伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

年頭所感にみる大型事業について / いわき市議会2月定例会代表質問4

2018年03月03日 | 市議会
 いわき市議会2月定例会の代表質問の4回目は、年頭所感にみる大型事業についてです。代表質問はまとめて質問、まとめて答弁となるため、議事進行の通りだと、質問と答弁及び再質問や再々質問との関係が、とても分かりにくくなるために、ブログ掲載にあたっては、質問に続き答弁、再質問及び答弁という形でまとめてあります。それにともなって、一括質問特有の答弁で質問を繰り返す部分など、一定程度発言をカットした部分がありますので、質問と答弁の趣旨は間違いありませんが、正式な議事録とは別物と思ってご覧いただけると幸いです。

 なお質問全文は、2月27日付の「いわき市議会2月定例会で一般質問に立ちました」に掲載しています。



4 年頭所感にみる事業について
           
伊 藤

 次に1月5日公表された市長の年頭所感にかかわりうかがいます。

 その内容を見て本市がどのような方向に進もうとしているのかをとらえた時に、若干の違和感を持たざるを得ませんでした。

 清水市長の4年間は、先にも述べた通り、イベント等が目につく4年間でしたが、今後、サモワ独立国とのホストタウン交流事業に関連して、総合体育館の改修が優先的に浮上してきたり、磐城平城一夜城プロジェクトが城跡公園の整備に関連して櫓建設の公約の先導役を担ったように見えることなど、イベントなどの華々しい事業が、いわゆるハコモノ行政を引き寄せるけん引役を担うことになっているのではないか、そんな危惧を覚えざるをえません。

 その中、年頭所感には、今回の議案の提案理由説明でも同様ですが、多額の補助金が見込まれる並木通り地区第一種市街地再開発事業を本格的に始動するための都市計画決定を本年3月を目途に行い、いわきFCが東北社会人リーグ2部に昇格したもとで、いわきFC等とも連携しながら、スポーツが持つ力を最大限に活用し、夢や感動、希望に満ち溢れたまちづくりの推進をうたい、清水市長が選挙の中で公約に掲げながら、市民的合意に疑問がある磐城平城の櫓の建設に関しても、市民各界各層の意見を聞きながら検討していくことなどが盛り込まれました。

 これらの事業の今後の取り組み等について伺います。


(1)いわき駅並木通り地区第一種市街地再開発事業など本市における第一種市街地再開発事業について

伊 藤
 まず、本市におけるこれまでの市街地再開発事業には、ティーワンビルと住宅棟であるグランディ・セーラムT1を整備した事業費88億円余の平一町目地区第一種市街地再開発事業及びラトブを建設した事業費172億円余のいわき駅前地区第一種市街地再開発事業がありました。それぞれフロアに公共施設が導入されています。これらの再開発事業に公共施設の導入を図ったのは、どのような理由があったのか、うかがいます。

都市建設部長
 交通結節点であるいわき駅に近接するとともに、商業機能や業務機能が集積するなど、複数の施設との相乗効果が得られる中心市街地の立地性を生かし、平一町目地区におきましては、生涯学習にかかわる情報及び機会を総合的に提供する生涯学習プラザや、消費生活関連事業の拠点として消費生活センターを導入したものであり、いわき駅前地区におきましては、本市の図書館ネットワークの中核施設として、多様な資料を収集・保存・提供し、郷土資料の収集や企画展示棟に積極的に取り組む総合図書館や、商業・産業を振興するイベント等を開催する拠点としての産業創造館、さらには行政のサービス向上を図る市民サービスセンターを導入したものであります。



伊 藤
 また、それぞれの再開発事業で、公共施設の導入を図らなかった場合の事業採算性は、どのような状況だったのでしょうか、お答えください。

都市建設部長
 平一町目地区及びいわき駅前地区市街地再開発事業においては、マンションやホテル、商業・業務等の施設に加え、公共施設が導入されたことにより、事業採算性はもとより、中心市街地にふさわしい複合型再開発ビルとしての魅力創出が図られるなど、官民一体となった取り組みによりまして、今日の中心市街地の活性化やにぎわい創出、さらには市民の利便性の向上に貢献しているものと考えております。


伊 藤
 これまで、本市がすすめた第一種市街地再開発事業の進捗状況を見た時に、結果として公共施設を導入しなければ、事業の採算性がとれないものだったということを見ることができると思います。そして、このことは、結果的に一般財源の支出という形で、市民負担を増大させてきた問題があったという事実を見ることができます。

