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ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇『責任と判断』 ジェローム・コーン編 中山元訳 ちくま学芸文庫

映画『愛を読むひと 朗読者』を見てから、無性にイライラする。

なにかに納得していないのだ。

それはなんだ?



これを本棚から探し出し、再読。




ベルンハルト・シュリンクBernhard Schlinkの描くハンナ・シュミッツは、いわゆる“思考なき世界の凡庸な悪”と言っていいかも知れない。(<思考なき世界>なのかな。<思考なき己の>なのではないかと私は思うが)
ハンナ・シュミッツにとって、強制収容所の看守の募集は、生きて行く上で選択せざる得なかったかも知れない。
故に上司の命令指示は、雇用された側にとって選択の余地があるとすれば、職を失うことを意味するのはないか。

しかし、アイヒマンにそれが、適応されるか。
もしされるとするなら、なぜアルゼンチンへ逃げたのだ?

逃避は、罪の意識がある故だろう。
ハンナ・シュミッツには、それがなかったのではないか。


イライラする自分に正直、この年になると疲労困憊。
いい加減にしてくれと、自分に愛想が尽きる。

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