見た「復興の総仕上げ」は、まだまだ先のことと思われます。

 1月22日放送の羽鳥真一のモーニングショウで「継ぐ女神」のコーナーに、四倉町の大川魚店が登場し、震災とお店の再建を地域の復興につなげようという店主ご夫妻の思いが感動をもって紹介されていました。番組のなかで、被災地の住民が「失ったものがもとのように復旧することによって元気を取り戻せる」と語っていました。このことからも、津波被災地にコミュニティを取り戻すことをもって初めて「復興の総仕上げ」を一段進めたと胸を張ることができるものと思います。

 本市が始めた「空き地バンク事業」によって、被災地に人が戻り、まちとコミュニティが再建されることを心から願いたいと思います。

 また、事故原発の廃炉作業が続く現実を踏まえると、この面からも「復興の総仕上げ」はまだまだ先の課題と思わざるをえません。

 そこでまず、市長は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関して、年頭所感では「汚染水対策も含めた廃炉の取り組みや適正な損害賠償の実施等」について、「引き続き、国及び東京電力に対して、確実に実施するよう、私自ら強く申し入れる」としています。
これまでどのようなことを申し入れ、
どのような成果があったと捉えていらっしゃるのか、うかがいます。

危機管理監
 復興の総仕上げとトリチウム水への本市の対応に関わって、国及び東京電力に対する申し入れの内容とその成果についてのお質しでありますが、
市では、これまで国及び東京電力に対し、福島県内すべての原子力発電所の廃炉決定及び福島第一原発の廃炉作業の着実な推進と確実な安全対策、また、汚染水対策の確実な実施、さらには、適正な賠償の実施等について、様々な機会をとらえて求めてきたところであり、
直近では、先月28日に、市長自ら東京電力本社を訪れ、小早川代表執行役社長に対し、責任を持って廃炉作業を安全第一に進めること等について求めたところであります。

 こうした中、使用済み燃料の取り出しなどの各種廃炉作業は、作業の見直しや、再発防止に向けた対策等が行われながら安全に進められ、
また、来年度からは安全確保体制の強化に向け、東京電力社員の増員が図られることが明らかになり、
さらには、福島第二原発の正式な廃炉が決定するなど、
これまで本市が再三にわたり粘り強く求めてきた事項について、一定の進捗はあったものと認識しております。

 市といたしましては、今後も引き続き、市民のみな様が安全・安心に生活できるよう、様々な機会をとらえて、国及び東京電力に対して、廃炉作業における確実な安全対策の実施等について、求めてまいりたいと考えております。


伊  藤
 「復興の総仕上げ」を考える時に、今、社会的にも大きな問題になっている、汚染水を処理した後に残るトリチウムを含んだ処理水の問題を脇に置くことはできないと思います。

 常磐沖での漁業という市民の生業を復興させるためには、トリチウム水の処分から発生しかねない風評という問題と対峙せざるをえず、この風評の克服なくして生業の復興はおぼつかない状況にあるからです。

 今後の原子力発電所事故からの復興を見据えた時、現時点での大きな課題の一つであるトリチウムを含んだ処理水の処分方法に関して、資源エネルギー庁が設置した小委員会は、薄めて海洋放出、水蒸気にして大気放出する案を「現実的な選択肢」とし、海洋放出については「社会的影響は特に大きくなると考えられる」とする指摘も含む報告書をまと、資源エネルギー庁が県内等でも報告会等を行っています。

 復興を進める上で避けて通れないトリチウムを含んだ処理水への対応に、市長はどのような考えを持って臨むのでしょうか、お示しをいただきたいと思います。

市  長
 復興の総仕上げとトリチウム水への本市の対応に関わって、トリチウムを含んだ処理水の対応に対する本市の考えについてのお質しでありますが、
トリチウムを含んだ処理水、いわゆるアルプス処理水の取り扱いは、国が責任を持って取り組むべきものであり、また、漁業や観光業等、市内の様々な産業に影響を与える問題であることから、
市といたしましては、今後、国東京電力は自ら前面に立ち、選択する処分方法やその安全性、さらには具体的な風評対策やその効果等について、最大限の努力を行いながら住民や関係者の理解を得ることが必要であると考えております。

 こうした考えのもと、今月19日に開催された国の廃炉・汚染水対策福島評議会において、私自ら、国が住民理解に尽力すること等、責任ある対応を行うよう求めたところであり、今後も引き続き、国や東京電力に対して、機会を捉え強く求めてまいりたいと考えております。