 今後、いわき駅並木通り地区第一種市街地再開発事業をすすめるにあたって、民間の活力を最大限に生かし、余計な公共投資を招かなくすむように、本市としてこの事業にどのようにかかわっていく考えか、うかがいます。

都市建設部長
 昨年12月に策定したしました「いわき駅並木通り地区第一種市街地再開発事業基本計画」におきましては、一般向けマンション及びシニア向けマンションを整備するとともに、多くの人が質の高い都市的サービスを享受できる商業・サービス・業務施設に加え、公共施設としては、市街地の回遊性の起点となる公共駐車場や駐輪場を導入する計画としております。

 今後、準備組合におきましては、建築物の企画・設計・運営管理に関し、優れたノウハウを有する民間事業者を事業協力者として公簿・選定し、民間活力を最大限に生かしながら、具体的な施設計画の健闘や保留床の処分、テナントの誘致などを進めることとしておりまして、市も一体となって事業推進に取り組んでまいりたいと考えております。


(2)サッカースタジアムを軸としたまちづくりの可能性調査と市民的合意について

伊 藤
 次に、スタジアムを軸としたまちづくりの可能性調査等についてです。

 株式会社ドームが本市に進出し、ドームいわきベースの内覧会が開かれたおり、同社社長は今後の展開としてスタジアム構想などを語りました。同社は一般社団法人いわきスポーツクラブからいわきFCの運営権を譲り受け、いわきFCは今活躍しています。

 その中でサッカースタジアム構想が持ち上がり、本市は新年度予算にスポーツを軸としたまちづくりを見据え、スポーツを新たな経済エンジンとするためとして、スタジアム整備に向けた事業可能性の調査を実施する予算2,296万円余を計上しています。

 サッカースタジアム建設の全国的な例を見ると数百億円の事業となっていることから、本市にとって本当に必要なのかどうか、慎重な検討が必要ですし、市民的な合意形成を図ることも欠かせないと考えます。

 そこで、新年度に本市が行う事業可能性調査では、どのような内容について調査をする計画なのか、まずうかがいます。

総合政策部長
 当該調査におきましては、本市の地域特性やポテンシャル、スポーツビジネスを取り巻く環境変化などを踏まえつつ、その整備主体や整備手法、立地場所、規模や機能、さらには、整備後の管理運営体制などについて、客観的・専門的な見地からの調査及び評価を行うものであります。


伊 藤
 次に、サッカースタジアムを軸としたまちづくりには、事業のあり方も含めて広範な市民の合意が欠かせません。現時点での市民的合意の状況をどのようにとらえているのか、うかがいます。

 また、市民的合意を広げるにあたって、どのように取り組んでいく考えでしょうか、お答えください。

総合政策部長
 関連しておりますので、一括してご答弁申し上げます。
 スタジアムの整備にあたりましては、スポーツのみならず、本市の未来に向けた都市戦略としてとらえる必要があるものと認識しておりますことから、来年度実施する専門機関による事業可能性調査の中で、先ほどご答弁申し上げましたとおり、様々な角度から本市に求められるスタジアムのあり方について、幅広く検討を加えたうえで、市民のみな様のご意見を丁寧にお伺いしながら、市のかかわりのあり方について、適切に判断してまいりたいと考えております。


伊 藤(再質問)
 これからあり方について幅広く検討していきますというふうなお話でありました。求められるスタジアムのあり方を幅広く検討ということですので、これはもう作るということが前提というふうに今の話だと聞こえてくるんですね。

これは作ることが前提なのかそれともそのあり方の検討の中で作らないことも含めて、そこに市としては作っていかないということも含めて、そこからの検討なのかということも含めて、あらためてそのところを明確に答弁していただければというふうに思います。

総合政策部長(再答弁)
 スタジアム整備について方針は決定しているのかというような再質問だったかと思いますけども、現時点で決定しているものではございませんで、地域密着型プロスポーツチームをめざしているいわきFCの動向というものございますし、スタジアム整備ということになれば、いわきのまちづくりに大きく関わるような都市機能としてとらえていく必要がありますので、そういった意味で今後、事業可能性調査あるいは、先進地事例等をしっかりと踏まえたうえで、整備の必要性、あるいは市としてのかかわりのあり方等を適切に判断していくということでございます。


