ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇ 映画『マイ・ブラザー』を観た。

『マイ・ブラザー』(字幕版)




TVで映画を観られるシステムを導入以来、つい見てしまう。
昨晩深夜1時頃から見ちゃった映画。
『マイ・ブラザー』
アフガンに派兵された夫が戦死し葬儀も行われるが、実はアフガン兵に拉致され拷問をうけていた。
このアフガン兵というかイスラムへの視点は、ひたすら残酷で、これがアメリカがイスラムをイメージする視点なのかと感じる。
まぁ、日本に於いても、ほぼ同じ見方だと思うけれど。

映画の展開は、戦死した兄(トビー・マグワイア)の残された家族へ、弟のトミー(ジェイク・ギレンホール)が関わることで、夫や父を失った心の穴を埋めようとするが、トミー自身も「家族の恥」の言われたろくでもない生活から厚生していく姿が描かれる。

そこへ、戦死したとされていた夫が、米兵のイスラム過激派のアジト攻撃によって偶然発見され、帰国する。
PTSDによって別人のようになった夫、トビー・マグワイアの凄みある演技も見所。
すっかりこけた頬に異様な目つき。

そして子役の演技が、これまた凄い。
圧巻の演技!!
妹の誕生日に、やや送れて登場したトミーが、ガールフレンドを伴って玄関ドアの現れた時の、表情の変化。
妹の誕生日への不満をぶちまける時の演技。
もうその表情は壮絶。
妻役はナタリー・ポートマン。

偶然、先日観た『ブロークバックマウンテン』の主役だったジェイク・ジレンホールが今回も主役で出ていた。

 

戦争の悲惨さを描いた映画か数々あるけれど、戦争で失ったものを、こうしてそれぞれの個人が再生されていくという視点から描かれる映画は少ない。

 

アフガン戦争では、旧ソ連の猟奇的な事件や凶悪な事件は、アフガン帰還兵が多かったという。
アメリカ社会では、ベトナム戦争、イラク戦争など、帰還兵のPTSDは、やはり大きな問題になっている。


因みに『マイ・ブラザー』は、デンマーク映画『ある愛の風景』(2004年)のリメイク版だという。
デンマーク版でも原題は『Brothers / Brødre Trailer』です。
『ある愛の風景』って、どうなんですかね。

Brothers / Brødre Trailer

 

邦題『ある愛の風景』をYouTubeで発見できなかったので、デンマーク語英訳のものを、upする。
監督スサンネ・ピアと脚本家のアナス・トーマス・イェンセン、二人によるオリジナル原作だという。
予告の短いものでも、デンマーク語を久々に耳にして、それぞれの国の言語の響きって、面白いなぁとつくづく思う。
意味は解らないけれど、まるで、美しい音楽のように、聞こえてくる。

   
   

ところで、変に情緒的なチャラい邦題にするのを、いい加減にやめて欲しいと思う!!

 

<追記>
20日、〆切りの評論原稿があるというのに、相変わらず1行も書けていない。
もう、本当に、私の人生、懲りない日々です。

 

<余談>

ジェイク・ギレンホール(Jake Gyllenhaal)は、スウェーデン系アメリカ人で、「Gyllenhaal」のスェーデン語の発音は「イエレンフーレヘイ」という感じになるのだろうと思う。
スェーデン人でなければ、なかなか発音できない。

ノールウエィの俳優Tarjei Sandvik Moe の発音も難しい。
英語読みで、タージェイとカタカナ表記になっているが、ノールウェイ語の発音だど「ターリェイ」の感じ。

 

 

 

 

 

 

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