伊  藤(再質問)
 トリチウムのことなんですけど、答弁の中で、市長、今までいろいろと言ってきましたよということで、これまでも住民理解を求めるし、今後とも求めていくんだ、というお話があったんですけど、この住民というのが何を指すのかが不確かだったので、あらためて質問するんですけれども、私は以前に市議会に設置されていた「東日本大震災復興特別委員会」の委員を務めておりまして、この委員会が経済産業省資源エネルギー庁と東京電力の出席を得て、2014(平成26)年4月23日に開いた会議で、当時問題になっていたのが地下水バイパスの問題でしたけれども、これを取り上げた会議の中で、事故後の報道で読んだ、事故前の原子炉からもトリチウムが放出されていたという記事の内容を確かめるための、第一原発から、トリチウムの放出について質したことがありました。

 東電の担当者は、年間に水として約2兆ベクレル、水蒸気としても同程度、合計約4兆ベクレルを放出していて、管理目標値は年間22兆ベクレルとなっていると、このように答えていたんですね。また、国の担当者はトリチウムを放出して良い規制値は水1リットル当たり6万ベクレルだと、このように答えていました。どちらも天文学的な数字でですね、かなり大きな数字に見えるんですが、科学的に見た時に大丈夫だと国が判断している基準になっているわけですね。

 東電や国がトリチウム処理水を環境に放出する計画を立てる背景、ここには、やはり基準値であれば稼働する原発からも放射性物質が放出されている、トリチウムが放出されている、こういう事実があるからに違間違いない。いうふうに、私思っているんですね。



 地下水バイパス計画の場合には、1,500ベクレル以下の水を放出する計画の第1義的責任は東電にあるんだ、そして国も責任を持って実行していくんだ、このようなことを言っていましたけども、
結局ね、こういうことを国とか言っていてもですね、漁業権の関係で、結局、漁業者に同意の判断が求められているということになってくると、一般の世論は、漁業者が許可したから放出されたんだって、漁業者に批判が向いていく状況になりかねないってこともあって、
こうした批判が漁業者に批判が向かないようにするためにも、また、風評被害対策上からも、原発からトリチウムが放出されてきた事実等を国や東電が国民向けに、国民全体に向けて説明して、安全に対する国民の理解をひろげることが大事なんだ、このように求めた経過がございました。
国担当者は「貴重なご意見をいただいた。検討させていただきたい」、このように答えておりましたけれども、その後、地方紙の記事等では関連記事の末尾にトリチウム排出の事実が2、3行程度記載しているのはたびたびありましたけれども、全国的に国民に理解を広めるという観点からはですね、本当にやられているんだろうか。私、こういう疑問を持っているんですね。

 それで、先ほど、市長、住民に国や東電が理解を求めていくんだっていうふうに言っていたんですけれど、福島県の、いわき市の住民っていうことで考えれば、原発事故後にいろんなことを学んできていますから、学んだ結果としてここに住むっていうことを選択していますから、これは、まあ、だいぶ理解も広がってきているんだろうな。

 じゃ、全国、どうなんだろう。全国のところで理解が広がってこないので、なかなか風評っていうのがおさまっていかないっていう状況もあるんだろう。だから、国や東電がやるべきなのは、被災地である福島県やいわき市に対して説明をするのではなくて、全国に向けて、これまでの歴史的な原発稼働時の状況、それからトリチウムそのものの安全性なりの科学的な説明、こういうことをしっかりやって理解を広げていかなければならない。ここにあると思うんですね。

 ですから市長が先程言った、住民理解の住民というのは誰を指すのか。全国の住民に向けて、それを国と東電がやれって求めていくのか、そこの点についてお答えいただきたいというふうに思います。

市  長
 トリチウムを含んだ処理水への対応についてのお質しでありますが、先程伊藤議員がおっしゃられた住民とは誰だということにつきましては、先程の私の答弁における住民とは近隣の市町村民という意味でございます。

 そういった中でですね、先日行われました廃炉対策福島評議会においてでありますが、浜通りの首長、私もそうでありますけれども、処分方針を決定していくにあたっては、まずはトリチウムが人体に与える科学的性質や国内外における処分実績等について、国民のみならず、世界に対する情報発信を強化すべきだという意見が多数寄せられました。私もそうだと思っております。

 これからも、国・東京電力に対して自らが様々な要望をさせていただきたいと思っております。

伊  藤(再々質問・要望)
 ぜひ、全国民に向けての向けてのアピールということをおっしゃて頂くことをお願いします。


市議会2月定例会代表質問_Vol.3に続く





代表質問・他の質問内容

■景気後退の局面・市民生活の影響は_市議会2月定例会代表質問_Vol.1

■新型コロナウイルスの現状と備えは_市議会2月定例会代表質問_Vol.3

■遠野支所の耐震改修に関わり住民の声の反映を_市議会2月定例会代表質問_Vol.4

■教員の変形労働時間制「慎重に見極めることが重要」と教育長_市議会2月定例会代表質問_Vol.5

■代表質問発言全文はこちら「代表質問に立ちました。とりあえず発言原稿を掲載します。」


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