渡辺姓の探検室

全国第五位の大姓 渡辺氏の歴史を探るブログです。

古今著聞集の渡辺綱 2

2008-06-30 07:44:24 | 渡辺さんの祖渡辺綱
古今著聞集 巻第九 武勇十二
《源頼光、鬼同丸を誅する事》②
鬼同丸、頼光ののたまふ事を聞くより、「口惜しきものかな。何ともあれ、今夜のうちに、この恨みをばむくはんずるものを」と思ひゐたりけり。盃酌数献になりて、頼光も酔ひて臥しぬ。頼信も入りにけり。夜の中しづまるほどに、鬼同丸、屈強のものにて、いましめたる縄・金鎖ふみ切りてのがれ出でむ。狐戸より入りて、頼光の寝たるうへの天井にあり。この天井ひきはなちて落ちかかりなば、勝負すべき事、異義あらじ(むずかしくあるまい)と思ひためらふほどに、頼光も直人(ただひろ)にあらねば、早くさとりにけり。落ちかかりなば大事なりと思ひて、「天井に、いたちよりも大きに、テンよりも小さきものの音こそすれ」といひて、「誰か候」と呼びければ、渡辺綱、なのりて参りたりけり。「明日は鞍馬へ参るべし。いまだ夜を籠めて(夜が深いが)、これからやがて参らんずるぞ。某々供すべし」といはれければ、綱奉りて、「皆これに候」と申してゐたり。
鬼同丸この事を聞きて、ここにては今は叶ふまじ、酔ひ臥したらばとこそ思ひつて、なまさかしき事しいでてはあしかりなん、と思ひて、明日の鞍馬の道にてこそ、と思ひかへして、天井をのがれ出でて、鞍馬のかたへ向きて、市野原の辺にて、便宜の処を求むるに、立ち隠るべき所なし。野飼ひの牛のあまたありける中に、ことに大きなるを殺して路頭に引き伏せて、牛の腹をかきやぶりて、その中に入りて、目ばかり見だして侍りけり。~(続く)

『古今著聞集 上』新潮日本古典集成より

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