今昔物語集 巻第二十五 第三
《源充(宛)と平良文の合戦せる語》①
今昔、東国に源充・平良文と云二人の兵有りけり。充が字をば箕田の源二と云、良文が字をば村岳(むらおか)の五郎とぞ云ける。
此の二人、兵の道を挑ける程に、互に中悪しく成にけり。二人が云事を互に中言(誹謗中傷)する郎等(家来)有て、云令聞ける様、「充は良文を『其の尊は我に可挑き事かは。何事に付ても手向へしてむや。穴糸惜』となむ云」と良文に告ぐ。
良文此を聞て「『我をば然は否不云じ物を。手の聞む方も思量も、其の尊の有様、皆な知たり。実に然か思はば、可然からむ野に出会へ』となむ云ふ」と充に告ぐれば、魂太く心賢き兵也と云へども、人の云ひ腹立て合すれば、共に大きに怒を成して、「『此く云てのみかは可有き。然らば日を契て可然らむ広き野に出会て互に問』となむ云」と云ひ聞せければ、「其の日と契て野に出会む」と消息(果たし状)を通はしつ。其の後は各軍を調へて戦はむ事を営む。~(続く)
『今昔物語集 本朝部(中)』岩波文庫より
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《源充(宛)と平良文の合戦せる語》①
今昔、東国に源充・平良文と云二人の兵有りけり。充が字をば箕田の源二と云、良文が字をば村岳(むらおか)の五郎とぞ云ける。
此の二人、兵の道を挑ける程に、互に中悪しく成にけり。二人が云事を互に中言(誹謗中傷)する郎等(家来)有て、云令聞ける様、「充は良文を『其の尊は我に可挑き事かは。何事に付ても手向へしてむや。穴糸惜』となむ云」と良文に告ぐ。
良文此を聞て「『我をば然は否不云じ物を。手の聞む方も思量も、其の尊の有様、皆な知たり。実に然か思はば、可然からむ野に出会へ』となむ云ふ」と充に告ぐれば、魂太く心賢き兵也と云へども、人の云ひ腹立て合すれば、共に大きに怒を成して、「『此く云てのみかは可有き。然らば日を契て可然らむ広き野に出会て互に問』となむ云」と云ひ聞せければ、「其の日と契て野に出会む」と消息(果たし状)を通はしつ。其の後は各軍を調へて戦はむ事を営む。~(続く)
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