現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

二宮正治自叙伝小説:ぼくの人生と広島カープ第110回:古葉監督の苦悩その2

2012-01-23 20:03:16 | 日記

 昭和五十四年(1979年)五月のフラワーフェスティバルの頃になってもカープはぱっとしなかった。選手達の間には昭和五十三年の記憶が残っていて、

「なあにそのうち豪打が爆発するよ」

 こんな雰囲気が漂っていた。

古葉監督の顔は暗い。私は長年古葉さんを見ているので、

「辞める気だな」

 と直感した。

そして知り合いの女性を総動員して、

「いいか市民球場にいったら選手は無視していい、とにかく古葉さんに『古葉監督頑張って』と声をかけてくれ」

 と頼んだのである。

カープを愛している女性達は必死で古葉監督を応援してくれた。

「選手への声援よりも古葉監督への声援が多かったのである」

 これに刺激されたのか、カープはやがて勝つことができるようになった。

優勝への道を突き進んで行くのである。 


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