介護の技術・知識のまとめ

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体温維持機能の変化

2021-03-21 10:48:56 | 高齢化による体の変化

体温調節の仕組み

  1. 身体内・外部の温度受容器からの情報が脳に伝達される
  2. 大脳や間脳の視床下部が指令を出す
  3. 大脳は、衣服や室温の調節など、随意運動による調整を行う
  4. 視床下部は自律神経系や内分泌系の中枢であり、産熱や放熱の指令を出す。内分泌系は主に代謝促進による熱産生を行い、自律神経系は主に発汗、血管拡張による熱放散を行う(血管収縮による熱放散防止も行う)
  5. 熱の産生は、主に骨格筋で行われ、血管を収縮させて血流量を減らし熱の放散を防いだり、シバリングにより筋肉を動かし熱を産生する
  6. 熱の放散は、皮膚の末梢血管を拡張させて体熱を放散したり、発汗により放散する

 

高齢期の体温の特徴

  • 高齢になると基礎代謝が低下し、30~40台と比べると男性で20%、女性で15%前後、熱産生量の低下が見られる
  • 筋肉量が減少し、熱産生が減少する
  • 末梢血管の収縮反応が遅くなり、熱の放散が起きやすく低体温になる
  • 骨量や筋肉量が減少し、活動の低下につながり、骨格筋による熱産生が減少する
  • 暑さ、寒さを感じにくく、反応するにも時間がかかるようになる

以上、高齢者が低体温になりやすい特徴

  • 加齢とともに、動脈の壁は弾力を失い、硬くなり、血流が衰える
  • 体温調節中枢の機能が低下し、発汗を促す自律神経からの汗腺への指令が遅れる
  • 成人の体の総水分量は約60%であるが、男女ともに10%減少し、水分不足が起こりやすくなる
  • 腎機能の低下により、尿の濃縮機能低下が起こり、尿量が増し、体の水分が減少する
  • 口渇感が減り、水分摂取量が減少する
  • 高温の環境に置かれた場合の核心温(身体深部の温度)の上昇度が若い人より大きくなり、熱中症にかかりやすくなる

以上、高齢者が脱水や熱中症になりやすい特徴

 



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