介護の技術・知識のまとめ

研修で学んだこと、職場で経験したことなどをまとめた場所です

車いす介助のポイント

2021-03-27 16:48:09 | 生活支援技術

車いす介助の留意点

  • 脇をしめて押す
  • 全身の体幹を使う。腕だけに負担をかけないように
  • 利用者に不安を与えないように、積極的に声掛けをして、同意を得る
    特に局面が変わる時(坂道、段差、でこぼこ道、など)はより丁寧な声掛けを
  • 利用者の姿勢の安定に注意
  • 利用者の手は、前に置いてもらう。車輪への巻き込み防止
  • 座り心地より移動を重視した構造であることに留意する
    特に、食事には適さない

車いすの介助にあたって準備しておくこと

  • 服装は動きやすく、靴はすべりにくく、かかとの低いものを履く
  • 利用者を傷つけるような危険なもの(ブレスレット、ネックレス、腕時計、など)は身につけない
  • 手荷物はウエストポーチやリュックサックに入れる
  • 外出時は、タオル、ひざ掛け、帽子、飲み物、雨の日はレインコートを準備する

 

 


質の良い睡眠をとるコツ

2021-03-27 15:40:18 | 生活支援技術

質の良い睡眠をとるコツ

前提:寝る場所は「暗くて、静かで、暖かい」こと

  • 同じ時刻に毎朝起床する。寝だめはしない
  • 朝食を食べ、朝日を浴びる(2500ルクス以上、照明でもよい)
  • 日中は、軽く体を動かすようにする
  • 寝不足の時は、10~15分の昼寝が有効
  • 寝る前の激しい運動や夜食はやめる
  • 夕食後は、カフェインを含むコーヒーやお茶は控える
  • 寝る前に、パソコン、スマートフォンなど液晶画面を見すぎない
  • 寝るための飲酒は不眠のもと
  • 寝る前は、ぬるめの風呂や軽いストレッチ体操や、音楽鑑賞などでリラックス
  • 朝起きた時はよく寝たと思え、昼間眠くならなければ、睡眠時間はあまり気にしなくてよい

看取りケアの留意点

2021-03-27 09:27:19 | 生活支援技術

事前に必要なこと

  • 本人と家族の意向を十分に把握しておく
  • 施設の方針を職員全員で共有する
  • 施設ができることの範囲を本人と家族に了解してもらう
    可能な医療行為の範囲、土日や夜間の勤務体制、緊急時の対応や連絡方法など

日常のケアにおいて

  • バイタルサインの確認と適切な処置
  • 身体の清潔の維持(特に排泄ケア)
    本人家族の希望に沿うケアを提供できるように
  • 適切な水分と栄養補給
  • 疼痛苦痛の緩和、薬の効き具合の観察

身体変化の観察ポイント

  • 疲労感や虚弱感を訴えることが多い
  • 体温が低下し手足が蒼白で冷たくなる。ただし、電気毛布などでの保温は不要
  • 心拍数が減少したり不規則になる
  • 呼吸が不規則で深さも乱れ、苦痛に見える呼吸になる。呼吸が浅くなると脳が低酸素状態になるため、実際に苦痛はそれほど感じない。状況によっては医療職から家族に説明してもらう
  • 血圧は低下する
  • 意識状態は徐々に低下する。しかし、最後まで意識がしっかりしている場合があるので、言動には注意する。特に聴覚は最後まで残っているとされる
  • 死前喘鳴が現れる。痰がからまっているような音がして苦しそうだが、本人はそれほど苦痛を感じていない。実際、吸引できない場所でからんでいることも
  • 食事量や水分量が減る。口腔内が乾燥するため、保湿を心がけるとともに、誤嚥に注意する
    本人の「食べたい思い」と家族の「食べさせたい思い」に心を配る
  • 尿量が少なくなり色が濃くなる
    疼痛緩和のためのモルヒネは便秘になる傾向が高い
    急激な排泄(利尿剤や浣腸、下剤など)は急変につながることがあるので、使用時は注意する
  • 睡眠リズムが崩れる。一日中うとうとしていたり、夜も寝ずにいたりする
  • 痩せることによる骨の突出や皮膚のたるみ、浮腫、失禁などにより、褥瘡のリスクが高まる

メンタルケアの観察ポイント

  • 死の恐怖、孤独感、不安感、苦痛の緩和を大切に
    不安などを暴力や暴言で表現してしまう人もいる。その場合の対処法は事前に施設や職員間で検討しておく
  • コミュニケーションを重視する。死にたいとの訴えにどう対応するか、考えておく。
    「死にたい」との訴えには、まずは死にたい理由を聞いてみること。とにかく話を聞いて欲しいという思いを大切にすること。「死にたいなんて言わないで」は逆効果
  • プライバシーの保護に注意。家族だからこそ、互いに知られたくないことがある

医療職・他職種との連携

  • 職員や家族が「死」への理解ができているか。死に対する誤解をなくすように
  • 心身の変化の理解ができているか。職員と家族で状況を共有できるように
  • 緊急時の対応や医療職への適切な報告ができるか確認しておく。医療的報告は、正確に。あやふや・中途半端な専門用語を使わないこと。分からないことは分からない!
  • 身体の状態変化が早く、指示内容はどんどん変わるので、変更内容を周知徹底できるように
  • チームの一員としての連携をとるため、基本的な医学的知識は必要
  • 看取りケアは職員の心身も疲弊するので、通常以上の連携や協力が必要

家族への支援のポイント

  • 身体的精神的負担を軽減できるように
  • 家族の代わりの立場に立ってはいけない。家族関係への支援は必要でも、トラブルに立ち入ったり解決しようとしないこと
  • 家族の意思決定を誘導するような言動に注意
  • 家族が頑張れるための支援を心がける。家族が頑張った、という気持ちを持って、最後に後悔しないように。頑張ったことで看取った満足感を得ることも。ただし、心身の疲労で倒れてしまわないように注意する