(3)(仮称)磐城平城・城跡公園の櫓整備について     

伊 藤
 次は、仮称、磐城平城・城跡公園の櫓整備についてです。

 磐城平城・城跡公園に櫓の建設を訴えた市長の公約に関して、11月定例会に、平地区の住民からさえ「お城が必要だと思っている人はいないのではないか。今はハコモノの時代ではない。人の暮らしにこそ税金を使うべきではないか」という声があるという質問がされました。市長は「市民のみな様から、ぜひやるべきだというような意見をお伺いしております。また、議員ご指摘のような意見も承っているところでございます」と、建設に賛同する声も、反対する声も受け止めていることを明らかにしております。

 市長は、今度の磐城平城・城跡公園の櫓について、年頭所感でも提案理由説明でも、これまでと同様、「市民各界各層の方々のご意見を十分にお伺いし、今後検討してまいります」としましたが、まずは本市の今後にとって必要な事業なのかどうか、広範な市民の合意が得られる事業なのかどうか、この点が検討されていかなければならないと思います。まずは、これが第一段階になると思います。

 仮に、ここで広範な市民の合意が得られて、本市にとって必要な事業と判断されたとして、次の段階には、どんな櫓を整備するのかが問題になります。

 2月2日のいわき民報に高橋真樹さんが寄稿しています。高橋明子前市議会議員の息子さんで、磐城平城が大好きで熱心に取材・研究をしながら「大好き!磐城平城」というWEBサイトを制作している方です。

 その寄稿には、磐城平城の三階櫓は、当初は外観が三重だったものが、やがて二重に改築されたと考えられるとして次のように記しています。

 「詳細な造形はまだ分からないことが多く、新たな史料を見つけ出さなければ解明できない。しかしながら私は『何とかその史料を探し出したいなあ!』そう考えている」。こういう記載であります。

 市長が言っている磐城平城の三階櫓は、どんな櫓として整備しようとしているのか。このことに警告を発しているのではないでしょうか。

 そこでまず市長は、三階櫓や八棟櫓(やつむねやぐら)、今回の質問では読み間違えませんでした(「当然だ」かな、ヤジ)、を教育に活用するとしていますが、どのような活用を考えているのか、うかがいます。

都市建設部長
 磐城平城の三階櫓、八棟櫓は、本市の歴史・文化を市内外に発信していくとともに、地域の誇りと郷土愛を育み、次世代を担う子どもたちや後世に継承するためのシンボルとして貴重な施設と考えており、その整備により、本市の子ども達が、遠足や校外学習の場等として本公園を訪れ、櫓を身近に感じることにより、本市の歴史への関心が高まるとともに、ふるさとへの愛着や誇りの醸成につながるものと考えております。


伊 藤
 次に、磐城平城・城跡公園の整備と櫓整備を活用した教育を通じて、子どもたちに故郷に対する誇りを育んでいくことを考えれば、三階櫓が史実とは異なるまがい物であっていいはずがありません。三階櫓、はっかい・・間違えそうなりました、八棟櫓の整備を「夢プロジェクト」として掲げた市長は、教育に活用するとした施設は、どのようなものがふさわしいと考えているのでしょうか、お答えください。

都市建設部長
 三階櫓や八棟櫓など歴史的建造物の教育への活用には、可能な限り史実を忠実に再現することが望ましいと考えております。


伊 藤
 三階櫓等の整備は、その姿形も含めて歴史的な検証に耐えうる史料が明らかになって以降に検討するべきと考えます。市長の見解をうかがいます。

特定政策推進監
 歴史文化によるまちづくりの推進に向け、新たに、いわき市文化財保護審議会やいわき地域学会等、本市の歴史や歴史資料に深い知見を有する専門家からなる「文献等調査会議」を設置し、磐城平城が築城された背景、城や磐城平藩が担ってきた役割などについての調査を進めることとしており、議員お質しの三階櫓等も含めまして、磐城平城の往時の姿についても検証してまいりたいと考えております。



 以下は本ページに掲載した以外の代表質問です。

■いわき市議会2月定例会代表質問1 / 市長の公約等に対する姿勢について

■いわき市議会2月定例会代表質問2 / 復興に向けた取り組み

■いわき市議会2月定例会代表質問3 / 市民生活を守ることについて

■いわき市議会2月定例会代表質問5 / 学校現場における業務の適正化等について

■いわき市議会2月定例会代表質問6 / エネルギー先進都市をめざすことについて

■いわき市議会2月定例会代表質問7 / 平和を築く情報発信について 


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