真理は広島にあるガン専門の医療機関を退職した。
「自分の体の中で進行している病魔が体力を奪い激務に耐えられなくなったのである」
予期していたとは言え辛い。
「来るべき時が来たか」
真理は自分にこう呟いた。
「でも私に代わって久幸の花嫁になってくれる由紀さんも来てくれたしめでたしめでたしと言うところか」
でもなぜか真理の目からは涙がこぼれた。
「もう用なしになったんだからだらだらしてもしようがない。神様のところへ行こうか。そうだそれがいい」
真理は自分の人生のまく引きを自分の手で決着をつける決心をしたのだった。
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