 


睡眠を促進する介助

2021-03-27 09:01:41 | 生活支援技術

入眠力を上げる

  • 間接照明でメラトニン分泌を促進
    100ルクス以下(白熱灯一つ程度の光)でスムーズに分泌される
    白熱灯の黄色い照明が効果的
    夜9時以降は間接照明で過ごす
  • 昼間に日光を浴びてメラトニン分泌を促進
    日中に光を多く浴びると、夜間のメラトニン分泌が促進される
    30分程度の昼間のウォーキングなど、疲れすぎないような運動
  • 入眠準備行動の習慣化
    睡眠前の行動を習慣化すると、入眠不安が取り除かれる
    寝る前の行動(入浴、歯磨き、読書など)を毎日同じ時刻に同じ順番で行う
  • 入眠準備の工夫
    皮膚から熱を逃がし、深部体温を下げる
    入浴後はすぐに布団に入らない
    足が冷たい場合は、足浴や暖かい飲み物を摂る。手足が暖まると放熱している状態になる
    30分前に軽いストレッチをする

眠りの持続力を上げる

  • 寝る姿勢の工夫
    よい姿勢は、直立不動を横にした状態で、背中のラインはS字を描き、背中とお尻より腰が少し浮いた状態
    枕やマットレスの硬さや高さを調整する
  • 寝床内の温度の工夫
    快適な寝床内の環境は、温度33度、湿度50%と言われる
    枕や布団の素材を調整する
  • 寝返りのしやすさ
    寝返りは体圧分散、寝姿勢維持、寝床内環境の維持に重要なため、スムーズに行えるようにする
    掛け布団は軽く、敷布団は沈み込み過ぎないものを選択
    すべり過ぎて転落しないように工夫する

深く眠れる力を上げる

  • 放熱の促進
    深部体温、脳の温度が急激に下がると眠くなる
    入眠時に下がり始めた深部体温を放熱によってさらにスムーズに下げることで、深く眠ることができる
    深部体温を下げることで、脳を休息させる
    入浴によって末梢血管が拡張し放熱効果が促進される、ただし42度以上の熱いお湯は逆効果なので注意
  • 寝具による放熱の促進
    汗をかいて放熱するため、通気性や吸収性を考慮する
    天然素材の綿や絹などを取り入れる
  • 心身のリラックス
    副交感神経を優位にさせる
    鎮静作用のあるアロマやバスエッセンス、心地よい音楽を聴いたり、軽いストレッチなどが効果的

排泄ケアとの関連

  • 抗利尿ホルモン(排尿抑制ホルモン)は睡眠中に作られる
    そのため、眠れない時には、トイレに行きたくなる
  • おむつ交換の回数や時間が大切
    交換のタイミングや回数を無視すると、夜間頻尿になることも
    睡眠パターンと排泄リズムを関係させて、おむつ交換のタイミングを考慮する
  • 傷ついた肌の修復は夜間に行われる
    おむつかぶれは、汚れたおむつが夜も当たっていたら、いつまで経っても治らない

 


入浴介助の留意点

2021-03-25 15:56:39 | 生活支援技術

入浴介助の留意点

入浴前

  • 利用者の意見を尊重し、なるべく好みの時間に合わせる
  • 身体状況の把握
    主治医の許可と注意事項の確認、バイタルサインの安定確認、疼痛の有無や腫れ・炎症・関節可動域の確認、下肢の浮腫や足趾の異常確認、皮膚の状態確認(特に入浴前にどうなっていたか、見落とさないこと。入浴によってどんな変化があったかを把握できなくなる)
  • 食事直後(30分以上あける)や極度の空腹時は避ける
  • 水分補給は15~30分前に200~300mlの水やぬるま湯
  • 排泄やストーマの処置を済ませておく
  • 脱衣室や浴室内の温度確認(ヒートショック防止のため)
  • 衣類着脱のため、椅子があると良い
  • プライバシーの保護ができる環境整備
  • 床の濡れや敷物のずれ・めくれがないか(転倒防止のため)
  • 使用器具破損有無の確認
  • 適切な温度設定(浴槽のみならず、シャワーやカランの温度にも注意)
  • 着替えや塗り薬等の準備。事前に準備しておかないと、入浴後に体が冷えてしまう

入浴中

  • 全身状態、動作の変化など、異常がないか
  • 転倒・滑落防止。床が濡れたり、石鹸によって滑りやすくなっているので注意。泡を流すなど、転倒しにくい環境整備に努める
  • 利用者の変化にすぐ対応できるように、また利用者と介護者双方が楽になるように補助具の使用を積極的に
  • リラックスできる環境整備
  • 洗い残しや流したりない部分が無いように。洗い過ぎやこすり過ぎは皮膚を傷め外傷の原因になるので注意
  • 浴室内は音が反響するので、声掛け時に配慮する
  • 大浴場で複数人が同時に入浴する際は、利用者同士の接触事故に注意
  • 長湯になり過ぎないように

入浴後

  • 全身状態、動作の変化が入浴前と比べてなかったか確認
  • 素早く水けをふき取り湯冷めに注意する
  • 汗が引いてから衣服を着る。疲労を考慮し、なるべく座って着替えができるように
  • 移動時の転倒に注意。特に、入浴後に体調が急変することがあるので注意
  • 水分補給をする(スポーツドリンクや経口補水液は体温に近い温度で200~300ml)をすぐに摂取
  • 休息を十分にとる
  • 入浴直後の食事は避ける。30分程度は時間を空けること